ざくろちゃん、はじめまして(藤崎彩織著)

 もう、今日は調子が悪いとか、なんだかイライラするという言葉では説明し切れない、圧倒的な力によって勝手に喋らされている……という感じがするのだ。
「ハッ……今私、女性ホルモンに喋らされてた……」なのである。

 一人で育児をするのは大変だけど、二人で育児をすれば必ずしもそれが二分の一になる訳ではない、と。
 むしろ二人で育児をしているときの方がイライラしたり、疲れたりすることだってあるというのが育児の恐ろしいところなのである。

 そして自由な時間を持ってみると、夫や隊長を愛しく思い、自分が幸せだと実感するのは、いつも一人でいる時間だということも身に染みて思う。
 幸せを感じるには、ある程度の暇も必要なのかもしれない。

 知らないことだらけだった、もちろんみんながみんな同じではないと思うし、これを知ったからといって、さも理解してるように振る舞うのも違うと思う。
ただ、こういうこともあるんだ、ということを知れて純粋に良かったなと思った。もし今後結婚して子どもができ、なんだかうまくいかないな、かみ合わないなと感じてしまったとき、この本のことを思い出したい、そう強く感じた。

 正解なんてきっとないし、あぁすれば良かったなとあとで思うこともあるかもしれない。
でもこの本でも書かれているように、自分たちの生きやすいかたちを模索して、少しでも不安が和らぐような暮らしをつくっていきたい。

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