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放射線治療まで、いろんな先生に診てもらう:乳がんと診断されて【19】

仕事復帰をしてすぐ病理検査の結果を上司に報告した。
入院前は「術後はホルモン療法だけで行けそうなので1ヶ月程お休みします」と言っていたのに、リンパ節への転移から計画は大幅に変わっていた。
放射線治療ができる場合、できない場合、抗がん剤治療中の仕事をどうするかをパターン別にエクセルにまとめて上司へ説明する。

放射線治療は平日は毎日通院する必要があり予約時間も流動的。出勤するにしてもフレックスと中抜けで対応したいと希望を伝えた。
抗がん剤治療は投薬期間は出勤できないのでテレワーク、休薬期間は出勤できると伝えるも、果たして副作用で働ける状況なのかも分からないしコロナ禍でどうなっているかも分からない。
上司は無理のないようにと言ってくれたが治療期間が約半年ということに驚きつつ「懸案事項をまとめて欲しい」と言った。
治療がスムーズに進んでも年明け春まで掛かることになる。。。

そんな中、放射線科を受診して専門医の話を聞きに行った。
やはり、一般的な機器では私の場合「不適合」という事だった。
ただ大学病院の先生が今度来るからその先生に診てもらいませんか?と提案された。というのも今通院している病院にはないトモセラピーという機器が専門病院にはあり、それなら私も治療を受けることが出来るかもしれない。今度来院する先生がその専門病院に出入りしているから紹介してもらえるんじゃないか。という事だった。

数日後、再び放射線科を受診すると診察室には前回とは違う先生が座っていた。前回の先生より若い先生だったが話はとても前向きで、実際に前進した。

トモセラピーという機器なら個人個人の体型をコンピュータに取り込み正常な臓器を避けて放射線を照射できるそうで、私でも「適応可能」との診断だった。早速その場で専門病院に電話をしてくれて空き状況を確認。ついでに入院病棟の空き状況も確認してもらった。

そう、とても良い方向に話は進んでいるのだが1つだけ問題があった。専門病院は自宅から車で片道約1時間。1回5〜10分の治療のために毎日往復2時間掛けて通院する事に無理があったのだ。
専門病院で治療を受けるなら入院する事も選択肢として考え、その日は専門病院の予約を取り帰宅した。


数日後、今度は専門病院を受診する。担当の先生は井上先生(仮名)。女性で物腰の柔らかい雰囲気だった。紹介状で手術から今までの経緯を確認済みで
「pandaさんもウチの病院でなら放射線治療を受けることが出来ますよ。持病もお持ちですが細心の注意をはらって治療を進めますので、安心してください」という言葉は退院後からずっとあった「放射線治療が出来ないかもしれない」という不安をやっと一掃してくれた。

そして通院か入院かについては「入院」することに決めた。
・特別個室であればPCを持ち込んで仕事もできるということ。
・放射線治療による副作用もゼロではないし、持病のある私にとっては先生や看護師さんが近くに居るほうが安心という家族の希望があったこと。
が決め手となった。

また病院で仕事ができるのであれば、病気のことは最小限の同僚だけに話し、あとは内密に出来そうなので都合が良いとも思った。
もちろん特別個室だからお金は掛かるけど…。その分働こう!と。

前向きに考えることにした。


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