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日々よしなしごと~役割と役に立つこと~

年が明けました。今年もよろしくお願いします。
なかなか思うように書くことができないけど、今年も日記のよう書けたらいいなと思う(とはいえ毎日書ける力量はまだまだないけど・・

お正月休み中の夜、あるドキュメンタリーのTV番組を見ていた。都内の高校の女子バスケ部にアメリカ人のカリスマコーチがやってきて指導するというものだった。練習をずっと見ていたコーチは全員に向かって、自分の役割を理解しているかと尋ねる。部員たちほとんどが首をかしげてしまう・・・その後、練習中に厳しく指導されていたひとりの部員がコーチのところに相談にくる。自分の役割が分からない、どうやって動いていいか分からないという。コーチは、相談に来たことを喜び、その場その場で自分が今何をすべきか考えながらプレイしなさい、それが自分の役割を知るということだと伝える。ラストの練習試合では、彼女たちが自分で考えながら、ゴールにつなげていく様子が描かれていた。

そうか、役割か・・・と、私もふと考えてしまった。
もちろん、家庭の中で妻として母としての役割、店主としての役割など言わば社会の中での立場としての役割のようなものはあるだろう。
では、私がこの世に生まれたのは、何か別の違う役割があるのだろうか・・・・

人生のいつ頃からなのか覚えていないが、社会に何か役に立つような生き方をしたいなと思っていた。友人の影響で環境教育やまちづくりなどの市民活動のようなことも、自分なりに世の中を少しでも良くしていきたい(めっちゃおこがましいことだけど)なんて思って、20年以上活動をしてきた。しかし、結局は自己満足の域を超えない活動だったような気もする。それが私の「役割」で、その活動は社会に「役に立つこと」だったとは胸を張って言えないなあと思う。

そもそも、役割を全うすることと役に立つことは、同じことなのかな。

そう思った時、今日一日のことを思い返した。
その日は当店で毎年恒例の年明けジャズライブを開催した日だった。
友人のジャズメンが企画して、当地出身のサックスとドラムスの人と友人のウッドベースの3人のセッション。小さな店内にぎゅうぎゅうに!椅子を並べて演奏者のすぐ間近に迫る設営。午後14時からのスタートで、私は午前中早めに行って掃除したり、設営の調整をしたり、ドリンクの準備をしたりと、慌てなくて済むようにしてから一旦帰宅し、夫と早めの昼食をとってメンバーが来る前にと再度店に向かった。
すると、すでにメンバーは集まってリハをしているではないか!慌てて挨拶もそこそこに不在を詫びたが、友人は何の問題もないよと言ってくれた。
ああ~準備しておいてよかった~とホッと胸をなでおろした。
ライブは、とっても温かな雰囲気で演奏も素晴らしく、軽妙なトークで初笑いもあって、お客様と一体感の生まれたいいライブになった。
終わってからも私はとてもいい気分で、何かすごく幸せな気持ちになった。

そうか。私はライブ会場の店主として精一杯やった。演奏者も気持ちよく演奏やトークができて、お客様も心からそれを楽しんで下さったのだ。つまり、それぞれの「役割」を全うすることで、お客様に楽しんでいただくということに役に立ったのかもしれないな。

自分の生まれて来たことの役割、など大仰に考えることもなく、その時その時にするべき事を精一杯やればいい。そのことで何かの役に立ったのならラッキー!くらいの気持ちでいいんだ!

今年の誓いは、先のことを考えるより、今やりたいことをやり、行きたいところに行き、一瞬一時を大事にする。
加えて自分の目の前にあることを精一杯やること。

神は細部に宿る。

こういうことか。
どんなに小さなことでも、自分ができる精一杯をやっていくこと。それが役割なんだな・・・・すごく納得!
なんだかすごく爽やかな勇気が出て来たぞ!

ちなみに冒頭の写真は、我が家にあった火鉢。ずいぶん前にがらくた市で衝動買いしたもの。しばらくはエコ生活とか言ってカッコつけて使っていたけど、結局は仕舞い込まれ眠っていた。
友人が素敵な古い町屋を買って、そこでリサイクル着物ショップを開店することになった。そのお祝いにもって行くと欲しいと思っていたものととても喜んでくれた。
つまり、やっと火鉢本来の役割を与えられ、今ではお店のシンボルのように鎮座しているようだ。これから店主とお客様をつなぐ温かな道具としてお役に立つとしたら、こんなにうれしいことはないよね。

新年の幕開けにとても素敵な気づきに、心にポッと柔らかな火が付いた。



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