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no.23 義母、誤嚥性肺炎になる(その1)

8月17日木曜日。
仕事から帰ると、家の中の空気がいつもと違う。
何やら嫌な予感がする。
案の定、夫はとても不機嫌だった。
私の顔を見るなり、
「今日はもう、大変だったんだよ!」と言った。
(な、なんだよ、いきなり)

深呼吸をして話を聞く。
聞けば、義母はデイサービスに行ったものの、すぐに帰されたのだそう。
(これで2回目)

今月に入って、義母の体調は不安定になっていた。
時々38℃台の熱が出て、そのときは解熱剤を使うのだが、下がりきらずに微熱が続くこともあった。汗をかくせいか、おしっこの量が少なく、出ても濃い色だったりした。
巡回のヘルパーさんから報告を受け、水分補給をしようとするも、それすら(本人がなかなか飲んでくれないため)ままならなくなっていた。
また、痰がひどく絡むようになり、口腔ケアをお願いする回数も増えた。

一週間前のデイサービスでは、義母の上腕に浮腫が見つかっていた。
義母のような状態の場合、浮腫というのは、何か良くないサインのようで、連絡帳には「ケアマネに連絡します」とあった。
その日、ケアマネ氏から医師に連絡をしてくださったのだが、このまま様子をみることになった。

後日、巡回のヘルパーさんにどれが浮腫なのか、教えてもらう。
浮腫は両肘の上のあたり、パジャマの袖を捲らないと見えない場所にあった。わたしが知るむくみとは別のものだった。(う~む、これが浮腫か…)

それから一週間後。(今日のデイサービス)
義母の場合、体調が万全ということは望めない。でも、入浴はしてほしいから、この日も準備だけはしておいた。
夫によると、出発前の検温では、37.5℃を超えておらず、予定通りに送迎の車で出かけたとのこと。到着まで時間にして3〜4分。
ところが、施設に到着した後の検温では37.5℃超えていたらしい。
しかも、血中酸素濃度が91%と低く(91%というのは、酸素マスクが必要なレベルなのだそう)、すぐに帰されて来たのだった。

というわけで、デイサービス先からケアマネ氏に連絡が行き、ケアマネ氏から医師に連絡が行き、ケアマネ氏が来て、医師・看護師が来て、巡回のヘルパーが来て…夫はそれに一人で対応していたのだった。

義母の様子を見に行く。
義母は点滴を受けていた。点滴台には子どもの水枕くらいの輸液の袋と、抗生剤の袋がそれぞれ一つずつ、ぶら下がっている。義母は目を閉じて、すこし苦しそうな呼吸をしていた。
明日の朝も、輸液の交換と診察のため、医師と看護師が来るとのこと。

夫は義母が暑い中、行ったり来たりさせられたことが不満だった。
それなら、初めから連れて行かなければ良いし、連れて行ったならもう少し、様子をみてくれよ…という主張。
う~む。そのとき、そのときの判断なのだから、仕方がないと思うけど。
こういうとき、子である夫と嫁との温度差が出る。

ケアマネ氏からは、今の状態では特養への申し込みはできないと言われたそう。(明後日、面談と申し込みに行く予定だった)
今月24日からのショートステイもキャンセルになるだろう。

義母の顔は、一段と小さくなった。
何やら胸騒ぎがして、この日はなかなか寝つけなかったのであった。



在宅介護*観察日記『義母帰る』

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