【初心者向け】何から学べば作曲ができるようになるのか。

○何から学べば作曲ができるようになるのか。

音楽は非常に馴染み深い。
だからこそほとんどの人が挑戦したいという気持ちを持っているように思います。

実際、できることなら誰でも音楽でスターになりたいという気持ちがあると思いますし、好きなことでお金が稼げるのは幸せだと想像するでしょう。

もし仕事にするのが嫌という人でも、趣味で音楽を作ってみたいという人は多いと思います。
実際自分の周りにはよくいますし、いました。

ただどうしても挫折してしまうんですよね…。
その気持ちはよーくわかります。
挫折パターンは大きく分けて3つあると思っています。

①作れる状態にするまでに挫折
②作ってみて挫折
③作ってみたけどわからず勉強を始めたが挫折

挫折したことのある方は「ウッ」となる内容かもしれませんね。でもこの挫折の仕方は自然だと思います。

①はソフトなどをPCに入れる労力でやる前に崩れてしまうパターン。「明日やろっかな!」でいつまでもやらないパターンです。②はそのままですね。

今回着目するのは③のパターン。

「やっぱり音楽理論は勉強しとこう!」
ということで始めるのですがこれがまた難しく始め方を間違えるとドツボにハマります。

どうしてなのでしょうか?考えてみます。

○コスパ最強!ディグリーネーム

結論から言います。
「ディグリー」を学ぶべきです。
より具体的にいうのであれば、
「ダイアトニックコード」と「機能」です。

…わからん!と思ってる画面の前の皆さんが想像できますが、これなのです。

「ディグリー」や「ダイアトニックコード」が
何なのかは後で説明するとして、
どうしてなのかを理解するために、
まず以下のことを肝に銘じてください。

・音楽理論は1つ1つのつながりが薄いこと。
・皆さんの目的は「曲を作れるようになる」こと。

ここが1番重要です。

皆さんは勉強をする時、よく「基礎から学べ!」と言われると思います。英語であればbe動詞や単語、数学であれば四則演算やxなどの文字の計算から。

これは間違いでありません。
実際自分は塾の講師としてアルバイトを長い間やっていましたが、英語や数学は絶対に基礎からやるべきです。

ただこの「意味」を考える必要があります。
「何故、基礎から学ぶのか」を問いかける必要があります。
その答えは
「目指している領域には基礎が使われているから」
ただ一つです。

つまり、
「目指している領域に基礎が使われていない」のであれば基礎は学ぶ必要はありません。

ここを勘違いしてはいけません。

これを音楽理論の勉強に当てはめます。
皆さんの目指す領域(目的)とは「作曲ができるようになること」=「曲を完成させること」です。

では曲を完成させるにはどうすればいいのか。
これは「曲を完成させるための音楽理論を学ぶ」必要があります。

では基礎からその「曲を完成させるための音楽理論」に辿り着くまで勉強すべきなのでしょうか。
これは違います。
音楽理論は、全てが繋がった学問ではありません。

「曲を完成させるための音楽理論」は基礎から成り立っている理論はではないのです。
厳密に言えば、成り立ちはあれど基礎が必要不可欠ではありません。

そのため、
「初めから曲を完成させるための音楽理論を学ぶ」
これがスタートダッシュの秘訣です。

○かつての自分も「1から」学んでいた

自分は作曲家さんに弟子入りという形で作曲を学んでいたのですが、その前から曲作りはしていました。

もちろん、音楽理論は学ばなければいけないと思っていたので学んでいたのですが使っていたのは音大受験に使う通称「黄色楽典」。
音大受験用なのでまあ専門性が高い。

ただとにかく勉強にはなります。
自分はその本を初めから勉強して「音符の種類」や「拍の種類」を勉強していました。

しばらく勉強していざ作曲ソフトに向かいます。
するとどうでしょう!!!

全く手が進みません。

というより成長が全く感じられませんでした。
黄色楽典から得たことが作業の段階で役に立たないんですね。

例えば英語における文法の知識の定着のためには、文法問題を解いてアウトプットするのが良いです。ルールを知ってそれを実際に使ってみる。
穴埋め問題などで、ヒントを得ながらアウトプットすると「使える知識」になるわけですね。

作曲の場合はアウトプットが「曲を作ること」になります。練習問題などはなくいきなり本番になります。過去問で練習していく、そんな感覚です。

もちろん難易度は高いですが、それが解けるようになれば得点に直接結びつきます。
嬉しいことに音楽理論は「過去問を解くために基礎はあまり必要ない」のです。

なのであれば、まず着手すべきは「作曲に役立つ音楽理論」です。

自分が作曲家の方から音楽理論を学んだ時も、音の読み方や種類などはやらず、いきなりディグリーから始まりました。

間違いなく、それまでよりも上達のスピード早かったですし何より作曲の中で自身の成長を感じることができました。

「端折る」ことは一見悪のように感じますし、網羅していないことに不安を感じるかもしれませんが、「音楽理論」という分野、枠組みの中では以上のように考えるのがベターです。

○他を学ぶことは悪いことなのか?

