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境界性パーソナリティ障害の「試し行動」を止める対応とは?

本家ブログがハッキングを受けWordpress卒業を決めたので、人気記事をnoteに移転する企画です。
このオリジナル記事の投稿日は、2019年9月7日でした。

* * * 本文ここから * * *

愛され続けていたくて
見捨てられないかいつも不安、
そんな境界性パーソナリティ障害が
起こす過激な「試し行動(試し行為)」。

前回の記事では
「試し行動を起こす心理」
について解説しました。

こちらの記事では
「周囲がどういう対応をすれば
試し行動を止められるか」
について解説していきます。

前回の記事はこちらからどうぞ。
境界性パーソナリティ障害の彼女は「試し行動」をする

ちなみにこれを書いている人は
“元・当事者”です。
現在は寛解(※)しました。
※症状が穏やかになること

そもそもなぜ「試し行動」をやめない?

自分に自信がないからです。
(ズバーン!)

自分が永遠に愛してもらえるような
価値のある人間だと思えない
し、
いつも見捨てられる
おそれがあるので、ずっと
「まだ好き?」
「まだ愛してる?」
って試します。

「いやいやいやお前、
そんなんしてるから
見捨てられるんやで!」
と冷静に考えたら
思えるんですけどね。

そんな冷静な判断ができたら
精神障害になんてなるだろうか?
いや、ならない。(反語)

「試し行動」を悪化させるNG対応

試し行動を止めるための
OK対応の前に、まずは
NG対応から参りましょう。
あなたの今の行動、
当てはまっていませんか?

●キレ返す、叱る
感情的な対応をすると
本人もよけい感情的になります。
難しいとは思いますが、
あくまで冷静に。

●無視
見捨てられるのが
死ぬほど嫌なので、
悪化します。

●要求にすべて応える
「過激な試し行動」のお陰で
相手は自分の言うことを
聞いてくれるんだな、と
“無意識に”判断します。

結果、「試し行動」が
やめられなくなります。
(要するに悪化)

「試し行動」を徐々に減らすための対応

当事者だったら
「自信を持つ」が一番ですが、
(わたしの場合はカウンセリングで
そういうワークをやってもらいます)

周囲の人の対応だったら
以下のような感じですね。

●自分の感情を冷静に伝える
「その行動をされるのは
すごく嫌だ」と冷静に伝えます。

ここで注意するのは
「やめろ」と否定するのではなく、
「私は嫌だ」とか「悲しい」とか
あくまで自分の感情を伝えること。

「やめろ」って言うと余計やるので。

●「大切に想っている」ことを伝える
ここ、最重要項目です!!

自分の「嫌だ」「悲しい」を
伝える時には、必ずあわせて
「あなたのことは大事に想っている」
「あなたのことは本当に好きだ」

などのメッセージもしっかりと
伝えましょう。

ただ「嫌だ」とか
「悲しい」だけ伝えると
「嫌われた! もうだめだ!!」
「私のことを見捨てるんだ!!」
と思ってパニックになるので。

●すべての要求に応えるのをやめる
NG行動に書きましたが、
試し行動をする人からの
すべての要求に応えていると
症状がよけい悪化します。

あまりにも無理なことを
言っている時は、
「申し訳ないけど、
その要求には応えられない」
「でもそれは、
あなたが嫌いだからとか、
どうでもいいからではない」

とはっきり伝えてください。

(応えられそうな小さい要求なら
叶えてあげてもいいと思いますよ。
「ハグして〜」とか)

「ここまではできる。
でもここからは無理」

というのを冷静に説明する
必要があります。

最初は不満げだったり
怒ったりすると思いますが、
症状が和らいでくると
だんだん逆上したり
しなくなります。
(少なくとも私はしなくなった)

●ボディタッチで混乱をおさえる
もう子どもと変わらんやないか
という感じですが、
なんだかんだ言って
ボディタッチは有効です。

抱きしめてあげたり、
手を握ってあげたりしながら、
相手の話を聞いたり
自分の意見を言ったりしてください。

混乱している時に
性的なボディタッチは
やめてくださいね。

「体しか興味ないんだ」
「しょせんその程度の価値なんだ」
って思っちゃうので。

……とはいえ、
上記をやったらその日からすぐ
「ハイ、試し行動やめました〜!」
ってなる訳じゃないので、
根気強さも必要になりますね。

周囲の協力で、寛解がグッと近くなる

周囲の人がちゃんと
対応したからといって、
境界性パーソナリティ障害が
治るわけではありません。

寛解するには、どうしても
「本人の治そうという意思」
が必要になります。
それがないのなら、
多少は暴れる回数が減っても、
基本的に心はつらいままです。

ただ、もし当事者さんが
「病気を治そう」
「もう治したい」
と思っている場合は、
周囲の協力によって
寛解がグッと近くなります。

そういう当事者さんに対しては、
「本人も病気と闘ってるんだな」
「こっちもつらいけど、
本人もつらいんだ」

と思ってあげてください。

がんばって対応し続けて
もう疲れてしまった時や、
どうにもならん時は、
当カウンセリングへどうぞ。

当事者さんからのご相談も、
当事者さんを支える方からの
ご相談も承っております。

※現在、「当事者さん本人と
連絡が取れなくなっている」
方からのご相談をお受けするのは
中止しております。ご了承ください。

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みなさんの日々が少しでも早く
おだやかになりますように。
ごきげんよう、さようなら。

* * *

※わたしはカウンセラーをしておりますが
精神科医ではありません。

この記事は自身の経験と、
境界性パーソナリティ障害関連の
文献を読んで得た一般的な
知識をもとに構成しています。
すべての当事者さんに当てはまらない
可能性もありますので、ご注意ください。

境界性パーソナリティ障害について書いた有料noteはこちら


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