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子育てしながらスタートアップで働く共働き夫婦の私が、なんとか生きていく為に決めたルールとその理由

この記事は10X 創業6周年アドベントカレンダーの8日目の記事になります。 昨日はコーポレートオペレーションズ部の原口さんが、「LLMを活用したChatBot 開発に関する記録」という記事を公開しています。
社内の検索活動を10x(=10倍改善)するために、チャットボット開発に試行錯誤する様子が綴られています。実物を触れるようになる日が今から楽しみです!

自己紹介

はじめまして、10X BizDevの入場(にゅうば)と申します。コンサルティング会社やスタートアップなどを経て、2022年12月に10Xに入社しました。
今はフロントに立つBizDevとして、Stailerを使ってネットスーパー事業の立ち上げ準備をしている小売企業を中心に担当しています。

プライベートでは1歳半の息子と、夫との3人暮らしです。
私は子供がちょうど1歳のタイミングで10Xに転職し、夫は来月から別のスタートアップで働き始めます。

筆を執ったきっかけ

せっかくの10X6周年アドベントカレンダー企画に「何か書いてみたい」と勢いで手を挙げてみたはいいものの、「何を書こうか…」と正直めちゃくちゃ悩みました。

有り余る勢いと迷いが滲み出る、アドベントカレンダー参加表明notion


せっかくなら「今の私が表現することに希少価値がありそうな内容を書こう」と思ったはいいものの、それもそれで悩みに悩んだ末1つの考えが浮かびました。


生後4ヶ月から子供を保育園に通わせて早1年強、10Xで働き出して半年強。

育休から復帰して以来「仕事と子育て、両立しててすごいですね」と声をかけてもらうことがありますが、毎回「そんなことないです」と無意識に即答してしまいます。
謙遜している訳ではなくて、当事者の私としては両立なんぞできているという思いは1ミリもなく、本当に目が回りそうなくらい慌ただしい毎日が、嵐のように過ぎ去っていくのを「なんとか必死に、死なずに生きている」という感覚しかありません。

毎日こんなに余裕がなくて、もはや子供が寝る前に自分が寝落ちしていてどっちが寝かしつけられているのかわからないような日々で。
子供が体調を崩して保育園からお迎え要請が来るたびに、子供の心配よりも自分の仕事の都合がまず真っ先に頭をよぎってしまうような人間で。

そんな後ろめたさがずっと心の片隅にこびりついていました。

ですが、10Xに入社してから「疲れすぎて寝かしつけから復帰できないよね」「子供の体調不良ペースがやばい…XXが流行ってるみたいだから気をつけて」とオープンに声を掛け合い、家庭の事情で急な休みを取ってもSlack上に「人生最優先」「家族最優先」「気にせんと休みや」「申し訳なくないよ」スタンプが飛び交い、自分を犠牲にしすぎず、それでもきちんと成果を出して前に進む会社が存在することに本当に本当に驚きました。

自分が発熱→子供が発熱という地獄のバトンを繋いでしまった日でも
Slackに飛び交う優しいスタンプたち

私が10Xを推す理由の1つがこういった社風なのですが、そんな社風のおかげもあって、自分の「働く」に対する価値観を再構築できた半年間でした。

中でも今日は、その再構築された価値観の中で、実践してみて心が軽くなった2つのルールを紹介していこうと思います。

「10Xって働きやすさを推してるけど、実際どうなの?」「子供がいるから転職はまだ現実的じゃないかな」「プライベートと仕事の両立に漠然と不安があるな」と感じている方に「こういう人も10Xにはいるんだな」とか「ちょっと制限を外して選択肢を広げてみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。

ルール#1. アッパーを決める

つい最近社内の1on1で「働き方について、気をつけてほしいことはありますか?」と聞かれたので「私はどれだけ頑張っても1日9時間半しか働けません」と答えました。
具体的な数字で驚かれたのですが、こうやってアッパーを決めないと死んでしまうと思った瞬間があったからこそ辿り着いた数字でした。


そもそもは、ある日「なんで毎日こんな嵐のように忙しないのか?」と疑問に思い、自分の24時間を見つめ直すことで「もう少し働ける時間を増やせないだろうか?」と画策したことがきっかけでした。
その時、私は自分の1日(ざっくり)を書き出してみたのですが

5:00 起床・身支度・片付け
5:30 始業
7:00 仕事中断/子供朝食・登園準備・家事
9:00 仕事再開
18:00 終業・お迎え
18:30 子供夕食・大人の夕食準備
19:00 お風呂
20:00 大人夕食
21:00 子供寝かしつけ
22:00 自由時間・就寝

…こんな感じでした。
(余談:昔は深夜も早朝もいくらでも働けましたが、最近は寝ないと体がついてこない上に、子供が夜泣きをしたり不意打ちで早朝4時起きをぶちかましたりしてくるので、早寝が習慣になりました。朝寝坊してしまう日ももちろんたまにはあります。)

これを書き出して一番驚いたことは、起きている子供と一緒に過ごせる時間が1日数時間しかないことでした。
当たり前といえば当たり前なのですが、立ち止まらずに慌ただしく過ごしていたら、そんな日常にすらまともに向き合うことができていなかったことを反省しました。

もちろん子供を誰かに預けたりすれば、当初の目的だった「働く時間を伸ばす」ことは物理的に可能です。
でも1日にたった数時間しかない、起きている子供との時間を削ってまで働きたいと、今の私には思えません。

半年前までよちよちと伝い歩きしかできなかった子供は、もう自分の興味の赴く場所まで自分の足で向かって行くことができます。
保育園に着けば「いえーーーーい!」と歓声をあげ、両手をバンザイしながら先生たちの胸に飛び込んでいきます。

