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境界性パーソナリティ障害は「愛されたい」病気である

オリジナル記事掲載日:2019年7月8日

私はかつて、
境界性パーソナリティ障害
(別名:境界性人格障害
またはBPD、ボーダー)
という精神障害を抱えていました。

現在は「寛解」といって、
症状が穏やかな状態になっています。
というか、全盛期に比べたら
ほぼ何も症状が出ていません。

寛解した私が
あの病気のことを一言で表すなら、
「境界性パーソナリティ障害とは
『愛されたい病』である」

と表現します。

* * *

私と「境界性パーソナリティ障害」
との関係を簡単に説明します。

まず高校生の頃に心療内科で、
「境界性パーソナリティ障害の
疑いがある」という診断を受けました。

正式にこの精神障害の
診断を受けたのは、
それから約15年後の
31歳になる年です。

ただ、自分の体をカッターで切りつける
「自傷行為」が10歳で始まったので、
おそらくその年から
発症していたと考えられます。

なので私は、
境界性パーソナリティ障害の
病歴を話すときは
「25年くらい境界性
パーソナリティ障害でした」
と説明します。
(34歳くらいでだいたい寛解したので、
 厳密に言えば24年ですね)

* * *

私は「死にたい」とか
「消えたい」とか
「復讐したい」とか
さまざまな感情を抱えて
病気の時期を過ごしていました。

しかし過ぎ去ってみれば、
すべての感情の裏にあったのは
「愛されたい」
「不安にならない愛情が欲しい」
だったんじゃないかな、と思います。

境界性パーソナリティ障害の
特徴として、

・他人に見捨てられる不安が常にある

・他人をコントロールしようとする

・抑えられない強い怒りが出てくる
(感情の浮き沈みが激しい)

・これまで大好きだったものが
 突然大嫌いになったりする

・自分を殺したいと思うくらい
 自分に対して怒りや嫌悪がわいてくる

・自分を痛めつける行為に依存する
(自傷、過剰な飲酒・薬・性行為など)

・いつも虚しく、生きづらさを感じる

などが挙げられるかと思うのですが、
これおそらく全部

「自分は愛されていないと感じる」
「自分には人に愛されるような
価値がないように感じる」

からだと思うんですよね。

自分が無理やり動かさないと
誰にも愛してもらえないと
思っているから、
他人をコントロールしようとする。

愛されたいのに、
愛されるような人格の
自分ではないと思っているから、
それが許せなくて自分を殺そうとする。
生まれ変わったら、がんばらなくても
愛される人間になれるかもしれないから。

私は境界性パーソナリティ障害に限らず、
精神疾患・障害を寛解するきっかけは

“自分の病気のすべての
根元になる感情
(本来の目的)を知る”

ことだと考えています。

なんだかわからないけどいつも死にたい、
なんだかわからないけど自分を傷つける、
なんだかわからないけど浮き沈みが激しい、
では、おそらく9割くらいの確率で
快方へ向かわないと思うからです。
(9割は適当に言いましたが、
 個人的には10割くらいの気持ちです)

さて、これを読んでいるあなたが
BPD当事者なのかそれを支える
パートナーなのかはわかりませんが、

「本当は、いったい誰に愛されたいのか」
「自分はどんな形の愛を求めているのか」
「どうしてそれが欲しいと思うのか」

というのを考えるのは、
ひとつのヒントになるかもしれません。

私は、インターネット上で
境界性パーソナリティ障害を
完全に寛解した人を
自分以外に見たことがありません。

なのでこのブログでは、時々少しずつ
「寛解(快方)へ向かうためのヒント」
書いていければと思っています。

ごきげんよう、さようなら。

※この記事は自身の経験と、
境界性パーソナリティ障害関連の
文献を読んで得た一般的な
知識をもとに構成しています。
すべての罹患者さんに当てはまらない
可能性もありますので、ご注意ください。

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