23本目「落下の解剖学」【ネタバレなし】
※本文は全て無料です。
映画についての基本情報
公開日:2024/2/23
監督:ジュスティーヌ・トリエ(フランス)
まえがき
実際のところ、この映画を観に行く予定はなかったのです。
そう、3/20が休日で、そして水曜日でさえなければ―――。
とまぁ、シリアスな雰囲気は続かないので普通に戻るとして。
このマガジンの最初の記事にも書いた気がするが、私は普段、あんまりこういう静かな映画は観ない。爆発音とか、悲鳴とか、そういうのが欲しい人間なのですよ。
しかもフランス語。
ペーパーという奴、部屋にフランス映画(「アメリ」)のポスターを貼っているくせに、フランス映画を観ると高確率で寝てしまう弱点も持っている。
圧倒的に自分に合わない映画を、「水曜日が休日なのに映画に行かないのはもったいないし、他に観るものもないから」という理由でチョイスしたペーパー。152分の長編、耐えられるか⁈
感想など
余裕でした。152分余裕で楽しめました。
まぁ、普段見てる映画とは根本的に方向性が違っていて、わかりやすいエンターテインメントでは全くなかったですね。
なんというか、「裁判員シミュレーター」って感じ。
「夫を妻が殺した」という容疑について、物証のない裁判を我々は見せられるのだが、そうなると「心証」という奴の取り合いになってくる。
例えば「夫の落下原因」という要素一つにしても、検察と弁護側で全然別のシミュレーションを用意してくるので、どっちともいえるわけだ。
後からどんどん、夫婦の実際の関係を示す証拠などが現れてきて、人間関係があらわになっていく点も良い。そのことによってどんどん自分たちの「心証」が変わっていく事を感じられるのだ。
映画自体は地味なのだが、登場人物のキャラは全員立っているのも〇。
個人的にツボなのは検察官。明らかに剃ってるスキンヘッドの目つきの悪い男で、「このBGMはミソジニー的な歌詞ですね。ご主人の意志が含まれているのでは?」みたいなねちっこいツッコミを入れる姿には妙に惹かれる。
ペーパーお勧め度
★4。
劇中で下される判決、納得できるだろうか?
私は違う方に入れるかなー。
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