自分だけの絵を完成させて欲しい
「ねぇ、心の奥底に、誰にも届かない叫び声が聞こえないかい？ それはね、君自身がまだ聞いていない、自分自身へのメッセージなんだ。
一体何を伝えたいんだろう？ 悔しさ、悲しみ、恐怖…誰だって経験する感情さ。でもね、大丈夫。僕もね、絶望の淵に立たされたことだってある。愛する人を失い、孤独の闇に包まれた夜もあった。だけど、そこから這い上がってきたんだ。君もきっと乗り越えられる。
ほら、あの嵐の夜を思い出してみて。怖くてたまらなかっただろう？ 雷鳴が轟き、雨風が窓を叩きつける音に、心まで震えたかもしれない。でも、朝が来たら、雨は上がっていた。
太陽が顔を出し、世界は再び輝きを取り戻した。そう、どんな暗闇にも必ず終わりがある。夜明けは必ず来るんだ。
誰かの言葉や助けは、一時的な杖のようなもの。怪我をした足で歩く時、杖は確かに役に立つ。でも、本当に必要なのは、自分の足で立ち上がり、歩みを進めたという自信なんだ。
それは、他の誰にも奪うことのできない、君だけの宝物になる。
もしも、どうしても乗り越えられなくても、自分を責めないでほしい。時には、逃げることも勇気なんだ。それは、君の心が選んだ、一番大切な道だから。無理に立ち向かうよりも、傷を癒やし、力を蓄えることが必要な時もある。焦らず、自分のペースで進めばいい。
困難は、誰かが君に押し付けた試練じゃない。それは、君自身が選んだ、成長するためのチャンスなんだ。蝶が美しい羽を広げるためには、蛹の中で苦しい時間を過ごさなければならないように、困難は君を強く、美しくする。
だから、自分の心の声に正直に、真正面から向き合えばいい。そうすれば、きっと、新しい道が開ける。
僕たちは皆、未完成なパズルのようなもの。欠けているピースを埋めるのは、他の誰でもない、君自身なんだ。それは、君の笑顔かもしれないし、涙かもしれない。喜びかもしれないし、悲しみかもしれない。
全てが、君というパズルを完成させるための大切なピースなんだ。だから、心の声に耳を傾け、自分だけの絵を完成させてほしい。それが、君がこの世界に生まれた意味だから。」
