その調査は1984年に
すでに、ユニクロや無印のレジからも人は消え、マックもスタバも無人化。会計ソフトが会計担当者の気遣いを無くしてくれたと思ったら、担当者が要らなくなって無人化というご時世。
そのうち、ネットでクルマを選んでメーカーさんに直接発注し、メーカーさんから直送…なんてスタイルがスタンダードになるのだろう。そうしたら地域ディーラーの気が利かない営業さんにイライラすることもなくなるが、地域ディラーという就業場所もなくなる。
レジ・スタッフの対応のまずさに拠るストレスから解放された途端に就業の場が奪われる。面倒ごとを避けて通っているうちに、人々が働ける場は極端に少なくなっていく…歓迎しているうちに収入の道が絶たれる。
鉄道駅も、すでに事務系のスタッフ数名で運営される方向を歩み始めている。…高輪ゲートウェイ駅だけじゃなく、気がつけば駅のホームに駅員さんはおらず、その上、列車の運転もワンマンか無人。長距離トラックの無人化も時間の問題。人手不足を免罪符に、高齢者の福祉施設で、お年寄りと体操するのはロボット。まるで「老朽化」が不要不急の再開発事業を呼び込むように「人手不足」には裏がありそうだ。
(恐らく、一部に顕在化している、ホントの「人手不足」にだけスポットを当てて、全般的な問題のような錯覚を演出しているのだろう)
もちろんAIが苦手にしている仕事もある。でも、そういう仕事の多くは、人間も苦手にしている仕事。つまり、AIが苦手にしている仕事ができる人はごくわずか。人間が苦手にしている「努力」や「忍耐」も、AIなら「平気の平左」。しかも24時間/365日、彼らは賃上げ要求もせずに休まず働く。
すでに1984(昭和59)年、当時の大蔵省が所管していたソフトノミクス・フォローアップ研究会がこうした状況を予測し報告書を書いている。その報告書の一節にこんな文言が(飯田経夫:理論経済学チームの報告書から)。
技術進歩の恩恵により、すでにわれわれは豊かな社会を維持するために必要なモノとサービスを生産するのにさほっど長時間働く必要はなくなった。この傾向は来世紀にかけてさらに進むだろう。しかし、全員に仕事を準備しようとすれば、”実業”だけでは足りず、”虚業”にまで頼らなければならないかもしれない。
けっこう力の入った研究だったが、当時は「省内」でもあまり注目されることもなく、世は「バブル経済」な乱痴気騒ぎに飲み込まれていく。
もう40年近くも前の報告書…「あれ?」と思うところも少なくないけれど、的確だと思えるところもたくさんある。
それよりなにより、もう少し早く「公」が動き出せば、傷は浅くてすんだのに…とは思う。40年近くの時間があったんだから。でもまあ「後悔先に立たず」だスタンダード。時計の針を元に戻すわけにもいかない。
とっくにサイは投げられてしまっている。
市井の僕らは、もがき苦しみながら生きていくのが生成りなんだろうと、諦めつつ、さあ、どうすると、ぢっと手を見る。