金のたまご
金のたまごを産む鶏
昔々、ある村に、孫を溺愛する優しいおじいちゃんがいました。孫はいつも「おじいちゃんは金持ち？」と尋ねるので、おじいちゃんは「お金持ちやで。大金持ちじゃ無いけどね」と答えていました。そして、その言葉から、村中に不思議な噂が広まりました。
「おじいちゃんは金のたまごを産む鶏を持っているんだ」
ある日、村の若者たちが、おじいちゃんの家に押し寄せました。「金のたまごを分けてくれ！」「僕にもくれ！」と、みんなが我先にと要求します。
おじいちゃんは困ってしまい、村長に相談しました。村長は、若者たちを集め、おじいちゃんの言葉を思い出しました。「本当の貧乏を知っていると貧乏で無ければお金持ちです」
村長は、若者たちに語りかけました。「おじいちゃんの言うお金持ちとは、ただお金がたくさんあるということだけではない。心豊かに生き、感謝の気持ちを忘れずに、周りの人を大切にすることこそが、本当の豊かさなんだ」
若者たちは、村長の話を聞き、自分の心を振り返りました。お金ばかりを追いかけて、大切なものを忘れていたことに気づきます。そして、おじいちゃんに謝罪し、村に戻っていきました。
それから、おじいちゃんの言葉は村中に広がり、人々は、お金だけでなく、心も豊かに生きることを大切にするようになりました。おじいちゃんの家にやってきた若者たちは、金のたまごを求めてきたのではなく、おじいちゃんの知恵を求めるようになりました。おじいちゃんは、村の人々に、お金の使い方、幸せの生き方、そして、感謝の心を教えてあげました。
おじいちゃんの言葉は、村に大きな変化をもたらしました。人々は、互いを助け合い、協力し合い、より良い村を作っていきました。そして、おじいちゃんの言葉は、代々語り継がれ、村の人々の心に深く根付いていきました。