毎日嬉しくて可愛くてたまらないこんな成長も、こうして少しずつ私たちの手を離れて行くんだなと、つい寂しくも感じてしまう、そんな不条理な親心を日々噛み締めながら生きています。

枝と葉の研究に余念のない1歳児

子供がいなかった頃に戻ることは、物理的にも精神的にもできません。「今、ここ」にある選択肢から選ぶことしか、私には残されていない。
だからこそ、子供がいなかった頃の自分が働けていた勤務時間と比較するのではなく、今の生活スタイルで無理なく働ける量と質を定義して、それ以上できないことを認めて宣言しようと決めました。

こんな葛藤から「9時間半」ルールを設けて、その中でどうやって時間内に終わらせ、目標を達成するかにフォーカスするようになってから、ゲームのルールがシンプルになり、周囲に負い目を感じる回数も減ってきました。

子供と過ごす時間にも集中して、密度を高めることができるようになった気がしており、人生全体への満足度が爆あがりしたルールでした。

ルール#2. 頼る or 諦める

ルール#1. アッパーを決める、を実践するとどうしても両手からこぼれていく要素が気になってしまいます。

実際直面すると悩んだり、できない自分が悪いのか?と思ってしまうこともありますが、そうは言ってもやっぱり全部はできません。分身でもしない限り、物理的に不可能です。

そんな時は周りに頼る or 諦めるの2択で潔く決断することにしました。
プロに頼るのも良し、家族に頼るのも良し、職場の人に頼るのも良し、できなくても死なないからいいやと開き直るのも良し。

私の場合は

  • 仕事も頑張りたいから、日中は子供を保育園の先生にお任せしよう

  • リビングがおぞましいほど散らかっているけど、どうせ片付けてもまた子供に荒らされるからwebカメラに映らない角度は片付けるのを諦めよう

  • 子供が熱を出したけどどうしても休めないから、病児保育をお願いしよう

  • 楽しみな飲み会があるから、この日は夫にワンオペをお願いしよう

  • まだ週半ばなのに冷蔵庫が空っぽ。お迎えの帰りに買い物に行くのはしんどいからネットスーパーを頼もう

と頼ったり諦めたりしていますし、いちいちそれに対して罪悪感を持つことをやめました。

仕事でも同じだと思いますが、全てを自分でこなすことは不可能ですし、全てを自分でやる必要は往々にしてありません。
そればかりか、いろんな人を頼ってお互いに協力したほうが、より速くより良いものができあがることもあります。

率直に申し上げて、保育園も、家事代行も、病児保育も、ネットスーパーも神です。(大事なことなので2回言います、ネットスーパーはいいぞ!!!

ある日のネットスーパー注文履歴
ベビー用品の種類が豊富で、おむつが安いのでライフを愛用しています



人間は社会で生きていく生き物だからこそ、自分以外に依存することも、依存先が多いことも全く悪いことではありません。

むしろ誰かにお願いすることで自分の精神衛生が保たれて、家族と穏やかに過ごせるなら「申し訳ない」とか「今日もこれができなかった」とかいう感情は無用の長物です。

そうはいっても私も人に頼むことが非常に苦手で、「いかにも」すぎるストレートなタイトルに逆に惹かれてこんな本を読んでますが、なかなか興味深く、いろんなことは自分の思い込みなんだなと捉えられるので、同じ悩みを持つ方にはおすすめです。


ほんのわずかであっても、〝人に助けを求める〟という考えを頭に抱くことは、私たちをひどく不快にする。研究によって、それは肉体的痛みと同じくらい現実的な「社会的痛み」を引き起こす可能性があることがわかっている。
(中略)
助けを求める人は、相手が助けてくれる可能性を過小評価する傾向がある。これはとても価値のある事実だ。なぜなら、私たちが想定しているよりも、人から助けてもらえる可能性は高いということだからだ。

『人に頼む技術』

結び

本当はこの他にも心がけていることや、失敗したこと、逆にやめて良かったことなど、いろいろな試行錯誤がありましたが、紙幅に限りがあるのでここらで筆を置こうと思います。

人生も、事業も「決断」の連続

このnote執筆にあたって何を書こうか散々考えて書いては削ぎ落とし、上記2つのルールに辿り着いたのですが
#1. アッパーを決める = 目指すべき指標を決断すること
#2. 頼るか諦める = 目の前の選択肢から決断すること
と、結局根底にある概念は仕事に通じるのではないか、という結論に至りました。

仕事柄、日々事業に向き合っていると「すべての条件を完璧に揃えた選択肢」が俎上に並ぶことはまずありません。
「この観点だとAが最適だが、このリスクに鑑みるとBの方が適切に見える。でもお客様から見たらCが一番親切に感じる」のような不確実性の高い選択肢から何かを選び取り、前に進まないといけないことが日常茶飯事です。

子供を育てながら仕事をすることも、仕事に打ち込むことも、自分のペースや特性に合わせて働くことも、働く以外の選択をすることも。
フィールドは違えど、正解のない"人生"において各々が選び取った選択肢を正解にしていくという構図は、事業推進と同じだと改めて気付きました。

せっかくの一度きりしかない人生。
誰かの「決断」に身を委ねるのではなく、悩みながらも自分で「決断」することを楽しめる人でありたいという決意と共に締めさせていただきます。

最後に

10Xでは子育て家庭以外にも、様々なライフステージ・価値観の人が働いており、そしてメンバーを募集しています!
採用ページもぜひご覧ください。 明日はデザイン部の八木さんが記事を公開する予定です。お楽しみに!

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