マガジンのカバー画像

在宅介護*観察日記『義母帰る』

34
要介護4(→5)の義母(90代)が特養からまさかのリターン。同居の義父(90代)はアルツハイマー型認知症が進行中。再びの在宅介護は夫(60代)が中心。老後ノープランの義父母を、引…
運営しているクリエイター

#要介護5

no.26 義母、空へ還る(その1)

義母の介護を通して、実感したことがある。 ひとつは、看取り期に入ると「食べられなくなる」というより、 「呑み込めなくなってしまう」ということ。 義母の場合も、呑み込む力が足りないために、いま食べたものがノドの奥から先へ進まず、行ったり来たりしていた。 もう一つ。 在宅介護は、ふだんの暮らしの傍にあるのだな、ということ。 在宅介護をしている間も、私は仕事に行き、夫は家事をし、義母の食事の介助をしていた。 義父は義母のとなりで、いつものように、大音量でテレビを観ていた。 宅配

no.23 義母、誤嚥性肺炎になる(その1)

8月17日木曜日。 仕事から帰ると、家の中の空気がいつもと違う。 何やら嫌な予感がする。 案の定、夫はとても不機嫌だった。 私の顔を見るなり、 「今日はもう、大変だったんだよ!」と言った。 (な、なんだよ、いきなり) 深呼吸をして話を聞く。 聞けば、義母はデイサービスに行ったものの、すぐに帰されたのだそう。 (これで2回目) 今月に入って、義母の体調は不安定になっていた。 時々38℃台の熱が出て、そのときは解熱剤を使うのだが、下がりきらずに微熱が続くこともあった。汗をかく

no.22 義母、95歳に。義母の食事と今後のこと。

7月の終わりに、義母は95歳になった。 ショートステイに行っている間に誕生日を迎えたので、施設からプレゼントをいただく。 心遣いが嬉しい。こういうことに励まされる。 ショートステイから戻った義母は、見た目もすっきりとして、痰の絡みもなくなり、元気そうに見えた。 次のショートステイがもう待ち遠しいw ここに来て、もっとも悩ましいのは食事である。 義母の食事は市販の介護食【区分4 : かまなくてよい】を利用している。 ①主食:キユーピー やさしい献立 なめらかごはん (1袋

no.18 義母、看取りの時期へ

ある木曜日、義母はデイサービスに行った…と思ったら、すぐに戻ってきた。体温が37.5℃あったのだそう。37.5℃以上あると、預かってもらえないのだ。 夫がケアマネ氏に連絡をとり、医師の診察を受けた。念の為、インフルエンザとコロナの検査をしたが、どちらも陰性。 水分の摂取量が足りないと、熱が上がることがあると言われたので、意識して水分を多めに摂らせて、処方された解熱剤を飲ませる。幸い、夜には熱が下がった。 ただ、この日を境に義母は一段階、力が落ちたように見えるのだった。 義

no.12 義母、要介護4→5へ

介護認定の結果、4月1日から義母の要介護度は「5」になった。 5年の歳月をかけて「4」から「5」に進んだことになる。 そのうちの4年間は特養にいたのだが、その間、施設からは月に一度、利用料の請求書といっしょに、義母の近況を知らせるお便りが届いていた。 お便りはA4サイズに1枚。上半分に義母の写真、その多くは季節の行事の際に撮影されたスナップである。義母はこのような行事を楽しめないたちで、無表情で床をじっと見つめていることが多い。 そして、写真の下には義母の近況。 書いて