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AIリテラシーを向上しよう!②

こんにちは。
都内でAIエンジニアとして働いておりますpanyasanです。

今回は、

・AIと人間の思考は一体何が違う?
・「機械学習」って何?

といった点についてお話していきます。

AIと人間の思考は一体何が違う?

AIはまだ限定的とはいえ特定のタスクに対して
優れた精度を示しつつあります。

特に「画像認識」の分野では、
人間にしかできないと思われた文字認識や物体検出などの
難しいタスクをこなせるようになりつつあります。

それは、ディープラーニング登場前の従来手法では対応困難なものでしたが、
その精度は年々向上し、
近年のAI発展を印象付けるものとなっています。

なぜ、「画像認識」は機械にとって困難なタスクなのでしょう?

人間は生まれた時から今この瞬間までに
無数の「画像認識」を行ってきています。
色々な角度から目視で認識し、ときに触れ、音を鳴らし、
その対象物と関係するあらゆる情報と紐づけています。

例えば、私たちは「りんご」を目視すれば、
その色や形だけでなく、匂い、味、触覚など
それに関する多くの情報を連想できます。

人間は無数の経験をベースとすることができ、
記憶をもとに多くの情報を引き出すことができます。
それは、非常に多角的で抽象的なものとなり、
それゆえ「りんご」を誤認識することはめったにありません。

一方で、機械が行えるのはあくまで「数値処理」となります。
機械が「画像認識」を行う場合は、
「りんご」の画像のピクセル値のパターンを理解し、
正解の出力ができるようなシステムを作らなければなりません。
この性質は機械の弱点を生んでしまいます。

例えば、
「食べる前のりんご」をテンプレートとして機械に与え、
それに似た画像を「りんご」として認識するようにしたとします。

もし機械に「食べかけのりんご」を入力したとき、
果たしてそれを同じ「りんご」と認識してくれるでしょうか?

機械は人間が設計した通りにしか仕事をしてくれません。
型が決まっている「数値計算タスク」などには強いですが、
このように抽象的な理解が必要なタスクは苦手なのです。

「機械学習」って何?

上記のように、機械は抽象的なタスクを苦手とします。
では、どのようにして「画像認識」を行えるようになったのでしょうか?

先ほどの「りんご」の例に戻って考えましょう。

「りんご」を認識するために使えそうな特徴を挙げてみましょう。

・丸っこい形をしている。
・表面が赤い。
・一部分で黄色や緑色を含む
・大きさは直径約15cm程度
・重さは約1000グラム程度

といった感じでしょうか?
これらの要素をピクセル値のパターンとして認識したとして、
機械は「青りんご」に対応してくれるでしょうか?

また、大きさは画像のスケールに依存しますし、
重さも計量シーンでも含まない限り画像からはわかりません。

丸っこい物体は世の中に無数にありますし、
「赤い」&「丸い」で検索しても、
「りんご」だけヒットするとは考えにくいです。

結局、「りんご」をとらえるための特徴やその判断基準を
人間が設定するには限界があります。

そこで、「機械学習」の登場です。

「AIが学習するということ」は、「ある特定のタスクに対して"入力に対して適切な出力を行えるような価値判断"を手に入れようとすること」です。
 AIの中でも機械学習と呼ばれる分野は、この効用関数の獲得を、「用意されたデータから学習しよう」という試みになります。

[引用] 福馬智生 (2020). 世界一カンタンで実践的な文系のための人工知能の教科書 ソシム株式会社

「機械学習」では、人間がすべての判断基準を設定しません。
機械は学習アルゴリズムに従って、データから自ら判断基準を獲得します。

要するに、
「りんご画像とは?」のマジカルバナナ戦法はあきらめて、
機械に「りんご画像」をたくさん見せて、
他画像との判断基準を勝手にきめてもらいます。

どのような基準で「りんご」を認識すれば、他のものと区別がつくか、
機械が自ら勝手に決めているので、
より良い判断基準を得ることが期待できます。

機械学習では、
人間がその学習アルゴリズムをより良くしていけば、
その分だけ機械の性能は向上ていきます。

この「機械学習」のアプローチは主流なものとなり、
近年のAI発展の礎となっています。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
興味があれば次回も読んでいただけると幸いです。

前回記事では
"AIってどんなもの?"に関して解説しています。
もしご興味がありましたら読んでいただけると幸いです。

この記事は「世界一カンタンで実践的な文系のための人工知能の教科書」
を一部引用しています。

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