シーズンブックの工場へ
店舗にてお渡ししている冊子〝シーズンブック〟は、年四回発刊しているフリーペーパーです。
2024年春号から、すこしリニューアルをしました。
春にふさわしい、変化のきざし。今回はブックができるまでの過程や裏舞台をご紹介します。
幅広い年代の方に手に取ってほしい。
その想いから、この春号は二人のモデルさんに着て頂きました。
年齢の固定概念に縛られず、好きなもの、暮らし方、自分が心から楽しむこと。かろやかにボーダレス。そんな風に洋服も選べたら良いですよね。
今回は、印刷製本のディレクションを担ってくださっている(株)レーエの松下さんと、印刷工場の福田さんと一緒に製作の現場に行ってきました。
工場にお邪魔すると、さっそく大きな印刷機。
「CMYK」インクを一色ずつ刷り重ね幅広い色を表現します。
何枚か刷って色のデータ数値チェックと、必ず人の目によるチェックが行われます。問題なければ量産スタート!
本作りは分業です。翌々日にまた違う工場を訪れました。刷った紙を折る作業へと進みます。
折り•留め
印刷した紙に折り目をつけ、重ねていく工程です。センサーが乱丁や落丁が無いようしっかりと見張っています。
次は、ホチキス留め。パラスパレスのブックは白いホチキスを使っています。実はこの色つきホチキスがあまり使われておらず、加工ができる機械を探しこちらの工場に依頼をした経緯があるそう。
裁断
お次は裁断です。耳をバッサリとカット。落とされた端がぶわーっと降り積もる様が面白かったです。
さて、ここからは場所を変えて、松下さん、福田さんにお話を伺いました。
福田さん:工場見学も済みましたし、お茶でもしましょか。
パラスパレススタッフ(以下表記:パ):是非!あそこのコメダ行きましょう!
松下さん:いいですね、コメダ!
福田さん:コメダってコーヒー頼むと豆がつくの?へぇー!豆、食べよっか!
パ:名物なんですよー。
パ:今日は年末の忙しい中ありがとうございました。今の時期って、工場は繁忙期なんですか?
松下さん:長期休暇の前はやはり忙しいですね。
福田さん:年末は大体がっちゃんがっちゃんやってるね!血気盛んに!年内に仕上げてってのが多いですよ!(笑)あとは、年度末の3月納期が多いかな。予算を使い切らなきゃならないお役所さんとかね、来年の予算が取れなくなるしね。
松下さん:僕はそういう段取りをとったりする仕事なんですよ。
福田さん:松下さんはねぇ、詳しいよぉー!工場も何百回と見てるよ、いや何百はオーバーやな!
松下さん:いやー、100回は超えてると思います。200回くらいかな……。
福田さん:彼の性格とか、立場からしたらやはり見に行くでしょうね。
だからこそお客さんに詳しくしゃべれるんです。松下さんのお客さんは安心ですよね。
パ:はい、本当に頼りにしています。シーズンブックだけじゃなく、いろんな紙ものの相談に乗ってもらってるんですよ。
松下さん:持ち上げてもらってありがとうございます笑
福田さん:持ち上げてないよー!事実の話!右から左へさ、データを見もしないでよこす会社なんて山ほどあるんよ。僕らが質問しても答えられない。松下さんはそういうことは絶対にしない。
松下さん:レーエという会社の特徴にそういうところもあるんですよ。僕らは製造を持たないので、たくさんの協力先、製造先とお付き合いがある。僕自身ももう25年はこの業界に携わっているんですよ。
松下さん:しかし、アパレル業界で紙の冊子を作って頂くところって、本当に年々少なくなっているんですよ。十数年前は複数のブランドを担当していました。こんなに世間が紙をやらなくなってきている中で続けてもらえるのはありがたいです。洋服のものづくりや、ブランドらしさとして紙の冊子を残しているんだな、と感じているんですよ。
福田さん:…来年からどうなるかわかんないけどね!!!笑
松下さん:えっ!!笑
松下さん:まあまあ笑、でもSNS全盛期であっても、好きなブランドは紙で手元に残したいですよね、と伊藤さん(※)とも話してたんでですよ。
パ:そうですね、紙ならではの手触りとか記憶に残りますしね。ながく手元に残してもらえると嬉しいです。
会話から、お二人の仕事への姿勢、関係性が伝わるような楽しい時間でした。
春のシーズンブック、店頭にてお渡ししています。ぜひご覧ください。
取材協力:株式会社レーエ/株式会社スバルグラフィック
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