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【Twitter スレッド和訳】 ロシア軍“Storm Z”部隊について(@Tatarigami_UA氏)

以下、上記ツイート(スレッド)の日本語訳

私は「第8軍のZ突進部隊[Storm Z]に関する規定」と題されたロシア軍文書を入手した。この文書は“Storm Z”部隊の目的・組織・兵站面での必要物に関する概要を示したものだ。その内容を分析したのち、重要点をまとめてみた。

この文書によると、“Storm Z”中隊は、独立して統合された戦術規模の諸兵科連合中隊として定義されており、通常の軍団部隊編制とは別枠で一時的に設立され、特に複雑な戦闘任務を遂行する際の緊急的作戦投入をその目的とするとされている。

この文書には、以下の部隊内での“Storm Z”中隊の設立要請の概要も記されている。その部隊とは、

  • 独立自動車化狙撃旅団:第1軍団所属の第1、第9、第110、第114旅団

  • 自動車化狙撃連隊(第150師団所属):第102、第103連隊

  • 戦車連隊(第150師団所属):第68、第163連隊

  • 独立自動車化狙撃旅団:第4、第6、第7、第110、第123、第132旅団

である。

この中隊(もしくは分遣隊)の部隊編制は柔軟な構造をもち、受領した戦闘任務、戦況に基づく条件、地形、その他の要素次第で変化する。また、必要とされる数の要員によって充足される。

“Storm Z”中隊(100人)の編制:

  • 4個制圧分隊(1個分隊10人)

  • 4個火力支援分隊(1個分隊10人)

  • 1個中隊本部(2人)

  • 1個工兵グループ(5人)

  • 1個偵察グループ(8人)

  • 1個救急搬送グループ(3人)

  • 1個UAV要因(2人)

“Storm Z”中隊の目的:

  • 都市(集落)もしくは地理的に戦い難い条件をもつ地域での戦闘任務の遂行

  • 防御拠点・指揮所・通信連絡センター・ビル・各種建築物のような重要目標の奪取

  • 敵支配地域での破壊工作任務の実行

  • 敵破壊工作・偵察グループの探索と撃破

  • 建築構造物の封鎖とその内部にいる敵戦力の排除

  • 砲撃と航空支援の調整

Storm Z部隊に加わる兵員は“BARS”志願部隊の兵員と同等の待遇で扱われ、兵士契約期間、月額205,000ルーブルの給与が与えられる。このことに注意しておくべきだ。

部隊訓練

Z部隊の訓練と連携確立には概ね10〜15日が必要で、3つの段階に分けて実行される。

第1段階では、将兵がもつさまざまな技能に関して、その習熟水準の回復に焦点が当てられる。それには武器の取り扱いや応急医療処置、カモフラージュ、壕の構築、偵察、通信連絡といったことが含まれる。この訓練には、UAVオペレーター用の特別教習、地雷・ブービートラップの設置及び除去も含まれる。

訓練第2段階の内容は分隊規模の連携で、2人、3人、そして分隊全体での連携の取れた兵員の行動に焦点が当てられる。そこに含まれるのは、単独行動、相互支援、相互援護射撃、無線通信が含まれる。また、行軍、市街地攻撃、防御拠点制圧、占領地点確保を行う際の連携行動の準備も含まれる。

訓練第3段階の内容は小隊規模の連携で、主な焦点は強襲任務遂行の準備にあり、また、行軍、市街地攻撃、防御拠点制圧、占領地点確保を行う際の連携の取れた統合行動の準備にも焦点が当てられる。

Z中隊に受刑者兵が含まれ、受刑者兵が加わることに関係する規則が存在するということも注目に値するが、そのことについては、パート2で触れるつもりだ。
[後略]

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