ではディグリーから学び始めなかった人はダメなのか?
さらに言えば作曲に直接役立ちにくい知識は勉強する必要がないのか?

これは完全にNoです。
言うなれば役立ちにくい音楽理論は即戦力の音楽理論の潤滑油です。
先程も述べた通り、音楽理論同士の繋がりは薄いですが完全に遮断されているわけではありません。

コード1つを取っても、音と音のインターバル関係、キーやテンションを知らないと完全に理解することは難しいかもしれません。

ただ、知識がないと「完全に」理解できなくとも、「作曲で使える基準」には十分知識がなくても到達できます。

つまり、他を学ぶことは無駄にはなりません。

ただ音楽理論は範囲が広く効果が出やすいため挫折しやすいです。
そのため優先順位として作曲に直接役立つものから取り組んだ方がモチベーションが続きやすいです。

○「ディグリー」は敵にならない

「ディグリー」とは何か。
より詳しく知りたい方は再度調べていただければと思いますが、「キーをもとに作られたスケールをローマ数字の度数で表記したもの」です。

上の説明だと「?」だと思いますが、
「ドレミファソラシ」という音の並びがあるとすれば、それを「I II III IV V VI VII」(=1234567)と表記するということです。
これを「ディグリーネーム」といいます。

何故これを知るべきなのか。
それは「音を相対的に捉える癖をつけるため」です。

絶対的な音の捉え方とは、
「ラシドレミファ#」という音の並びがあるとして
ドの音が鳴った時に「ド」、ファ#の音が鳴った時に「ファ#」と答えることです。

対して相対的な音の捉え方とは、
ドの音が鳴った時に「III(3)」、ファ#の音が鳴った時に「VII(7)」と答えることです。

この考え方は非常に大切です。

例えば音楽理論に「ソ」を鳴らした後に「ド」を鳴らすとなめらかだという説明があったとします。

音楽にはキーというものが存在していて、1つの楽曲内に原則7つの音しか使えません。(馴染みのある「ドレミファソラシド」も「Cメジャーキー」というキーで7つしか音は出てきません。)

Cメジャーキーで曲を作っている時は「ソ」から「ド」のなめらかな音を使うことができますが、仮にBメジャーキーと呼ばれる「シド#レ#ミファ#ソ#ラ#」の7つを使うキーで曲を作りたいと思ったらどうでしょうか。

「ソ」から「ド」のなめらかな動きは使えないのでしょうか。
実は使えます。

Cメジャーキーにおける「ソ」というのは「V(5)」、「ド」というのは「I(1)」に当たります。
「ソ」→「ド」=「V」→「I」
これをBメジャーキーに当てはめてみましょう。

「シド#レ#ミファ#ソ#ラ#」
「V」→「I」=「ファ#」→「シ」
になります。

一見「ソ」→「ド」と「ファ#」→「シ」は全く違うように感じますよね。もちろん、絶対的に見れば両者は全く違います。
しかし、キーという平行世界上ではその「機能」(役割)は同じなのです。

これが音を「相対的に捉える」べき理由です。
つまり、1つのキー上で覚えた理論を他のキー上でも使えるようにすることができるのです。

これは、音楽の三大要素である意味「リズム」「メロディ」「ハーモニー」の「ハーモニー」を構成する上で非常に大切です。
個人的には各要素の中で、最も「感覚でどうにかならない」要素だと思っています。

ここをしっかりと掴むことこそが最適な挫折を防ぐ手段であり、作曲を前に推し進めていく最善策だと思います。
ディグリーやその機能の学習は実はそんなに難しくありません。覚えて作っている曲のキーに当てはめるだけ。それだけで大きな力になります。

ディグリーは敵になりません。
仲間になりやすくかつ心強い味方です。
ぜひここから学び始めてみてください。

今後ディグリーについては詳しく解説のnoteを出せればと思っています。


ここまで読んでいただきありがとうございました!

○まとめ

・作曲を始める際に、挫折しないためには「ディグリー」という概念を学ぶべきである。
・特に、「ダイアトニックコード」と「機能」が重要である。
・ディグリーの学習はそんなに難しくなく、覚えた理論を他のキーにも応用することができる。ディグリーは作曲において仲間であり、心強い味方である。

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