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文月|ふづき|織姫神社のこと

七月は旧暦で秋の始まり。暑さはこれからですが、暦はひとあし先に夏から秋へ。

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七月の行事といえば七夕ですね。

以前、群馬県にある生地工場を訪れたとき、工場の神棚に「織姫神社」と書かれた神社のお札を目にしました。

織物工場に、織姫のお札……ぴったり!

その神社は渡良瀬川わたらせがわのほとりにあり、
渡良瀬川=天の川の見立てで、向こう岸に彦星神社があったらロマンチックよね……。と鼻息荒く探しましたが、残念ながらありません。

しかし、その土地の言い伝えによると渡良瀬川=天の川だったようで、こんな伝説が残されていました。

むかし昔、都よりはるか遠い下野の国あしかがにひとりの美しい娘がすんでいました。ある日、娘が機を織るために糸をつむいでいると、そこへ都より若い織師が訪ねてきました。そして、織師は、その娘に都で流行っていた機織りをまいにち熱心に教えました。
 娘は、織師と一緒に機を織ることが楽しく、朝から晩まで一生懸命に機を織り、その布を渡良瀬川のすんだ流れの中にさらすと、川いちめんに花が咲いたような美しさでした。
 何年か過ぎたある日、都よりむかえの使者がきて織師は、都へ帰らなければならないことになりました。
 娘は、悲しみのあまり機を織ることをやめ、まいにち魚住山に登り、都に帰ってしまった織師にあえることを祈っていました。
 ある日、渡良瀬川のほとりにたたずんでいると、ひとりの白いヒゲをはやした老人がとおりかかりました。老人は、娘に一生懸命に機を織り、その布を神様に捧げればかならず願い事がかなうと伝えました。
 娘は、都に帰ってしまった織師に逢えることを願っていっしんに機を織りました。
 やがて、神様は一年にいちど、七夕の夜に逢えるように娘の願いをかなえてくれました。
 七夕の夜には、渡良瀬川が天の川となって都まで広がり、織師は星の船にのって娘に逢いにきました。そのとき、織師がまとっていた布は、娘が神様に捧げた布でした。

足利織姫神社ホームページ七夕の言い伝えより引用

艶っぽさもあり、繊維の街らしさもあり、良いですね。群馬、栃木は繊維産業がさかんな土地です。

短冊のお願いごとは何にしますか🎋
七夕は織姫にあやかって手芸やお裁縫の上達を願う日でもあるそうですよ。

より良いものづくりができますように。


七月の季節のこよみ

七月二日 半夏生(はんげしょうず)
七月七日 小暑•七夕
七月十七日 海の日
七月二十日 土用入り
七月二十三日 大暑
七月三十日 土用丑の日

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