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大きな山をひとつ超えた 第28節 愛媛対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは仙太郎です。

勝ち点差12で迎えたアウェイ愛媛戦。ここで負ければ実質、優勝は諦めなくてはいけないビッグマッチ。引き分けも許されなかった愛媛戦を振り返ります

https://youtu.be/820VxKFP-5o?si=_X_2PcvsiHjl_rdt

鹿児島の先週からのスタメン変更は3人。松山、山口、端戸選手が外れ、泉森、中原、山本選手が入ります。この大一番に大島監督はなんとJリーグ初出場の泉森選手を抜擢します。すごい度胸。

そして攻守の要、山口選手が警告累積で出場停止なので、約2ヶ月ぶりの中原選手が出場します。
山本選手の先発に関して言えば、守備を重視したようですね。これは攻撃力が優れている愛媛対策としては良かったと思います。

愛媛対鹿児島 スターティングラインナップ

鹿児島ユナイテッド
まず監督が代わって以降、続いている鹿児島の守備の強度はこの試合も高かったです。愛媛はショートパスをつなぎながらボールの前進を図りますが、これが鹿児島の守備にはまります。

前半6分も藤本選手のチャレンジから、中原選手がボール奪取してからのカウンターで、米澤選手が得意の形でゴールを決めて、鹿児島が先制します。ただ早く先制すると逆転負けした試合の悪夢がよみがえりますが、この日の鹿児島は終始守備強度が高く、愛媛に自由にプレーをさせません。

前半1分、左サイドからセンタリングする場面。泉森選手がゴール中央にいるのがわかる。なのでニアへのボールは少し対応が遅れる。この時もギリギリパンチングで逃れたが、一瞬入ったかと思うほどのボールになりました

最近続いていた、セットプレーからの失点ありませんでした。ただファーサイドでフリーにさせることが何度かあり、ここは要修正ですね。
前回讃岐戦でニアで失点したので、今回はニア寄りに選手を集めているように見えました。

ただセットプレーからの失点が続いているということは、セットプレー以外では失点していないので、ここが最近の鹿児島の好調を支えています。

前半2分 愛媛のシュートの場面。泉森選手のポジショニングが少しだけ左に寄っているのがわかる。しかもジャンプしているので、ファー側に蹴られていたら反応が遅れたと思う。この時はほぼ正面に来たのでパンチング逃れた

愛媛のビルドアップに鹿児島はプレス掛け、ボール奪取する機会も多々ありました。鹿児島の2点目は、愛媛のビルドアップを鹿児島がボール奪取して、ゴールラインまで侵入して得たCKです。

ボールロストした後の愛媛の切り替えも早かったので、鹿児島も決定的なチャンスを作るまでにはいきませんでしたが。最後愛媛はビルドアップ諦め、ロングボールを蹴っていました。それくらい鹿児島の守備が良かったということです。

またプレスを回避されてボールは前進されても、時間を掛けさせることで、速攻を許さず最後のゴール前では防げていました。

前半6分 鹿児島先制点の起点となった場面。最初、藤本選手が後ろからチャレンジして、ボールを取れそうになりますが、こぼれたボールが愛媛に渡りドリブルされたときに、中原選手が素早くプレスを掛けてボールを奪取。愛媛もすぐにカウンタープレスを掛けに来たのですが、中原選手がすぐに藤本選手へパス。そこから米澤選手へパスして、得意の角度から得点。この時、米澤選手が守備のために戻ろうとしているのがわかる。もしボールを奪取できなければ、その前方には大きなスペースがあるので。この切り替えの早さが鹿児島の好調を支えているし、米澤選手がただの点取り屋でないことを示している

ただ終盤、前線の選手が疲れ、前からプレスが掛からなくなり、ズルズル最終ラインが後退し、押し込まれる時間が長くなりました。
もう少し早いタイミングで藤本、五領、米澤選手を交代させた方が良かったと思います。

それに交代で入る選手へのリスペクトも欲しいですよね。
残り数分で投入されて、何をするのという感じになると思います。

GKが怪我したときに最後の交代枠を残すはわかりますが、それならもう少し前の交代時に一緒に交代すればいいですよね。

前半20分 愛媛が左サイドからセンタリングする場面。この時も松田選手がニアに走り、合わせるが泉森選手がかろうじて防ぐが、ポジションがやや中央寄りに位置している

Jリーグ初先発の泉森選手。
この重要な一戦に初先発のGKを使う監督の判断はしびれますね。
ただ練習を見て、大丈夫だと判断されたのだとは思いますが。

試合開始直後は、彼の緊張が画面からを伝わってきて、こちらも緊張したりしてです笑。試合開始直後すぐに何回か守備機会があったので、そこで落ち着くことはできたと思います。

