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手術当日:乳がんと診断されて【9】

手術当日。

前日の夕食はしっかり食べて、夜9時以降は絶食。

手術は9:00からで、手術予定3名のうち私は1番目だった。1番手なので開始時間が遅れる可能性も低く気持ち的にも楽だ。

手術前には大抵、水分補給のため決められた分量の経口保水液を飲み干さなければならない。私はこれが苦手だ。スポーツドリンクの濃いぃものといえば伝わるだろうか。私はポ○リスエットでさえ濃くて苦手なので、この手術前に飲む時間が試練のひとつと思っていた。
ただ今回は違った。いつもと経口保水液の種類も量も違っていて、余裕で飲み干すことができた。病院が違うと手術前の準備も違うんだ!と今更ながら認識する。

手術時間が近づき、一旦点滴が外される。(*針はそのまま、手術の際に使われるから。)髪の毛を後ろでまとめ、手術室に向かう。よくドラマだとベッドやストレッチャーに乗せられて、家族に見送られる画を見るけど、実際は自分の足で歩ける状態であれば手術室まで歩いて行く方が多いんじゃないだろうか。
心臓の時も膝の時もヘルニアの時も私は歩いている。(←どんだけ手術受けてるねん!というツッコミは置いといて。)
看護師さんに連れられて手術室まで行くと手術室の看護師さんが待っていた。病棟看護師さんとはここでお別れ。「手術が終わったら迎えにきますからねー」と言って病棟へ帰って行った。
そこで名前と手術部位を申告する。そしてベッドまで案内され横になり、あとはオペ看(手術室の看護師さん)に身を委ねる。血圧計、心電図が着々と取り付けられ、

「それでは点滴で眠くなるお薬入れていきますよー」


「pandaさーん、終わりましたよー。」

目が覚めたら病棟の看護師さんに引き継がれるところだった。本当に全身麻酔はすごい。「眠くなる瞬間」すら記憶にないのだから…。
体に痛みは無いけれど、いくつかの管が入っていることは分かる。
看護師さんに寒くないか、気分は悪くないか確認される。頭はボーっとしているが大丈夫そうだ。
ベッドのまま部屋に戻り、そのまま天井を見上げていた。手術が予定通り終わっていたら11時半くらいだろう。


少し眠ったのか

「pandaさーん、大丈夫?」と高橋先生が入ってきた。

「pandaさん、リンパまで飛んでたよぉ。。だからリンパも全部取りました。お母さんにも(電話で)そう伝えたからね。」


「はい…」

としか答えられなかった。

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