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【医学部学士編入】香川大学に合格するまでにやったことまとめ【2024年度(2023年実施)】


はじめに

先日、香川大学の2024年度医学部医学科第2年次編入学(学士編入学)試験に合格したので、これまで何を参考にして、どう計画して勉強したのか、忘れないうちに概要をまとめます。
だたし、人それぞれ背景や基礎学力、志望校は異なると思いますので、あくまでも1サンプルとして、参考にしていただければ幸いです。

基本情報

  • 予備校には通わず、働きながら独学で勉強しました。

  • 理学部(非生命系)の修士卒業後、会社員として勤務。フルタイムかつ、時々夜勤あり。

  • 編入の勉強を始める前の学力レベル: 学部では物理は物理学科2年程度の範囲(解析力学、量子力学、統計力学、流体力学など)まで履修済み。数学、化学は大学教養レベル。ただし、社会人期間を経ているため、知識は錆びついており、復習する必要があった。生命科学は全くの素人。英語はTOEIC730くらい。

  • 上記のような背景もあり、4科目受験できる大学を主に志望しました。

  • 年齢: 20代後半

おおまかなスケジュール

  • 2022年1月頃: 医学部学士編入を検討し始める。

  • 2022年2月頃: kalsのガイダンスに参加。合格体験記と入試データを入手する。

  • 2022年3月~7月: テキスト集め・iPad購入→自炊。高校範囲の生物・物理・化学を勉強しつつ、TOEICの勉強を少しずつ始める(7月時点でTOEIC 800くらい)。

  • (2022年8月~9月は仕事やプライベートに時間を割いていたため進捗なし)

  • 2022年10月~: 勉強中さんのnoteを主に参考にしながら、勉強を再始動。大学範囲の生物・物理・化学の勉強を開始する。

  • 2022年12月~2023年1月: 英語(TOEIC)の対策を集中的に行う。

  • 2023年1月: TOEICで目標点(900以上)が取れてTOEICの勉強を一旦終了する。これがきっかけで自信がつき、以降の勉強のギアが上がった。

  • 2023年3月~: 過去問対策と自己推薦書の添削を始める。

  • 2023年6月: 香川大学1次試験→合格

  • 2023年7月: 香川大学2次試験→合格

参考にしたもの

ぶっでぃさんサイト: 編入を検討する際に一番最初に確認しました。だたし、使用したテキスト類や学習計画は、勉強中さんのnote(後述)を最終的に参考にしました。
・勉強中さんのnote: 有料ですが、一番参考になりました。こちらに書かれている勉強法や参考書が自分の勉強のベースになりました(一部、独自に追加した教材は後述)。
GHS会: 過去問の模範解答と自己推薦書の添削サービスを利用しました。
・Try it 生物基礎・高校生物(youtube): 高校生物の勉強するのに最初に使用しました。
・ゴロー/イラストで学ぶ体の仕組み(youtube): 大学範囲の生理学を勉強するのに参考にしました。語呂が沢山紹介されていて、効率的に覚えられました。
・香川県の医療計画: 県の地域医療構想を知るために参照しました。

独自に追加した教材・勉強法

勉強中さんのnote記載の参考書に加え、自分に合う教科書を追加していきました。

・生命科学
ロディッシュ分子細胞生物学(第8版): 医学部編入界隈では、Essential細胞生物学や細胞の分子生物学が参考書として参照されていることが多かったのですが、私にはこの教科書が最もフィットしました。説明はかなり詳しいですが、細胞の分子生物学ほど分厚くなく、簡潔ながら具体的な記述が多いため個人的に使いやすかったです。分からない内容が出てきたときに、この本を辞書的に使用していました。この本を見ても分からない時は、生化学辞典(第4版)も確認していました。
ロディッシュは私の編入向け勉強期間を象徴する教科書でした。この1年間、多くの苦楽をこの教科書と共に過ごしてきて、愛着があります。

シンプル生理学(改訂第8版): ロディッシュでカバーできない分野のうち、生理学だけ補強したかったので、生理学関連で不明な箇所はこの教科書を使用しました。

・物理
大学時代に使用していた教科書があったので、それを使用しました。参考になるか微妙ですが、一応、以下に記載しておきます。生命科学と同様、何か分からない内容が出てきた時に参照しました。
大学範囲の問題演習の際、多くの方がマセマシリーズを使用していると思うのですが、私には合わなかったので使用しませんでした。
力学: 力学・解析力学 (岩波基礎物理シリーズ 新装版)
熱力学: 現代熱力学―熱機関から散逸構造へ
電磁気学: 電磁気学 (基礎物理学課程 入門コース), 電磁気学 (現代物理学―基礎シリーズ)
流体力学: 流体力学

