薄氷の昇格と勇気ある戦い 第38節 鳥取対鹿児島
鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは仙太郎です。ついに来ました最終戦。泣いても笑ってもこれで最後の試合です。どうせなら笑って終わりたい笑。
先週は満員の白波スタジアムで、沼津戦を快勝した鹿児島ユナイテッドFC。
昇格の掛かった大一番、アウェイの鳥取戦を振り返ります。
昇格の条件は
鹿児島は3位の富山に対して、勝ち点差2あります。
なので鹿児島が勝てば文句なしに昇格
引き分けでも富山が大差で勝たない限り、昇格です
負けても富山が引き分け以下だと昇格
なので圧倒的に鹿児島が有利な状況の最終戦だったはずなのですが、最終的な結果は.....
鹿児島は前節とメンバー変更なし。鳥取は最多得点の牛之濱選手が鹿児島からレンタル移籍のため出場しなかったのは幸運でしたが、代わりの常安選手も危険なプレーヤーでした。
鹿児島ユナイテッドFC
鹿児島はいつものように守備時は4−4−2で、ボールを循環されるとサイドハーフの米澤選手が前に出てプレスを掛けます。ただこの日の鳥取はビルドアップの精度が高く、ボールの前進を許すことが多くなります。もちろん鹿児島の守備強度も低いわけではないのですが、中盤の普光院選手を始め4人のクオリティが高いので、ボールを奪うのに苦労しました。
この日は、両チームともプレス強度が高い試合でした。鹿児島は鳥取のDFラインが高いというスカウティングの結果だと思うのですが、ロングボールおよびダイレクトパスで、DFライン裏を狙う選択肢を持っていました。
特に中原選手は得意のダイレクトパスで効果的な攻撃を演出していました。
前に出るGKの裏を狙っていたのも、GKが高いポジションを取るとのスカウティングの成果だったと思います。実際、野嶽選手のシュートは紙一重でしたよね。
ただ鳥取はボールサイドに人数掛けてくるのですが、ゴール中央のバイタルゾーンががら空きになることが多く、これが失点の多い原因のひとつかと思います。なぜわかるかというと鹿児島がかつてそうだったからです笑。
鹿児島はボール保持時は、二人のCBでビルドアップし、時々ボランチの山口、中原選手が下がってきますが、ツートップの鳥取はそれほど厳しく前プレスに来ないので、そこでは問題ありませんでした。
ただ鹿児島は相手ゴール近くでも、スペースの少ない同サイドで突破からフィニッシュまで行くので、最後はブロックされたりGKにセーブされることが多くなります。
鳥取もボールを持ってチャンスを作ってはいたのですが得点にまではいたらず、前半は0−0で折り返します。
そうして0−0で後半に突入したのですが、11分に中原選手がスライディングしてPKを与えてしまいます。基本的にペナルティエリア内でスライディングするのは、リスクが高いです。というのも、スライディングしちゃうと止まれないので(しかもこの日は雨が降っていたので)、もうボールに触るか、相手を倒すかの二択なので、PA内でスライディングするのはかなり危険なプレー選択になります。
翌日のファン感で端戸仁選手が(ボールに寄せる)初速が遅かったと話していましたが、この時は左サイドを常安選手にドリブルで突破されたので、全員がゴール前に集結してしまい、逆サイドががら空きだったので、しかたない部分はありますが、この大事な試合のプレーにしては少し迂闊だったと思います。実際、昇格できたから笑い話ですが、できていなかったらと思うと背筋が凍る思いです。
この時は普光院選手は中原選手が飛び込んでくるのが見えていたので、積極的に避けようとはしなかったと思います。なのでPKの判定自体はその通りなので、選手も抗議してなかったですよね。鹿児島ユナイテッドサポーターは凍り付きましたが。
しかもこのPKを普光院選手は、左上に突き刺す、すごいシュートでした。
GKはノーチャンスでした。
鹿児島も負けじとボールサイドに圧縮するのですが、鳥取は巧みなパス交換で、ボールを前進してから中にセンタリングしてきます。鹿児島に取って幸いなことに、鳥取はFWの選手もボールサイドにポジションするので、中央には誰もおらず助かりまた。
ただこの日の鹿児島は、前からプレスを掛けるので、そこをかわされたときは、カウンターをされるわけですが、この日の鹿児島はカウンター時の戻りも早かった。だから安心してプレスを掛けられていましたし、カウンター局面でもそれほど危ないシーンがありませんでした。
