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傷だらけの勝ち点3 第25節 鹿児島対北九州

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは仙太郎です。大事な9月を2連勝でスタートできた鹿児島。重要なホーム連戦で勝利したい北九州戦を振り返りましょう。

https://youtu.be/wMeiT3wjEyo

先発メンバーは米澤選手が出場停止明けで戻ってきて、薩川選手はベンチ外で砂森選手が先発し、CBには小野寺選手が戻ってきました。しかしいきなり鹿児島にアクシデント。重要な右SBの星選手が試合開始早々6分に怪我して、渡邉選手に交代します。

鹿児島対北九州 スターティングメンバー

北九州はビルドアップが素晴らしく、鹿児島が前からプレスを掛けても難なく突破されボールを前進されることが多かったですね。CBも縦パスを入れられますし、中盤の選手も中間ポジションでマークを外して受けられるので、北九州のペースで試合が進みます。これはかなり良くトレーニングされていると感じました。

ただ北九州はボールは前進できるのですが、鹿児島ゴール前に近づいても単純なクロスを上げることが多く、崩すことはできておらず大きな脅威にはなっていませんでした。サイドの選手がもう少し1対1とかで仕掛けられると鹿児島も動かざるを得ず苦しかったと思うのですが、そういう場面はほとんどなかったので、なんとか失点はしなくて済みました。

鹿児島は前半40分までシュート1本という苦しい展開で、正直前半は0−0で終わってくれと思っていたのですが、ロスタイムに鹿児島が先制します。五領選手からのCKを北九州のGK 加藤選手がパンチングをミス。後ろから詰めていた小野寺選手のヘディングシュートがバーを叩き、戻ってきたボールをいいポジションにいたロメロ・フランク選手が押し込んで鹿児島が先制します。

小野寺選手がヘディングシュートする際のロメロ・フランク選手の絶妙なポジショニングに注目。北九州の選手がボールを見ている中、ロメロ・フランク選手はフリーでスペースに立っていてこぼれ球を押し込んでいる。決して偶然ボールが来てゴールしたわけではありません

普通だったら加藤選手がボールをキャッチして鹿児島の攻撃は終了だったのですが、CKのときGKの前で北九州の選手が飛んで触れなかったんですよね。それでその選手がボールに触ると予測していた加藤選手はキャッチできず、慌ててパンチングをしたのですが、これもちゃんと当たらず後ろにそらす結果となり、失点へと繋がりました。

鹿児島は後半きっちりとポゼッションし、落ち着いた展開からカウンターで追加点したいと考えていましたが、そういう展開にはなりませんでした。ただ後半の入りは悪くなく、53分位までは押し込めていて、前プレスからインターセプトでボールを奪取してシュートできていました。

ところが北九州さすがです。54分からは対応してきてボールを前進させてきます。ただ鹿児島も前プレスがかわされても、選手の運動量が落ちずに戻ってきていたのでなんとか対応できていました。先程も指摘しましたが北九州のビルドアップは素晴らしかったのですが、PA近くでの最後の崩す場面では単純なクロスが多かったので、鹿児島は跳ね返すことができていました。

後半75分の北九州が鹿児島の前プレスをかいくぐって前進する場面。鹿児島がサイドにボールを誘導してボールを奪取しようとするがワンタッチやツータッチでプレスを回避して前進する。北九州の選手がサポートに来ていてボールの出口を作っている。鹿児島が前プレスを掛けるとどうしても中盤は3人で守らざるを得ず、このサイドにはスペースができやすく、鹿児島のひとつの弱点

75分までは北九州が押し込む展開が続いたのですが、76分カウンターから鹿児島の追加点のチャンスがありました。クリアボールを渡邉選手が拾ってキープすると後ろから全力で走ってきた米澤選手へ絶妙のヒールパス。そのまま米澤選手がドリブルで前進して、シュートしますが、きちんとミートできずGKにキャッチされます。

後半75分の鹿児島のカウンターで2対2で数的同数の場面。このとき木出選手が右に抜けてしまった(赤点線矢印)のだが、本当は左のスペース(青点線丸)に行きたかった。右に抜けたことで北九州の選手が木出選手とボールを同一視野に収めることができる。左に逃げていれば北九州の選手の背中側なので、視野から外れてフリーになれるし、木出選手が左に抜ければ、左足で止めて左足でシュートでき、得点の可能性は上がったと思われます。しかも北九州の選手は一度体の向きを変えてから木出選手に寄らざるを得ないので、木出選手はさらに余分の時間を得ることができ得点の確率は上がります

その後も鹿児島が前プレスするが北九州がボールを前進させる展開が続きますが、後半79分に牛之濱選手が投入された時点で5バックに変更。ここからは自陣にブロックを作って守りを重視する戦術に変更して、鹿児島の守備が落ち着きました。

そもそも北九州は後ろからロングボールを蹴るわけでもないので、ある程度ボールを進められても怖いわけではありません。もう少し早く5バックにしても良かったかもしれません。途中出場した北九州の狩土名(カルドナ)選手などは高くて強いので、ロングボールを入れられた方が鹿児島は嫌だったと思います。

とはいえ終盤は守備に重視の鹿児島が逃げ切って2位を奪還。いわきが破れていたので勝ち点差1となりました。松本山雅も2対1で勝利しましたがギリギリの勝利でしたし、藤枝は前半にレッドカードで一人退場しながらも1点を守り抜いての勝ち点3と、どの上位チームも簡単には勝てていません。

しかし本当に全員で戦い守りきった試合でした。後半55分に北九州のFKからヘディングで折り返されて混戦からオーバーヘッドでゴールを決められたシーンも、有田選手が頭を出したので危険なプレーでファールと判定されて得点とはなりませんでしたが、このシーンで頭を出すのはとても勇気が必要ですし、頭を出さなくても誰も彼を責めないでしょう。下手すると大怪我になりかねないプレーですが、それでも体を張って失点を防ぐ。その一つひとつが際どい勝利を呼び寄せているのは間違いありません。

先週の讃岐戦でも中途半端なプレスからボールを前進されていましたが、前から行ってボールが取れないのであれば、自陣のブロックを引いて守るのもひとつの戦術です。前から行くのか自陣で待ち構えるのか、選手たちの判断で切り替えられるともう少し試合展開が落ち着くかと思います。そしてそこからのカウンターですね。ここもまだ成長の余地はあると思います。

またしても星、広瀬両選手を失うという大きな犠牲を払いながら勝利した鹿児島。確かにここまで来ると内容はともかく勝ち点3を取ることが最優先ではあるのですが、内容が悪くて勝っていると、ひとつバランスが崩れると連敗する可能性があります。そして最近はそういう試合が前半戦よりも増えていると思います。

それは上位の鹿児島に対して研究して、対策を練っているからだと思います。なので鹿児島も今まで以上に成長していかないと、終盤に向けて厳しくなると思います。来週は広瀬、星両選手抜きで戦わなければならないと思います。チームの総力で勝利を目指していきたいですね。

それでは来週のアウェーの鳥取戦でお会いしましょう。
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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