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人としての子どもの成長を目撃した日

大人になると幼い頃のことはけっこう忘れてしまうため、子どもたちはメルヘンのようなほのぼのした世界を生きていると誤解しがちですが、実際は子どもたちは壮絶なぶつかり合いの世界を生きているとも言えます。

「自己肯定感という呪縛」 (2021 柄本博明 青春出版社)


先日、10才以下の子ども含めて総勢15人ほどのピクニックに行きました。
私の姪(5才)と甥(1才)を始め、子どもたち同士で遊んでくれるので、(鬼ごっこに参加させられてたパパたちは意気消沈してた)楽でした。

喧嘩の数秒後に仲直りして、まるで衝突の事実なんてなかったかのように、無邪気に仲良く遊んでいて、
「子どもって単純でいいなー」
とぼんやり眺めていたのですが、じっくり観察してみると、大人と比にならないくらいのスピード感と激しさでもって、彼らの心は絶えず働いているということに気付きました。

集団への適応


なんか、こういうこと言うと”変人”扱いされる傾向にあるので、普段自分からあえて言いはしませんが。

私は、子どもがあまり好きではありません。むしろ苦手。
(「人による」は大前提)

大人の常識がまだ分からないから論理的に理解し合えないし、本能の比率が高すぎてついていけないし、鼻くそつけられるし、すぐ感情的になって泣くし、嘘泣きするし……。
ある点では、今でも私はまだまだ子どもだなぁ、と思うときも多々あるのですが、常に子どもの状態にある人が苦手。っていうか怖い。
目の前にいるときは可愛くて癒される~って思っても、時間差でどっと疲労感に襲われます。

例えば身内の子や、産まれたときから知っている子どもに対しては、もはや別次元の愛着を抱いているため、子どもとか大人とかの概念が薄いのですが、
でも、だからこそ日々の生活の中で、なかなか子どもとしての心の動きを認められないというか、一人の人としての成長を実感し辛いというか……。

とにかく、今回傍から子どもたちだけの集団を観察することで、姪の著しい成長を目の当たりにし、結構ぐっときました。

共感と譲歩


その日の朝。
コンビニに行ったついでに、姪の大好物のマーブルチョコレートを買って帰りました。

「シショー、ありがとう」
(※姪は私のことを”師匠”と呼ぶ)

ちゃんと、自発的にお礼を言えるマナーが身についてる。
よしよし。
姉、ナイスファイト。

「一個ちょうだい?」

数年前までの姪なら「あかん」と断るか、
少し悲しそうな表情で、惜しそうにやっと一粒差し出すといった具合でした。
私はその顔が可笑しくて、わざとイジワルするのですが……。
今では、「いいよ」とふたつ返事で快く分けてくれます。
(その時のコンディションによる)


そしてピクニック。
お弁当を食べ終わりお菓子タイムに突入すると、二才の女の子がじーっと姪のマーブルチョコレートに熱い視線を送っていました。
人見知りも場所見知りもするし、「これ食べてもいい?」なんて聞けないよね。
大人にだって難しいと思う。
いたたまれなくて、姪に「ちょっと分けてあげたら?」
と聞こうとしたそのとき、

「食べたい?」

と姪の声。
三才も年下であることを考慮してか、聞いたことのないソフトヴォイスで、ぅゎぁあ♡、と思いました。
そんなこと出来るんだ!
聞かれる前に、状況と相手の表情から他者の気持ちを想像して、提案する。
この子にはちゃんと、共感力がある。
そう思うと私、大阪中のマーブルチョコレートを買い占めたろうという気分に。
嬉しかったです。

子ども同士の中で育まれる忍耐力


日頃からいくら甘やかしすぎないようにと意識をしていても、
嫌われるくらいなら、
「そんぐらいいいよ」
って気に最終的になって、だから結局大人から譲ってしまう。
そして、それを子どももちゃんと理解している。

けれど、世界の広さも経験値も知識量も同等の、子どもたちだけの社会の中で、
”なんでもかんでも思い通りになるわけじゃない”
という経験を経て、共感力や忍耐力が着々と育まれるんだなって、改めて感じました。
自分の衝動を抑えたり、譲ったり、喧嘩したり、仲直りしたり……。
他者との摩擦の過程で、人は成長するんですね。

この数時間で、今の私の5年分くらい、猛スピードでステップアップしてんなって思いました。

不思議なこと


私が子どもが苦手だということは、先述した通りです。

「人は鏡」

ってよく聞くし、だから私も、基本的に子どもが避けたがるタイプの大人なんだろうか。
子どもって、そういうことに関しては第六感的なものが働くのか、すごく敏感に人間の深層心理を読み解く洞察力が、元々備わっていると思うし、もう、バレバレだろうな。
と思っています。

が、

実際はね…、
ごめんなさい自分で言うけど、

めっちゃ好かれんの。

まじで謎。
私よりも優しく接してくれる人も面白い人もいるのに、なぜか気付けば膝に座っていたり、手を繋がれたり、これしよあれしよと言われ
「えー、いやー」
ってズバッと断っても、めげずに向かって来る。

なんですか?

でもやっぱりアレですね。
どれだけ苦手だとか思っていても、懐かれると、
仕方ねぇなぁ♡
ってなるものですね。

愛嬌って、まじで大事だわ。
またひとつ、勉強になりました。




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