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プリント工場へ。冬牡丹柄ができるまで。

じりじりと残暑きびしい9月のことです。

京都駅から車で走ること数十分。


右手に東寺、左手に伏見稲荷と観光名所を抜けて、一軒のプリント工場に到着しました。

そこは大本染工さんといって、パラスパレスのプリント生地作りを長年担って頂いている現場のひとつ。


工場では11月にお店に登場する「冬牡丹(ふゆぼたん)柄」を生産している真っ最中です。

こちらの花柄スカートが、冬牡丹柄。



プリントの様子をじっくり見せてもらうべく、パラスパレススタッフ3人と、生地作りのディレクター鈴木さんと一緒に工場にお邪魔してきました。


まず、プリント生地を作る意味とは何でしょう。


パラスパレスのプリント生地は、すべてオリジナル。デザイナーが引く一本の線から始まります。

一般的にファッションブランドには、様々な生産スタイルがあります。

  • 糸や生地など素材から企画するブランド

  • 素材はメーカーから仕入れ、オリジナルデザインをするブランド

  • アイテムそのものをメーカーから仕入れるブランド ……etc

どれが正しく、どれが間違っている、というわけではありません。
考え方やターゲットの違い、会社の規模によって10のブランドがあれば10通りのやり方があるはずです。

柄だって、生地屋さんから買う事も出来るんです。柄生地やテキスタイルデザイン販売に特化したアトリエやテキスタイルメーカーも沢山あります。

私たちは、他には無いパラスパレスらしいものを作りたい。その気持ちから、一から柄を作っています。

既製品を使わず、新たにこしらえることは時間も手間もかかり、大勢の人が動きます。それでも、このスタイルを続けること、続けられることは、支える手があってこそ。

大きな支えのひとつでもあるものづくりの現場をさっそくのぞいてみましょう。


工場に入ると…

大きな樽に、色がついたお餅のような糊が沢山ストックされています。これが、生地に模様を着けるための糊です。

どすんとしています


糊と、版、そしてスキージ(ヘラ)この3つで生地に模様を摺っています。

シルクスクリーンのイメージ

シルクスクリーンという捺染技法で、
昔、年賀状を印刷する家庭用のプリントゴッコを想像してもらうとイメージしやすいかもしれません。(例えが昭和ですね!)


機械といえど、職人さんがつきっきりで見て、微細な調整は欠かせません。

髪の毛一本といって、版のズレでわずかな生地の白が出てしまうことも良くないとされる、繊細な作業です。

つぶさに見つめる職人さん。緊張感が伝わります。

版ひとつに対して一色ずつプリントが重なっていきます。

ガッシャン、ガッシャンと生地が右から左へ流れていきます。


プリントの様子は動画でもどうぞ!↓


プリントが済むと、染料を定着させるため蒸しの工程に進みます。

蒸す前と蒸した後でも色が変わります。
大きな蒸し機。お隣のリサイクルセンターの廃熱を再利用されているそう。

蒸し、水洗い、と工程を経て、反物が出来上がります。

そこから、デザイン、型紙、縫製、といくつものプロの手を経て、洋服がお店に並びます。

いかがでしたか、生地が出来上がるまでの一部をご紹介しました。
これ以外にも原画を版にするためのデータ作りや、色みを決めるテストプリント、色つくり、糊作り、いくつもいくつもの見えない工程が積み重なって、生地が出来上がります。関わるみなさまの支えがあってこそのものづくりです。


そして、出来上がった洋服がこちら。

ふわふわと、綿の起毛した生地を使って肌ざわり柔らか。
タックに無地の生地を使った、動いた時の変化も楽しい一着です。スカートとワンピースを仕立てました。


オンラインストアのリンクはこちらからどうぞ。


ぜひ、お店でもお手に取ってくださいね。


取材協力
大本染工株式会社
株式会社ルークス

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