「相手が認めてくれないのは、自分の努力が足りないから」は間違い
オリジナル記事掲載日：2020年10月13日
相手が認めてくれないのは、
相手が変わってくれないのは、
すべて自分の努力が足りないせいだと
思い込んでいる人が多いのですが、
自分を責める必要はありません。
相手は、自分の勝手で
あなたを評価したり、
言動や行動や考えを
決めているからです。
＊ ＊ ＊
「あの人が病気を治す気に
なってくれないのは、
私の努力が足りないからでしょうか」
「頑張っても頑張っても、
上司が私を認めてくれないのは、
私の能力が元から低いせいなんです」
「すべて彼女の言う通りにして
頑張っているのに、
彼女の情緒不安定が治りません。
あとは一体何を気をつければ
いいんでしょうか」
「私の努力が足りないから、
彼は結婚してくれないんだと思います」
こういうご相談を
ひじょ〜〜〜〜〜によく受けます。
ストレートに申し上げると、
あの人が病気を治す気にならないのも、
上司が私を認めてくれないのも、
彼女の情緒不安定が治らないのも、
彼が結婚してくれないのも、
「あなたのがんばり」とは
まったく関係のない問題です。
多くの人は
「自分が頑張りさえすれば、
この苦しい現状が変化するはず」
「現状が変わらないのは、
自分の努力が足りないからだ」
と考えています。
(わたしの中にもそういう考えは
あるんですけどね)
たしかに、自分の努力次第で
変わる現状というのはあります。
しかしそこに「相手」が入ってくると、
話は大きく変わってくるのです。
わたし達が「自分のがんばり」
によって変えられるのは、
「自分の問題」だけです。
「相手の問題」は変えられません。
＊ ＊ ＊
最近、カウンセリングでよく
こんな質問をします。
「全然がんばっていないのに、
なぜか自分を好きになってくれたり、
認めてくれた人は
今までいませんでしたか？」
「逆に、ものすごく頑張っているのに、
なぜかずっと自分を嫌ってくる人や、
態度が悪い人はいませんか？」
今のところ100%で
「います(どちらも)」
と答えられています。
前者は、人によっては
「いない」という方も
いらっしゃるかと思いますが、
「自分を好意的に思って
くれている人に気づけていない」
場合もあるので、
そこはとりあえず置いておきます。
「相手がわたしを好きになるかどうか」
「相手がわたしを評価してくれるかどうか」
「相手がわたしの行動を見て
考えを改めるかどうか」
は、相手が勝手に決めることです。
そこに「わたしのがんばり」は
関係ありません。
“生理的に嫌い”って言葉がありますよね？
もしあなたの近くに
“生理的に嫌い”な人がいたら、
その人があなたのために
いくら頑張ろうとも、
あなたはその人を好きになれないはずです。
＊ ＊ ＊
心の弱い人は、
“自分勝手に人を好きになったり
嫌いになったりする自分”が
許せないし、
その罪悪感から逃げるために
「あなたが〇〇したせいで、
私(僕)はあなたが嫌いになったんだ！」
と言います。
あなたが気遣ってくれなかったから、
あなたが努力不足だったから、
自分はあなたを嫌いになったのです、と。
そんなのはただの罠なので、
聞く耳を持つ必要はありません。
あなたは自分を責めなくて大丈夫です。
人は自分の勝手で人を嫌いになりますから。
自分が頑張ろうが頑張るまいが、
相手が「気に入らない部分」に
注目し始めたら、嫌われます。
相手から嫌われないために、
相手から評価されるために、
努力しながら生きるのは無意味です。
だって相手はわたしの努力など関係なく、
勝手に「いい」とか「悪い」とか
決めるんですもん。
＊ ＊ ＊
じゃあどうすれば
いいかというと、
「それを踏まえて、
自分はどうしたいか？」
をまず考えるのです。
「私がどんなに努力しても、
あの人は病気を治す気にはならない。
それをふまえて、私はどうしたい？」
「私がどんなに努力しても、
上司は私のことを認めない。
それをふまえて、私はどうしたい？」
「私が頑張って頑張って
彼女の言いなりになり続けても、
彼女は一生変わらないとしたら、
私はどうしたい？」
“相手もいつか私のがんばりに気づいて
変わってくれるはず”
という期待があるから苦しいんですね。
わたしが頑張っても頑張っても頑張っても
相手はまっっっっったく変わらないとしたら、
さてあなたはどうしたいんでしょう？
その答えがはっきり見つかったら、
だいぶん楽になるんじゃないかな〜
と思います。
「選択肢」が見えますからね。
「相手が何にも変わらなくても、
自分のために、
自分がそうしたいからがんばりたい」
のだとしたら、
その努力は良い方向性の努力です。
相手は何ひとつ変わらなくても、
自分の中では必ず“変化”が起きるでしょう。
そして
「自分のためにした努力」によって
「自分のために起こった変化」は、
必ずあなたを幸せにします。
ごきげんよう、さようなら。
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