正直、危ない場面が少なかったのでまだ評価するには早いかと思います。
ただ前半と後半にあったビッグセーブは良かったですね。
少し気になったのは、サイドにボールがあるとき、ポジションがやや中央寄りだったことでしょうか。


確かにボールは最終的に中に来るんだけど、ニアを空けすぎるとそこで合わされてゴールされる可能性もあります。
試合開始直後のセンタリングをパンチングしたときは、少し遅れたのでゴールされたと勘違いするほど危険でした。また愛媛の松田選手は何度もニアサイドに飛び込んでいました。

後半34分の愛媛のシュートが味方に当たって、こぼれたボールに素早く飛び出してキャッチした判断は見事でした。ひとつ間違えればPKになるプレーでしたからね。

心配された山口選手の欠場でしたが、中原選手が埋めてくれて、山口選手不在を感じさせなかったのも良かったです。先制点の起点になるボール奪取も見事ですし、その後倒れながらもすぐにパスを出したのも地味ですが、いいプレーだったと思います。

後半58分 鹿児島の追加点の場面。起点は愛媛のビルドアップを鹿児島が強いプレスで奪ってからのカウンターで得たCK。愛媛はCK時にゾーンとマンツーマンのミックスで守っていた。ただニアサイドに人を掛けていて、ゴール前には選手が少ない。なのでマンツーマンのところで、鹿児島5人対愛媛3人の数的有利な状況になっている
結果的にゴール正面で鹿児島2人対愛媛1人で競っている。そのため藤本選手がヘディングしたボールを、米澤選手がコースを変えて追加点となる

愛媛
愛媛は相模原同様、自分たちのサッカーをやってきてくれたので、鹿児島の強度の高い守備に苦戦していました。たださすが愛媛。中へ縦パスを入れてボールを前進させることはできていました。

鹿児島も戻りが早く、自由にはプレーさせなかったこともあり、決定的なピンチの数は少なかったと思います。また鹿児島のプレスの影響でパスミスも多かったですね。

愛媛はGKを使ってボールを前進させようとしていました。ただGKの辻選手は足下の技術うまくないので、そこが狙い目ではあったのですが、鹿児島はGKに直接プレスを掛けるよりは、パスの出先にプレスを掛けてボールを奪うことはできていました。

ベン・ダンカン選手を投入して、ツートップにした時点でもう少しロングボールを入れてくるかと思ったのですが、入れてこないかったですね。鹿児島としては、入れられた方が嫌でした。松田選手のスルーパスからのシュートも見事でした。

鹿児島のSBにベン・ダンカン選手や松田選手を当てて、ヘディングを競ることになると、鹿児島としてはかなり嫌だったと思います。

後半63分 愛媛の攻撃の場面。木村選手がプレスを掛けに行くが、ワンタッチでライン間のスペースにいた松田選手にパスされた。ここで岡本選手が中途半端に前に出てことにより、裏にスペースができ、そこにベン・ダンカン選手に絶妙のスルーパスのパスを出される。ここは下がりながら、松田選手との距離を詰めたかった
この時、戸根選手のカバーが遅れてフリーでシュートを打たれるも泉森選手のビッグセーブで難を逃れる。この時の泉森選手のポジションは適切な位置にいる

松田選手はさすがにクオリティで、ゴール前で脅威になっていました。ただその松田選手への決定的なパスルートは遮断できていたのが、この日の鹿児島の勝因のひとつでした。

負けたとはいえ、自分たちのサッカーを貫く哲学自体は素晴らしいと思います。スコア自体は2−0でしたが、ゲーム序盤に得点を取られていたら、どうなっていたかはわからなかったですね。
ただこれで愛媛にとって次の試合がとても重要な意味を持つことは間違いありません。

まとめ
総合的には鹿児島の良さがでたゲームだったと思います。
鹿児島的にはこれで負ければ、あとがない崖っぷちのゲームだったので。

最近、結果が出ていることもあるのですが、それに内容が整っているのがいいと思います。ただこれを続けていくことが難しいし、だからこそ続ける必要があります。残り10試合、全部勝つのは難しいかもしれませんが、負けなしでいけるようにしたいですね。

大きな山は越えました。ただまだひとつだけです。
これから残り10試合。山を越えていかなければなりません。
ただそのためには目の前の試合をひとつひとつ越えていくしかありません。

次はホームでのYSCC横浜戦になります。
ここから下位のクラブとの試合が続くのですが、これがまたやっかいです。
今年はJFLへの降格もありますし、監督交代も増えていますから、どのクラブも必死に向かってくると思います。

鹿児島は下位クラブ、特に5バックを苦手にしていますからね。
ただそこをクリアしないと、優勝と昇格もないのでやるしかありません。

「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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