大学生でもアパレルブランドを立ち上げられる時代。経験者にやり方を聞いてみた|JJ
キャリアの選択が多様化し、より自由に選択できる今。
「自分らしい働き方」を追い求め、実現させている憧れの自立女子たちにご自身のキャリアの実体験を語ってもらうWEB連載。
今回はCOHINAディレクター田中絢子さんにインタビュー。大学在学中に身長155cm以下の低身長女性向けブランドを立ち上げた田中さん。その模様をお届けします。
COHINAを立ち上げたきっかけや学生時代の苦労、運営についてお伺いました!
Q COHINAを立ち上げたきっかけは?
JJ編集部:まず初めにCOHINAを立ち上げたきっかけを教えてください。
田中さん:きっかけはもともと自分自身が低身長なこともあり、洋服に困っていたという原体験が大きくあります。お店に行っても可愛い洋服を探すというよりは、サイズ的に着られる洋服を探していました。身長が低いというだけで、なんでこんな思いをしなければいけないのかなと思ったのが、ブランドを立ち上げたきっかけです。大学在学中の2018年に低身長の同じ悩みを持っていた友達と共同設立者という形で立ち上げました。
JJ編集部:ブランドを立ち上げると決めてからどんなことをやりましたか?
田中さん:まずは小柄な女性向けというコンセプトを決めました。それから、インターネットで検索したり、ブランドの作り方について書かれている本をいくつか読みました。サンプルを作り、工場に発注・納品、最後にお客様に配送するという大体の流れを掴めるようになりました。
経験から言うと、アパレルブランドを立ち上げたいと思ったら、誰でも3ヶ月で立ち上げられると思います。私も全くアパレルの経験がなく、本当にゼロからのスタートでした。当時大学生だったのでお金もなくて。唯一できたのはGoogleで調べること。行動力と最低限のネットリテラシー、あとはやる気があれば誰でもできるんじゃないかなというのがやってみての感覚です。
JJ編集部:コンセプトはどのように考えたのでしょうか?
田中さん:まずはルミネに行って「かわいいって思っても着れない服はどんな服か」「小柄さんが困っているのはどういうテイストなのか」を調べたり、低身長の子に聞いてみたり、経験ゼロの自分が今できることをやってみました。
声を聞いていく中で、ベーシックの服こそサイズがなくて困っているという声が多く、やっぱりスタンダードの方がいいんだなと気が付きました。
JJ編集部:大体の流れを掴み、コンセプトを決めた後は具体的に何をしたのでしょうか?
田中さん:アパレルとの繋がりがなかったのでとても苦労しました。まずは日本の工場にこんな服を作りたいと、メールを送ったり電話をしたりして。返信はいただけることが多かったのですが、値段が見合いませんでした。当時自身が学生だったということもあり、手が届きやすい価格帯で売りたいと思っていたのですが、日本工場の価格相場を知り国内生産は難しいことを学びました。
次に当たったのが中国の工場。実際行くわけにもいかないので、アリババというBtoBプラットフォームを使い、Google翻訳を駆使しながら工場に英語で連絡を取りました。そこから5社ほどに絞り、実際サンプルの発注をしました。
JJ編集部:最終的に工場はどのように1社に決めたのですか?
田中さん:縫製クオリティが高く、質が最も良かった1社に100着ほど発注することを決めました。中には日本人には考えられないようなクオリティの服が届いたこともありました(笑)。
中国の工場の場合、100枚からの発注が多いと思うのですが、初めだったので枚数もデザインもとにかく最小限にするためにセットアップだけ作りました。
JJ編集部:実際の売り上げはどうでしたか?
田中さん:不安だったのですが、無事に完売することができました。マーケティングも最小限準備できることはしていたので。
Q マーケティングについて
JJ編集部:マーケティングの面では具体的にどんなことを準備されたのでしょうか?
田中さん:ポイントとしては2つあります。
一つ目は自分たちでECサイトを立ち上げるということ。日本だとBASEが流行っていますが、Shopifyというサイトを使いました。テンプレートがあるので、文言を入れれば誰でも簡単にECサイトを作れます。ウェブサイトを0から作ると数百万円かかったりしますが、数万円(月単位)で始められました。
二つ目はInstagramを主体とした宣伝に力を入れるということです。最初の頃は商品が手元にないので自分たちのことを必死に紹介するというよりは、Sサイズ購入品を紹介したり、小柄さんにとって有益な情報を発信することで運用していきました。また商品を作る過程をインスタライブで発信していたので、何かが始まるワクワク感だったり、この子達は何しているんだろうという期待や興味を持ってくれるんだなというのは最初の実感としてありました。
Q ブランドを立ち上げてからの目標は
JJ編集部:販売開始をしてから目標はどのように立てていたのでしょうか?
田中さん:より多くの人に知ってもらいたいと思っていたので、最初はフォロワー数を常に見ながら運用をしていました。デザインや枚数を増やすなら、フォロワー数も増やさなきゃというところを意識していました。
JJ編集部:売り上げに関してはどうでしたか?
田中さん:最初は赤字は嫌だなという感じで考えていたので、月100万売れればすごい!と話しながらやっていました。販売してからは、思っていたよりも小柄さんに必要とされているんだなという感覚も強くなり、そうなるとどんどん届けたいという強い思いが出てきて。やればやるほど目標が大きくなっていきました。
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