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在宅介護*観察日記『義母帰る』

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要介護4(→5)の義母(90代)が特養からまさかのリターン。同居の義父(90代)はアルツハイマー型認知症が進行中。再びの在宅介護は夫(60代)が中心。老後ノープランの義父母を、引…
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#義母

no.31 そして義父が残った

午後4時から納棺の儀。 生まれて初めて、納棺に立ち会う。 葬儀社から納棺師の男性が来られる。 40代半ばくらいだろうか。 この方の手により、義母は白装束の姿になっていった。 無駄のない、美しい手捌き。義父、夫、私で見守る。 今さらながら、白装束は旅立ちの姿なのだと気づく。 化粧が施されると、義母の表情からは、病のあとが抜けたように見えた。 義母がこだわった、柔らかな長めの髪に櫛が入り、良い感じに整っている。 棺に蓋をする頃には、気持ちに区切りがついた。立ち会うことができて

ご報告が遅くなりましたが、 8月25日午後、義母が亡くなりました。 これからは、義母との最後の日々を思い起こしながら(ゆっくりになると思いますが)投稿しようと思います。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

no.23 義母、誤嚥性肺炎になる(その1)

8月17日木曜日。 仕事から帰ると、家の中の空気がいつもと違う。 何やら嫌な予感がする。 案の定、夫はとても不機嫌だった。 私の顔を見るなり、 「今日はもう、大変だったんだよ!」と言った。 (な、なんだよ、いきなり) 深呼吸をして話を聞く。 聞けば、義母はデイサービスに行ったものの、すぐに帰されたのだそう。 (これで2回目) 今月に入って、義母の体調は不安定になっていた。 時々38℃台の熱が出て、そのときは解熱剤を使うのだが、下がりきらずに微熱が続くこともあった。汗をかく

no.10【閲覧に注意】義母と義父、夫婦の絆って?

義母の「在宅介護」復活から、ひと月ほど経った頃、事件は起きた。 早朝巡回のヘルパーさんから、義母が下痢をしていたと聞く。いっぺんで目が覚める。 下痢は結構な規模で、着ていたパジャマ、肌着(上下)、防水シーツ、その下に敷いてあったシーツまでも汚れた。 ヘルパーさんは、義母の体を拭き、着替えをし、汚れ物を大まかに片付けて下さっていた。感謝しかない。 この日は祝日だったが、デイサービスは通常通りにあり、朝9時半に送迎の車が来た。職員の方に事情を話し、施設でも様子を見てもらうこと

no.8 介護食を手作りしてみる…

義母が帰って来た日の翌朝、意を決して、義母のため、煮物を作った。 じゃがいも、にんじん、玉ねぎなど、義母が好きだった野菜を、鰹節と昆布の出汁で煮る。 普段より明らかに丁寧に作っている。 なぜだろう。「嫁スイッチ」があるのか。 味付けは甘めに。義母の好みなのだ。 ちゃんと覚えているものだなあ、と思う。 以前と違って、義母は腹の立つようなことはもう言わない。お陰で穏やかでいられる。 姑がモノを言うところから、嫁姑問題が起きるのだ。 それにしても、良いことをしていると思うと気分が良

no.6 義母の食事をどうするか…

義母の食事のことを考えると、くら〜い気持ちになる。 義母には歯がない、総入れ歯である。かなり前から。 ほかにも、胃腸が弱い、肝臓が悪い、胆石がある…等々の理由から、食事については、同居を始めた当初から細々とした注文を出し、さらには「もっとこう…」と、のたまうところがあった。 それなら「自分で作ればいいじゃん…」 言い方は違うけれど、嫁の私がそのようなことを言うと、義母は「私は体が弱いの、こうなったのは、お父さん(義父)が薄情だったからで…」という恨み言を始める(T_T)