・化学
物理と同様に大学時代に所有していた教科書を使用し、何か分からない内容が出てきた時に参照しました(マクマリーを除く)。もともと持ってたから使用していただけであり、一から勉強される方は無理に購入する必要はないかと思います。
有機化学については、マクマリーでしっかり勉強し、基本的な反応をこの教科書で一通り頭に入れながら問題演習しました。
化学熱力学: 見える! 使える! 化学熱力学入門
有機化学: マクマリー有機化学(上)第9版, マクマリー有機化学(中)第9版, マクマリー有機化学(下)第9版
物理化学: アトキンス物理化学〈上〉, アトキンス物理化学〈下〉

・英語 (TOEIC)
2ヶ月くらいかけてTOEICスコアを800前後→900以上に仕上げました。やったことは、金のセンテンスを通勤中や隙間時間に聞いて音読することと、試験形式の問題集(公式問題集とか精選模試など)を2,3冊用意し3周以上解きました。定期的な復習やリスニング問題のシャドーイングを徹底することが大事だと思います。金のセンテンスは金のフレーズでも良いです(好みの問題なので、どちらでも良いかと思います)。
公式問題集より模試の方がやや難易度は高めです。公式問題集と模試のどちらも、何度も演習し解説も読み込み分からない単語は反復して覚えて、といった感じでかなりやり込みました。また、私の場合はリーディングが苦手だったので、補強するために精選模試(リーディング)を使用しました。
使用したTOEIC教材: 金のセンテンス, 公式問題集, 究極の模試600問, 精選模試(リーディング)

過去問(1次試験)対策

香川大学の1次試験は2時間半で物理・化学・生命科学を解く試験です。
まず一度解いてみて感触を確認したら、時間配分を意識しながら過去問演習しました。個人的には、物理: 45分、化学: 45分, 生命科学: 60分、の配分で解けるように意識していました。
今年の問題は物理が例年より解きやすかったので、物理: 30~40分、化学: 50~60分、生命科学: 60分、くらいの時間配分で解けた気がします。解いた感触ですが、物理は完答できて、化学で1問分からず空欄にして、生命科学で1,2問くらい時間切れで空欄にしたと思います。生命科学は記述問題が多く時間に追われていて、どうにか記述しました。物理と化学はある程度点数が取れている自信がありますが、生命科学はどれくらい点数取れているのか正直よく分かりません…(点数開示までは不明です)
過去問を見れば分かりますが、化学の出題形式は基本的に毎年同じなので、きちんと対策すれば得点源になると思います。また、私の場合、物理は過去に一通り履修済だったので、英語(TOEIC)と化学と物理で素点を得て、生命科学をそこに上乗せしていけば1次の合格ラインに到達するだろうと考え、これを基本方針に演習していました。

面接(2次試験)対策

香川大学の自己推薦書は1次試験通過後に提出する必要があります。前述の通り、自己推薦書の推敲のため、GHS会の添削サービスを利用しました。自己推薦書はかなり重要だと考えていたので、添削サービスは2回分利用させていただきました。

面接の想定問答については、chatGPTは良い話し相手になりました。
具体的には、
・chatGPTに質問を想定してもらうorこちらから質問を与えた上で、chatGPTの回答を聞いてみる。
・多くの回答は具体性がないorあっても正しいとは限らないので、自分で修正・肉付けしてみる。
・そうして肉付けした回答へ、さらに反論をしてもらう。
みたいなことをしました。

chatGPTの回答は鵜呑みにはできないし具体的でないことが多いため、面接でそのまま用いるのはNGですが、自分の考えを相対化したり、自分の言いたいことを深堀りするのに有用でした。想定問答を考え込みすぎて煮詰まった時に、chatGPTと対話することで頭がほぐれました。
時々、chatGPTが全く出鱈目なことを言うときがあるので、ファクトチェックは十分に行った上で利用することをおすすめします。

他、香川大学2次試験経験者の体験記のnoteを購入して参考にしました。また、入学後の進路のイメージを具体化するために、学科紹介や講座、附属病院の紹介文など一通り確認し、自分の志望や将来像を明確にしました。

勉強するにあたり個人的に大事にしたこと

・学習環境の整備:
自分は学生の頃から、自宅で勉強するより外の自習室や図書館で勉強するタイプだったので、社会人でも利用できる自習スペースを探すところから始めました。幸い、職場と家の通り道にお手頃価格な自習室があったので、基本そこで勉強していました。こうすることで、家はリラックスする場所、自習室は集中する場所、という意識付けができるようになり、自習室に座った瞬間に"やる気スイッチ"(死語かも)が入りやすくなりました。自習室でガッツリ勉強して、帰宅してお風呂に入った後、その日勉強した範囲の復習をする、というルーティンが多かったです。どうしても自習室がイヤになる時期もあったのですが、そんな時は気分転換にカフェで勉強しました。

