昭和史に決して残らないpanの物語5
世間の皆様にはどうでもいいだろうけど主人公は私だから私目線で書くしかないじゃないか、のpan物語の続き
第5話 pan、高校入学と同時に足元すくわれるってよ
今の私の根っこを形成してくれたと言っても過言ではないバスケット部を(いや、やっぱちょっと過言かもしれない)中3の秋に引退し、いよいよ高校受験に向けて学業に専念することになった。
それまでの成績も特に悪くはなかったが、受験勉強のハウツーがわかっていなかった私は、安易な道を選ぶべく塾に通うことにした。この時選んだ進学塾には、地元の学校から通っている友達は一人だけで、あとはすべて他校の生徒だった。
いままで受験勉強らしいことを全くしてこなかったため、入塾してからの私の伸びしろはすさまじく、スポンジが水を吸うように受験勉強はハイペースな進捗をみせた。
私って賢いんじゃね?と思い上がり始めたのがこの時期である。
その思い上がりが最高潮に達したのが、塾長の肝いりで受験した有名私立の高校に合格したときだった。腕試しのつもりで受けたのだが、うちの塾から合格したのは私一人だった。
だがしかし、この高校に私は進学せず、公立高校に行くことになる。私立の有名校は自宅から遠く、公立の高校の方は父の職場の近くで、登校時は車で送ってもらえたからだ。レベルが高くて遠い学校ではバスケットと学業が両立できない気もしていた。必死で勉強しないとついていけないような環境に飛び込む勇気がなかったのかもしれない。←きっとそうだ。だって怖いもーん。
かくして、私高公低の県では、進学校のうちに入るレベル(あくまで県内比)の学校に入学した私は、賢いんじゃね?という思い上がりを当然のように打ち砕かれることになるのだが、これはもう少し後の話。
さて、入学式を終え、翌日の実力テストが終わった直後、私は意気揚々とバスケット部の練習に行った。予定通りである。
がここで、私は足を踏み外すことになる。
練習中、ドリブルしながら走っていた時、右膝のクチッという音とともにありえない痛みに襲われ、立っていられなくなったのだ。
半月板損傷、手術、一カ月半の入院。
入学後まだ一日なのに、である。練習開始からわずか1時間なのに、である。
こうして高校入学からの1学期間という、その後の高校生活におけるポジションを決める大事な期間、私は病院で過ごすことになる。
楽しい病院ライフについては次回。
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