コンサルティング会社完全サバイバルマニュアル(メン獄著)

 あと3ヶ月で私は今の会社を退職し、新しい会社へと移る。経歴としては、金融機関1年半→会計事務所4年→コンサルティング会社となる。
一社目では社会の厳しさを、二社目では仕事の面白さを学び、三社目では現在の業務を深めつつ、幅を広げる仕事に携わる。
そんなとき、何気なくスクロールしていたSNSで話題になっており、自身も同業界に飛び込む身だったため自然と手に取った。
まだ信頼も実績もない自分と同じ目線で立ち、そこから12年間何に対して悩み苦しみ、どのように立ち上がっていったのか、その軌跡を分かりやすく、かつ面白い表現で記されている。

 この本ではビジネスを行う上での思考術や議事録の書き方等の技術を多数紹介されており、覚えておきたいことが多々あった。
その中でもこれから新しい環境に飛び込む今の自分にとって、改めて心に留めておきたいことをピックアップした。

 経験から言うと、いつも仕事が終わらない人の仕事の仕方には、ある共通点がある。一見手はせわしく動かすのだが、どこへ向かっているのか、このまま向かえばゴールへ到達するのかがわからない状態で作業をしているのだ。そして作業が行き詰まるたびに「悩んで」、時間を浪費してしまう。
 今自分はどんな答えが欲しくて何をどのような手順で調べ、その結果をどう取りまとめるのかの具体的なイメージがないまま資料作成をスタートしては絶対にいけない。そんな時は深呼吸して、手を止め、上司ともう一度自分が何をすべきであったのかを冷静に話し合おう。

 毎日毎日、少しずつの工夫と徹底した継続を行うことで、3ヶ月から半年、あるいは1年という時間の中で、できるようになったことをやっと実感できるようになるのが仕事における成長だ。成長のためには、息の長い持続可能な働き方こそが大切なのだ。

 時には周囲からは「なんでそこまでするの?」と言われるかもしれない。しかし、一種の狂気とも言えるような継続的な習慣が、自分自身の仕事に圧倒的な裏付けと自信を与えることになる。

 同じ業務を長く携わっていると、過去にやったことが改めて出てくることが多くなり、意識せずとも悩む時間がなくなってくる。
しかし、初めてやる仕事については、悩んで手が止まるという時間がどうしても生まれてしまう。そんな自分に気がついたとき、この言葉を思い出そう。
「悩むのではなく、考える」
答えを出すために聞くべき人に聞く、文献等で調べるという手順を踏む。とにかく仕事を前に進めて、クライアントに対して価値を提供するために動き続ける必要性を再認識した。

 当たり前だが成果は一朝一夕で出るものではない。自分の課題、目指すべき方向性を定め、それに向かって一歩ずつ歩き続ける。継続的にことを成していき、何年か後に自分の到達した地点を実感できることを忘れてはいけない。それまでは決して腐らない、苦しい過程があっても諦めてはいけない。

 明日からすぐに実行できる考え方を植え付けてくれて、折に触れて読み返したくなる本になった。

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