人は「変われない」のではなく、「変わりたくない」

オリジナル記事掲載日:2020年9月20日

アドラー心理学っぽい話ですが、
自分の経験も交えて
「人は変われないのではなく、
変わりたくない」話を
書こうと思います。

「変わりたい」「変わらなければ」
と言いながら、
ずっと変わらない人は
あなたのそばにいませんか?
もしくは「自分自身がそうだ」
という方もいらっしゃるかも
知れません。

* * *

“変われない”その人は、
こういう風に
言うのではないでしょうか。

「歳をとってしまったから」とか
「性格を変えるのは難しいから」とか
「家族が〇〇な価値観だから」とか
「仕事が忙しいから」とか
「お金がないから」とか。

確かに歳をとると
「頭が固くなる」と言いますね。
生まれ持った性格も変えられません。
家族の価値観も変えられません。
仕事が多いのもお金がないのも
一見仕方のないことのように思えます。

ですが、一番
“変われない”理由は
「おそろしいから」です。

今の自分から変わってしまったら、
周りの人間関係が崩れそうで怖い。
恋人や伴侶が逃げ出してしまうんじゃ
ないかと思って怖い。
今の仕事を失くしてしまいそうで怖い。

長年「この自分」でやって来たのに、
今更「まったく別の自分」になっても、
どうやって過ごしていいのか
わからなくて怖い。


「今の自分」だから
大目に見られていることを、
もう許してもらえなさそうで怖い。

しかし「怖い」なんて弱音は
とても言えない環境にいるので、
いろいろと理由を並べるんですね。

年齢、性格、他人、仕事、金銭。

人間はどんどん年老いていくだけで、
若返ることは不可能です。
「若作り」はできますけどね。

「苦しい自分から変われないこと」を
「歳をとっているせい」にしてしまったら、
後に残っているのは絶望です。
これから歳をとることしかないですからね。

だからわたしはかつて、
死のうとしていたのでしょう。
「若返る」ことができないなら、
死んで生まれ変わり、
「若い自分」になってやり直したかった。

輪廻転生が本当にあるか
どうかもわからないので、
そんなものはただの口実で、
「ただ苦しい人生を
今すぐ終わらせたかった」
だけかもしれません。

* * *

「性格を変えようとする」というのは
そもそも根本からズレています。
苦しむ人が幸せになるために
変えるべきなのは性格じゃないんですね。
変えられることができるのは「思考」
—物事の受け取り方や見方です。

“性格を変える”というのは、
自分に合わない度のメガネをかけて、
「見えにくい」「くらくらする」
と苦しんでいるのに、
目玉を取り替えようと
しているのと同じです。

目玉が取り替えられないように、
性格も取り替えられません。


取り替えるべきはメガネのレンズです。
あるいは、実はもともと視力がいいのなら、
メガネをかけるのをやめてしまえばいい。
メガネ(レンズ)=思考、ということです。

わたしもまた、
「自分の性格はダメだ」と思い込み、
それをまったく別物に変えようと必死でした。

わたしが歪んでいたのは「思考」だったのです。
思考や受け取り方を変えてみれば、
ダメなはずのわたしの性格は
ひじょうに「いい性格」でした。
善人という意味ではないですよ。

図太く、臨機応変で、
他人がわたしを悪く言っても気にしない。
「生きるのに都合のいい性格」ということです。

* * *

わたしは、「変われない」人を
責める気持ちはありません。
ただ「ああ、怖いのだな」と思います。

恐怖に打ちひしがれ、
自分の手で体を抱いて
小さくなっているであろう
その人を想像します。

それはかつての自分の姿を思い出させます。
あの頃のわたしが
「変化」に対して抱えていた恐怖は、
すべて杞憂(きゆう)だったのに。

だからわたしは、
「変われない」と悩みながら
わたしを頼ってくる人には、
まず「恐怖を取り除く」
お手伝いをしようと思います。

しかし
「ああ、この人は、
『変わらない』ことを
強く決心しているのだな」
と感じたら、距離を置きます。


先述の「言い訳」を
ずっと使い続けている人です。
「歳をとったから変われないのだ」
「あの人のせいで変われないのだ」
「仕事が」「お金が」

そう思うならそれでいいのではないか、と思います。
人の生き方に「正しい」とか
「間違い」とかありません。
意識の高い人は
「変われ変われ」と言うけれど、
変わることが必ずしも正解ではない。

そんなにも怖いのなら、変わらなくてもいい。
それもまた一つの人生であり、生き方です。

* * *

この記事を読んでいるあなたが
どういう立ち位置にいるのかはわかりません。

もしもあなたが
変われないままでいる人の
そばにいてイライラしたり
苦しんだりしているのなら、
その人と距離を置けばいいと思います。

その人が変わるかどうかは、
あなたの努力とか技術とか
性格とかとはまったく関係ないので。
「あなたの対応がダメだから
その人が変われない」のでは
決してありません。


その人はさまざまな事情で
「変わらない」ことを強く
決心しているだけなのですから。

* * *

もしあなた自身が
「変わりたい」と思いながら
変われないことに悩んでいる人なら、
以下を受け入れることを
オススメします。

・本当は変わりたくない自分
・変わらなくても、
すでに充分「OK」な自分


そんなことには納得できない!
自分は変わらなければならない!
というなら、
「何がそんなに怖いのか」
自分の中に降りて
探してみてください。

あなたは何かがとても怖くて、
「変わらないでいる」ことを
選んで(望んで)いるのです。


その恐怖に向き合う
勇気がないのなら、
別に逃げてもいいのです。
「変わらないままの自分」でいたらいい。
誰も責めません。
その方があなたの人生にとっては
安心で安全なのだから、
逃げることを選んでもいいのです。

むしろ、その恐怖をぶっ壊して
「変われた」わたしの方が
異常者なのかもしれませんよ。

「なんでお前は変われないんだ」
と怒る人間が近くにいたならば、
そんな人とは縁を切ってしまえばいいです。

自分を苦しめる人間と
一緒にいる必要がないのは、
「変われない人」も
「変われない人の隣にいる人」も
同じです。

どうしてそこにいるのですか?
あなたはその人から、
逃げ出してもいいんですよ。

* * *

もしもあなたが、それでもなお
苦しい人と一緒にいるのだとしたら。

ちょっとキビしいことを言いますが、
「自分の人生がうまくいかないのを
全てその人のせいにしたい」

のかもしれません。

わたしは長い間、
「うまくいかない人生」を
全て他人のせいにして生きてきました。

だからその「生き方」もわかります。
過去のわたしもまた、
その時はそうすることでしか
生きられなかった。
だからその生き方も間違いじゃないのです。
わたしの過去が、間違いじゃなかったように。

何を選ぶかは自分次第です。
わたしのやったことが「正解」なわけじゃない。
わたしの好きな、こんな言葉があります。

“誰も信じるな。おれも信じるな”

あなただけの「合う生き方」を見つけてください。
あなたにとって、心地よい人生と、生き方を。
わたしの言うことなど別に信じなくていい。
わたしの言葉がもしも心地いいと感じたなら、
信じてみたらいい。

けれど最終的には、
「選択した自分の責任」です。

ごきげんよう、さようなら。

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