化学のオンライン授業 遠い街から非常勤講師の依頼
400Kmも遠方の街から非常勤講師の依頼
2023年3月、行ったことも見たこともない高校から非常勤講師を依頼されました。それもGoogle Classroomを使うリモート授業、科目は物質を扱う化学なのに、実験ができないという悪条件でした。私にとっては無理難題に思えました。もう現場を離れて5年が経過していたので、自信もなかったし、億劫でもありましたが、1日迷って引き受けました。
無理難題を承知で引き受けた表向きの理由
退職した教員には、その後も教育に燃える人々と、燃え尽きてしまう人々がいます。私は後者でした。それでも引き受けたのは新学期直前になってこんなに遠くの街まで依頼してくるのは、よほど困っているからだろうと思ったからです。「やりたくない」だけで断ることはできませんでした。
無理難題を承知で引き受けた本当の理由
実は、地元の学校からの依頼を「通勤用の車を手放したので通えない」という理由で遠慮させてもらったのですが、リモート授業ではその言い訳が通用しませんでした。そして何よりもGoogle Classroomを使ってみたいという誘惑に勝てませんでした。
授業の準備ハード編
環境を整えるところからはじまりました。パソコンは必要もないのに組み立てた高性能のものがありました。カメラとマイクはWeb会議用のものを8000円で購入して、ハード面での準備は完了です。もう一つあってよかったのがスキャナーでした。教科書をPDFにしてPower Pointに貼り付けて使うのです。生徒も教科書に目を落とす必要がなくなるので、迷子にならなくてすみます。
授業の準備ソフトウエア編
自分の部屋からの授業なので、黒板は当然使えません。ホワイトボードも考えたのですが、ちょっと無理がありました。Googleスライドを試しましたが、Power Pointの操作に慣れていたので違和感がありました。やむを得ずOffice365を導入しました。これはWordもExcelも複数のPCにセットアップでき、OneDriveでデータを同期できるので便利でした。実験の代わりに動画を使うことにしましたが、YouTubeのものが十分使えました。教科書会社が作っているものはつまらないのですがYouTubeは楽しいものが多いです。
授業の準備Teacher編
あとはどうやって使うかという問題です。蛇口の交換も、人工芝の敷き方も、ウッドデッキの作り方も、いろいろな料理も教えてくれたYouTube先生に頼ることにしました。しかし、とーっても難しくて何を言ってるのか理解できず、新学期に間に合いませんでした。おかげで最初の一か月はグダグダ授業になりましたが、生徒も楽しみながらつきあってくれました。
次はこのグダグダ授業について書きたいと思います。