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日々よしなしごと~キノコ狩りに~

当地と岐阜県との県境に大長谷という山深い里山地区がある。市内からは車で1時間30分くらいの山道を走ったところにある小さな集落だ。
そこで、県内のツアーガイドをやっている友人が春は山菜、秋はキノコを採るツアーを毎年企画している。ほぼ毎年、春や秋に参加しているのだが、今年は春の山菜には行けず、先日このタイミングしかない!とぎりぎりにキノコ狩りツアーに申し込んだ。

このツアーは、山菜やキノコを山の中に入り込み宝物探しのように採る楽しみももちろんあるが、その後、温泉に入って山菜やキノコを使った本格イタリアンのランチが大人気なのだ。

今年もそんなご褒美のような楽しみにもワクワクしながら、電車と山道を走る一日2往復だけの大長谷行きのコミュニティバスに乗って、朝早くに出かけた。

お天気は、曇り空で降りそうで降らない微妙なお天気。時間になると参加者とガイドの友人Mさんも集合場所の大長谷ふるさとセンター前に集まった。
一通り挨拶をすると、トコトコと軽トラに乗ったキノコ(山菜もだけど)狩り名人のコウシンさんがやって来た。御年70代後半?の小柄だが山を知り尽くし、山の中を自由自在に動き回り、いつの間にか手に山菜やキノコをいっぱい持って現れる大名人なのだ。

Mさんが、「今日はイグチ(というキノコ)採れたらいいね」というと、そやね~ならとにかく行こう、と言ってMさんの車とコウシンさんの車に分乗してそのポイント?まで移動。私はコウシンさんの軽トラに乗る。

以前参加した時は、山道を歩き、時には森の中に入り込んでナメコや食せる他のキノコを採ったのだが、今回は県境まで車で行きつつ道端に出てるキノコを探すらしい。

しばらく走ると、あ、と言ってコウシンさんは車を止めて「イグチあるわ」という先を見ると道端の草の下から茶色く大きなナメコのようなキノコがいくつか!
みんなはわーっと歓声を上げて、ここにもあるよ~と言いつつ
道端の草むらの中で最初のキノコ狩り。イグチ、初めて見るキノコだった。


イグチ

これは、ソテーやパスタに使うとおいしいそうだ。

さらに、山道をどんどん上がって県境まで行くのだが、コウシンさんの運転はとにかく超ロースピード。まさトコトコと走って、後に続くMさんの車もトコトコと着いていくしかない。狭くて時に坂になったり、水の通り道の段差があったりするので、ゆっくりゆっくりと行くのが一番安全と知っているからだと思う。
そんな車に揺られながら、キノコがどうやって生えるのか、この辺の山の木のこと、かつては生業だった炭焼きのことなどなど、いろいろお聞きして、楽しく意義深い時間だった。

県境に近づくと、周囲の景色は石灰岩の岩山にうっすらと色づいてきた木々が重なる下は深い渓谷となって、清らかな水が流れているのが見えた。
深山幽谷とはこういう景色をいうのかな、と見惚れていると「もう少ししたら紅葉して奇麗だよ~」というコウシンさん。確かに紅葉したらここはまるで別世界のような華やかな色で彩られるんだろうな~

そうこうしてると、県境のポイントで二又に分かれている未舗装の道をさらに進む。こんな道でもその先は岐阜の小さな村にたどり着くそう。しかし、けもの道を少し広くしたような狭い道をどこまで行くのかなあと思っていると、ちょっと広くなった場所で止まった。

どうかな・・・・・お!あるある! あの白いのはオシロイシメジやわ!

とコウシンさんが言う方向は小さなせせらぎの向こうに白いキノコが群生しているのが見える! みんなさっそく少しぬかるんだ所を木の枝につかまりながら降りてせせらぎを渡って向こうに行くと、みんな一斉にわーいっぱい生えてる!!と叫んでいる。私もそこら中に白いキノコが生えているのを見ればいやがおうにもテンション上がったのは言うまでもない。※冒頭の写真

籠に一杯摘んで大満足の私たちだったが、車に戻ってみたらコウシンさんがいない。これはいつものことで、大抵コウシンさんは、私たちが行けないところに行っていっぱい獲物?を採ってくるのだ。呼びかけて一応返事があるので待ってはいるがなかなか戻ってこない。と思ったらやっと出てきて、一人で私たち全員で採ったくらいの量のオシロイシメジが・・・・

大収穫と終えて戻ることにしたが、ナメコも欲しいということで、春に榾木に菌を打って育ててある場所に行き、鈴なりに付いている大き目のナメコだけを、これもいっぱい採って今日はこれにて終了!

県境まで行ったので、予定より遅くなったこともありランチ前のお風呂はやめて、すぐにメグちゃんのお店に。メグちゃんはコウシンさんの姪っ子さんで、イタリアンのシェフ。とってもおいしい本格イタリアンを出すので、遠く東京からわざわざ食べに来る人もいるらしい。

薪ストーブで温まったお店に入って、それぞれ飲み物を注文。私は車ではないのでワインに!
さっそく山と里の幸、キノコやジビエも入ったオードブルの盛り合わせにみんな大喜び! その後は名物の窯焼きのピザはマイタケと生ハム、ジビエとキノコのキーマカレー(試食して欲しいという新作)、イグチやオシロイシメジなどキノコの入ったクリームパスタ、そしてやっぱりフキノトウ味噌(大人気の定番ピザ)と3種類のピザを堪能しで、やまぶどうのアイスのデザートでもうお腹はパンパン・・・・



キノコのパスタ 濃厚❤

女子ばかり(当然私よりずっとお若い方たち)5人の、大収穫とおいしい食事に大満足。そりゃもう賑やかすぎるテーブルで楽しい時間・・・

私はお風呂に入りたいなと思ったけど、バス時間に間に合わない。Mさんが、私も入りたいから送っていくよと言ってくれたのでお言葉に甘えて。

日暮れて少し暗くなりかけた外を見ながら、ゆっくりと湯船につかる。
最高のひととき・・・大長谷温泉は肌がすべすべになる本当にいい湯・・

ということで、非日常をたっぷり味わって帰宅。
ナメコとイグチとオシロイシメジ、それぞれを分け合ったお土産。
私は夕飯なしにして、とりあえず夫に、イグチをオシロイシメジにベーコンと生クリームでパスタを作る。私だけ充実した休日を楽しんできたが、満足したようだったのでまあよかった。


この富山の自然の豊かさと小さな山奥の集落の人たちの営みに、身も心も癒され、満ち足りた一日だったと思う。さらにお土産のナメコは、翌日ナメコご飯に、残ったオシロイシメジは肉やセロリと一緒にソテーしてキノコいっぱいの夕飯になった。

家庭でこんな料理が食べれるということ。この土地でしか、このタイミングでしか味わえないもの。
つくづくとなんという贅沢なことだろう。
富山の食は魚だけじゃない。山の幸もこんなに豊か。
ぜひ体験して欲しいものだと思う。

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