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前例のない大型台風だったりする

やよい軒だったか、必要なスタッフの員数が整えられなくて、時間によって入場制限だそうである。
会社は、そのうち、ロボット化、無人化を考えるだろう。そうでなければ必要な利益を上げることができなくなるから。

すでに餃子を売り物にた街中華のチェーン店は、その餃子の手包みを止め、その作業をロボットに置き換えている。また、そのライバル店は調理ロボットの導入を検討しているという。ガストでは配膳ロボットが活躍している。
焼肉店でも同様の店舗がある。

イトーヨーカドーのレジには二系統ある。セルフと従来のものと。100円ショップにも同様の店舗があり、無印もそう。ユニクロ、GUのレジは、すでに無人だ。

たぶん「憶えて慣れる」のマニュアル・レーバーは数年と保たないだろう。人間の仕事ではなくなる。
現場仕事だけでなく、経理、人事、法務などの仕事も、どこまで人間の手に残るかわからない。

医師の仕事もそうだ。街の開業医の仕事は、今も「実質、薬剤師」といわれているが、血液と画像モニターによるAIの方が誤診率は低いということがわかっている。医学に知見を持つものが診断するのではなく、何十万、何百万の診療データを持つコンピュータが統計学で診療を行うようになる。遠い未来の話ではない。医師会がオブジェクションを唱えなければ、あしたにも可能になる話しだ。

カスタマイズが可能なチャットGPTは交渉術に長けていない弁護士という職業をも脅かすという。

工業生産で、集団生産だった時代を長く過ごしてきた世代こそ、どの職種についたら「安定的な収入を得ていけるのか」と考える。
でも、それはもう過去のことだ。たいていのビル清掃はロボットに置き換えられるだろうが、新津春子さんのような技能を持つ清掃員は、それが現状では考えられない高給で評価されるようになる。

どの職種でもそうだ。

片やロボット炒飯、その一方でオヤジさんが中華鍋をふる炒飯は3千円になるのか、5千円になるのか。もちろん、それでも客は満足して帰っていく。

考えてみれば、寿司だって、鰻だって、そんな感じに高級化していった。一方に回転寿司あり。一方に「久兵衛」あり。そんな感じ。

野菜だって、まるで工業生産品のように、インドア(人工灯)で水耕栽培されるものと、土で育てられるものと。

こうした変化が急激なほど、ベーシックインカムが必要になるし、生活利便の無人化は進む。

もちろん生活の根幹に関わる問題だ。

でもテレビは何も言わない。新聞もラジオも言わないに等しい。SNSでは散見するが、世論を形成するまでには至っていない。でも、無人化は進んでいる。日本円はかつてないほどに弱いから、何事も輸入に頼るわが国では「物価」は高騰を続ける。ベーシックインカムの実現が遅れれば遅れるほど、世の中は荒れる。無人化の実現が早ければ早いほどそうだ。

僕らは長いこと、マニュアルレーバーな集団生産で収入を得てきた。学校教育だって、そういう未来を前提に「みんなで」「専門より普通」を育んできたはずだ。

個人の責任ではない。国家戦略の問題だ。

今こそ「建前の民主主義」を卒業すべきなんだろう。遅くとも、数年後には死に直結する問題になっているはずだ。

確かに「あしたはあしたの風が吹く」なんだけど、その風が、これまでに前例のない大型台風だったりするんだ。