相手を「精神疾患」という箱に入れてはいけない。
オリジナル記事掲載日:2021年8月14日(一部加筆修正)
問題行動を起こしてしまう
本人さんだけでなく、
その周囲の人から
「どんな対応をしたらいいですか?」
「これで正解ですか?」
と聞かれる事があるんですけど、
大事なのは
「この病気の人には
どうしたらいいか」
という攻略法じゃなくて、
「“この人”は、何に喜び、
何を悲しみ、何に怒るのか?」
という、その人そのものを
理解しようとする気持ちだと
考えています。
いつの間にか相手を
「精神疾患という箱」に入れて
見ていませんか?
* * *
かつては自分の白黒思考に
悩んでいた私ですが、
自分が「グレー」を
大切にするようになってから、
「世の中って意外と
白黒思考なんじゃないか」
と思うことが多々あります。
確実な成功ルートとか、
最も効果的なやりかたとか、
無駄なく成果が上がる方法とか、
そういうのを求めすぎている
人が多いんですよ。
私が一番求められるのは
「境界性パーソナリティ
障害の治し方」や
「本人の症状が穏やかになる
方法」なんですけど、
「全員に100%確実に
これが効く方法」
なんか無いんですよね。
「同じ病気」かもしれないけど、
「同じ人間」ではないわけだから。
* * *
特に周囲の人によくありがちなのが、
相手を
「境界性パーソナリティ障害」
って箱に入れることです。
「その人そのもの」を
見なくなっちゃう。
「病気の人」
「病気の子」
って目で見ちゃう。
「そんなつもりありません!」
って言う人ほど、そうなっています。
私は自分が学んできた知識や、
自分の経験から考察して
得た情報をみなさんに
お届けしますけど、
そこから先、何をするか?
その人には一体、
「何が合う」のか?
を考えるのは、私一人の
仕事じゃないんですね。
「その人(その子)」のことを
よく知っているのは、
私じゃなくて
あなたじゃないですか。
実際に対峙するのは私じゃなくて、
あなたじゃないですか。
だから大事なのは、
「こういう行動が
正解か、不正解か」
「こういう行動が善か、悪か」
じゃなくって、
「それを受け取るその人は、
どういう気持ちになると思う?」
ってことだと思うんですよ。
でも、自分は普通だと
思っている人は、
境界性パーソナリティ障害の
思考傾向がまったくわからない。
(他の精神障害もですけど)
だから私は、そのヒントや
情報を出すんです。
「あなたの常識では
Aという行動は
愛情表現かもしれないけど、
彼(女)らの心の世界では
Aという行動は愛情と
感じられない可能性が高い」
という風に。
それを知って、じゃあどうするか。
どんな手立てが考えられるか。
一体どういうやり方をしたら、
彼(彼女)は
自分のやっていることを
愛情だと感じて・感じてくれるか。
私は個人カウンセリングなどで
「一緒に悩んだり考えたりする」
ことはできるけど、
「何を考え、これから何をするか」
を決めたり選んだりするのは、
あなたの仕事です。
私の仕事じゃないんですね。
だから私は、
「あなたの言った通りにやったのに
うまくいかなかったじゃないか!!」
って言う人が、
嫌いです。笑
嫌いって言っちゃダメかなーーー。
でも、イヤなんですよねーーー。笑
私はあなたのゲームの
攻略本じゃないんですよ。
大事なのは
「その行動」の善悪じゃない。
正解や不正解でもない。
「境界性パーソナリティ障害」
というカテゴリーを理解する
ことでもない。
「あなたがどうにかしたい
『その人』は、
それをされて、どう思うか?」
っていうのを理解しようと
することが大事だから。
私が話していて楽しいかたは、
相手のことを
「境界性パーソナリティ障害の人」
じゃなくて
「自分の大切な人(子)」として
その人本人をちゃんと見ているかたです。
ごきげんよう、さようなら。
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