メグル(乾ルカ著)

ー私がいなくても、きっと誰がいなくなっても、季節は当たり前にめぐる。今日みたいに心地よい日が必ずくる。空は高く晴れて、風は爽やかにそよいで、花たちはきれいに咲いて。
ーそれってすごく素敵だと思わない?

過去を取り返すことはできない。失われたものはどれだけ嘆いても取り戻すことができない。
僕たちは往々にして、その現実を目の当たりにして絶望することがある。
どうやったらこの気持ちと向き合うことができるのだろうか。

それは種を蒔くということ。

どんなに時間がかかることであっても、本当に些細なことであっても、花開いた瞬間を直接見ることはできなかったとしても。
時は流れ、いつか太陽に向かって、花が咲く。
そんな姿を想像しながら、水をあげていく。
その大切さをこの本は教えてくれた。

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