そして同点に追いついた後も、鹿児島は前からプレス行けていたので安心でした。シーズン終盤は、後ろ向きなプレーが増えていたのですが、この日は勇気のあるプレーが多くあり、これが引き分けで追われた原因のひとつだと思います。
アディショナルタイムでも、鹿児島の前プレスから相手陣内でプレーすることが多かったですよね。最後に武選手がボールを奪取した場面がそれを象徴しています。
この日も、山口卓己選手がよかったですね。
ビルドアップから中盤の加速、フィニッシュまですべての局面に絡み、
分身の術みたいないに、どの局面でも卓己がいる感じでした笑。
同点の場面でもビルドアップに絡みながら最後の場面では、裏のスペースへ走り抜けて、相手DFを引きつけて、スペースを作り、アシストしています。
もちろん守備の局面でも、ボール奪取し、ルーズボールを回収し、地味なんですけど、なくてはならない選手でした。
渡邉選手も前に上がり、センタリングの精度高かったです。直接、得点には繋がりませんでしたが、危険な場面を何度も演出していました。
終盤晴れてまぶしくて見にくかったのも、昇格への壁でした。
日本のスタジアムは、西日が入らないような角度でスタジアムは作られているはずなのですが、季節によって太陽角度が変わるとかですかね。
GKの泉森選手や左SBの野嶽選手とかはボール見づらい感じでした。
あれで失点したら、誰の責任なんか、などと考えながら見ていました
ガイナーレ鳥取
ゴールキック時はロングホール蹴ることが多かったですが、ボール保持時は2CB+GKの三枚でビルドアップを開始します。
ただ鹿児島はツートップでプレスを掛けてくるので、通常これだとボールを前進させるのに苦労するはずですが、中盤の選手やSBを使いながらボールを前進させる様は見事でした。
総得点数はトップクラスの鳥取らしい、攻撃的なサッカーでした。
特に鳥取のビルドアップはよくトレーニングされており、
中盤の選手がパスした後、縦に動いてパスを受けるので、鹿児島はプレスの掛けどころが難しく、ボールを前進されていました。
一度中央を使ってサイドに展開されるので、鹿児島の対応が後手に回ります。
といって中央に絞れば、サイドから前進するし、ロングボールを使ったりして、ビルドアップの手法が多彩でした。
サイドチェンジしてサイドで1対1を作られる機会をも多かったですね。
センタリングは鹿児島攻略の定番である逆サイドのSB狙っていました。
ただビルドアップに関しては一枚上手でしたが、CFWタイプが中央にいないので、ボールの前進はできてセンタリングはできるんだけど、後からの押し上げも遅くなり、合わせられずPKの1点に留まったところが、この日の結果を左右したと思います。
牛之濱選手の得点が多いのは右サイドで崩してセンタリングしたところに、左サイドから詰めてくるからだと思います。そういう意味で、この日、牛之濱選手が不在だったのは、鹿児島にとって、とても幸運だったと思います。
特に中盤の田村、瀬世、普光院の三人はとてもクオリティが高く、なかなか捉えられませんでしたし、常安選手のドリブルも脅威でした。
まとめ
最終的には昇格できましたが、まさに薄氷の昇格でした
山本選手の同点ゴールあったから良かったのですが、そのまま負けても富山が引き分ければ昇格のはずだったのですが、なんと富山がアディショナルタイムにPKから得点し、勝利。
もし鹿児島が追いついていなければ、アディショナルタイムに大逆転して富山が昇格ということもありえた最終節でした。
ただ結果はともあれ、選手は緊張感を持ちながらも、勇気を持ってボールを持って攻撃できていましたし、前からの守備もできていました。これが鹿児島サポーターが見たい鹿児島ユナイテッドFCのサッカーです。
シーズン終盤に、少し後ろ向きなプレーが続いたときにはどうなるかと思いましたが、最後の最後で勇気を持ったプレーが見られて満足です。
それにしても本当に最後までドキドキハラハラのシーズンでした。
普段はライバルクラブの途中経過は全然気にはしないのですが、この日だけは先制された後は富山戦もスマホで見ながらの二元中継でした。
現地で応援いただいたサポーターの皆さん、ありがとうございました。
このブログも昇格の報告を持って締めくくることができました。
一年間、拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。
ちょっと私も休みます笑
ヘッダー画像提供:@ma_osaさん
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