・徹底的な時間管理と体調管理:
フルタイムで働きながら勉強時間を捻出するために、徹底的な時間管理が必要でした。
マクロな視点(3ヶ月単位、1ヶ月単位)で終わらせる科目を確認しつつ、ミクロな視点(週ごと、その日ごと)で勉強するべき範囲を適切なペースでこなしていくイメージです。月単位の学習計画や使用する参考書はNotionで管理し、週ごと日ごとの管理は手帳で都度メモ取りながら管理・更新していました。
あまり過密な計画にしてしまうと、睡眠時間を削ってしまって本業に影響が出る可能性や体調を崩してしまう恐れがあります。自分の出来る範囲を見極めながら、少しずつ自分に合う勉強のリズムを作るのが肝要だと思います。
特に、夜勤などで生活リズムが乱れがちな人は、とても難しいと思います(私も苦労しました)。そんな状況でも勉強のペースを維持するには、体調を崩さないことや、勉強を始めるための心理的ハードルを下げること(学習環境の整備など)も必要ですが、とにかく毎日少しだけでも勉強して、無理しすぎないことが大事です。

・探究心と前へ進む意識:
勉強に際して、テキストを時間に追われて受け身的にこなすというイメージではなく、前へ前へ能動的に進めるイメージと、探究心を持って解答解説を余すところなく吸収するイメージを持って取り組みました。自分の場合、生命科学の不明点をロディッシュやウェブで確認して深い理解を得たり周辺知識を整理したり、問題設定を少し変えたらどうなるかとか類題を考えてみたりして、勉強の質を少しでも上げようと意識していました。
暗記モノや何度も間違える問題は頭の筋トレだと思ってひたすら反復していました。それらの反復の結果、問題が解けるようになると、嬉しい気持ちになるので、嬉しいです(進次郎?!)。
時間管理が重要なTOEICや過去問演習は、時間に追われるより、時間より前に進むみたいな感覚で解くとテンション高めに解けて、精神的にいい感じでした。

・他の受験生を気にしないこと:
これは人によるので参考にしなくても良いのですが、私の場合、勉強仲間を作らず独りで黙々と勉強しました。
例えば入学後の授業の試験勉強であれば、過去問や試験対策のまとめを先輩や友人が持っていることが多かったり、合格枠を争うような試験ではないので、友達同士でそういった資料を共有したり教え合ったりして勉強することは有益だと思います。
だた、編入試験においては、こういった情報の格差は少なく、過去問や大学ごとの試験の傾向や対策方法といった必要な情報はネット上(独学の場合はGHS会など)で過不足なく手に入るので、勉強仲間を作る必要性をあまり感じませんでした。むしろ、SNSを介したコミュニケーションに意識が向いてしまって集中力が落ちることや、確度の低い情報に惑わされる可能性がある等、懸念があったので、自分の編入試験が落ち着くまでは他の受験生と積極的な関わりを持ちませんでした。
合格までに到達すべき習熟度(試験で何割取れれば合格ラインか等)は、少し調べれば雰囲気が分かってくるので、それを元に学習計画・マイルストーンを立てて、節目節目で自分の到達度を測りながら勉強していました。自分で立てた目標に到達することへ意識を向けることで、他の受験生のことは自然と気にならずに勉強できました。
また、自習室に行くと、自分とは違う目的で勉強している社会人や学生が何人もいて、周りに勉強している人がいると自分も勉強しようという気持ちになるので、独りで勉強していましたが独りで勉強しているような気分ではなく、モチベーションを維持したまま勉強することができました。

その他

・香川大学医学部まで最寄り駅から結構距離があります。1次試験の時は、駅から徒歩で向かいましたが、2次試験の時は電車すら使わずレンタカーで行きました。車で向かうと断然ラクでした。また、2次試験は午前中で終了したので、レンタカーがあると午後は遠出して海岸まで行ったりすることができて、お得感がありました。
・今年は、土日連日で高知1次→香川2次の日程だったので、高知1次終了後、レンタカーで高知から香川まで移動しました。あらゆる移動問題がレンタカーで解決したので、個人的には正解だったと思っています。

・香川1次の際に瓦町にある宿に泊まったのですが、近くのクラブ?が騒がしく、あまり眠れなかったので、泊まる場所はもう少し考えた方が良かったと反省しています。
香川2次の時はドーミーインに泊まりました。温泉とサウナがとても快適で、部屋では静かに過ごせて熟睡できました。

・最後に、高知1次受験の前日に泊まった宿が非常に良かったので、夕食の写真を貼っておきます(夢の温泉、というところです)。鮎の塩焼きが特に美味しかったです。車でないとアクセスは難しいですが、景観・温泉ともに良く、受験前に穏やかに過ごせました。(もはや香川関係なくてすみません)

以上になります。

香川大学医学部編入を検討されている方の参考になれば幸いです。

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