2010年代のオリコンはAKB48ばっかり ヒットの崩壊②

 2010年代のオリコンヒットチャートはこんな感じだ

2010年 Beginner AKB48
2011年 フライングゲット AKB48
2012年 真夏のSounds good! AKB48
2013年 さよならクロール AKB48
2014年 ラブラドール・レトリバー AKB48
2015年 僕たちは戦わない AKB48

 こんな風にAKB48が年間シングルランキングで6連覇を達成している。2位以下は割愛するが、2位から5位ぐらいまでほとんどがAKB48というありさまだ。確かにAKB48の勢いや影響力はものすごいものがあった。2010年代当時は私も30代に差し掛かっていたころだが、なんだかんだでAKB48を追いかけてしまっていたこともある。

 でも、AKB48が2010年を代表するアーティストとなのかと言えば、そんなことはないと否定したくもなる。本当に国民的ヒット曲だったらいつでも口ずさみ当時を懐かしがるものだと思うが、AKB48にそこまでの影響力があるとはとても思えない。AKB48のヒット曲という問いにはもちろん人それぞれだが、「ヘビーローテーション」、「フライングゲット」、「恋するフォーチュンクッキー」せいぜいそんなもんだろう。

 それなのにオリコンの年間シングルランキングでAKB48ばかりが上位を占めてしまっているのか?

 改めて言うまでもないが「AKB商法」により、オリコンがハックされてしまったのだ。
 
 AKB48のCDには必ずと言っていいほど何かしらの特典がついている。特典にはメンバーのプロマイドが付き物だが、どのメンバーが入っているのかは完全にランダムである。AKB48には前田敦子や大島優子といった「神セブン」もいれば、全然知らないメンバーもいる。購入するファンが誰を推すのかは人それぞれだが、例えば前田敦子が出るまで購入し続けることも普通に起きる。もしくは30人ぐらいいるAKB48のメンバーのプロマイドをすべてそろえようとする人もいる。そうなると同じシングルCDを一人で10枚ぐらい購入することがざらである。

 プロマイドをコンプしたくなる気持ちはわからなくもない。子供のころにはビックリマンシールでヘッドが欲しいと願って一度に何個も購入したし、できることならシールを全種類コンプリートをしたいと当時の日本中の子供たちが強く願っていたぐらいだ。しかし、ビックリマンはお菓子だ。いくらあっても結局は体の中に入る。一度にひと箱40個を全部食べるのは無理だが、たくさんあって困るものでもないだろう。

 でも、シングルCDは一枚あれば十分だろう。90年代のCDバブルの時代にシングルが200万枚、ベストアルバムで500万枚みたいな記録があったときでも基本的に一人一枚だろう。でもAKB48のプロマイドの影響もあって一人で10枚ぐらい買ってしまう人もいる。

 AKB48のシングルCDの特典に握手会の引換券も同梱されている。私は結局ただの一度も握手会に参加することはなかったが、男性ファンからすれば、若くてかわいいアイドルと握手ができるのならCDの一枚ぐらい安い物だろう。詳しいことはあまりわからないが、単純に握手券の数だけAKBと握手できるのであれば、これまたCDを何枚も購入することになるだろう。あれだけ盛り上がってアイドルと握手できるのは悪くない話なのだが、やっぱり気恥ずかしさが買ってしまった。わざわざ女の人に握手してもらいに行くなんて恥ずかしい。新垣結衣や有村架純が握手会をやるなら行きたくもなるけど、やっぱり大女優のオーラに圧倒されて近づけなくなるのか。だからこそ「会いに行けるアイドル」としての親しみやすさが受けたのだろうか。

 極めつけは2009年からの選抜総選挙であり、選挙の結果をもってシングルCDのセンターを決めることになる。選挙権を手に入れるにはやはりAKBのCDを購入して投票することだ。政治家の選挙とは違い一人で何枚も投票できる、なのでやっぱり一人で何枚もCDを購入することになるのだ。

 そういえば、古くはおニャン子クラブもう少し時を進めればモーニング娘。といったアイドルグループはどうやってセンターを決めていたのだろうか?言っちゃ悪いけど、どの子もかわいいけど顔は似たり寄ったり、歌のうまさに至っては誰がどのパートを歌っているのか全然わからん。そんな調子なのにどうやってセンターを決めていたのか。センターが誰なのかはどうでもよいと思っていたけど、本人はもちろんファンからすれば大問題みたいだ。

 だったらファンがセンターを決めればよいのではないか。それなら確かに納得はする。そう思いながらも始まったばかりのころには、正直誰がセンターでも構わないと思っていた。そもそもAKB48の曲は知っていても、メンバーの顔と名前がわからないし。
 
 しかし、冷ややかに見ていた私と違って、その界隈では結構な盛り上がりを見せていた。2011年ぐらいでは総選挙の時期が来れば誰がセンターを勝ち取るのかを話題にしてしまっているし、前田敦子や大島優子が卒業した後の選挙の時には行きつけの飲み屋でその場にいたお客さんとAKB総選挙を見ながら予想までしていたぐらいだ。なんだかんだで総選挙を楽しみAKB48のブームに飲まれてしまっていた。

 そんなことばっかりやっていたら、一人で同じCDを何枚も買ってしまう人が続出してしまうだろう。私も投票するためにアルバムCDを買ってしまったぐらいだ。完全に楽曲を楽しむというよりもAKBのイベントに乗っかるために買ったのが本音だ。

 ただ、改めてオリコンを見返すと2010年代はほとんどがAKB48で締められている。AKB商法みたいな売り方すれば納得はできるのだけど、当時の代表曲なのかと言われると納得がいかない。

 昔から音楽業界でCDが売れるということが一つのステータスであり、最もヒットしたという称号を得られる。それを逆手に取ったのかなんなのか、確実にCDが売れるための方法を使ってAKBにハックされてしまったのだ。

 CDが売れること=曲がヒットしている、90年代では当たり前だと思われていた構図が完全に崩れてしまったのだ。

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