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怒鳴る・試し行為・自殺未遂など問題行動を起こす娘へ、母親ができる対応策

この記事は「境界性パーソナリティ障害」という精神疾患について書いた記事です。

タイトルにある
・怒鳴る
・(愛情の)試し行為をする
・自殺未遂をする

などは、境界性パーソナリティ障害の症状としてよく挙げられるものです。

といっても境界性パーソナリティ障害は誤診が起きやすく、似たような精神疾患がいっぱいあるので、上記の症状だけですぐ「境界性パーソナリティ障害だ!」とは言えません。

※境界性パーソナリティ障害がどんな病気かという詳細は、下記URLの無料欄をご覧ください。

しかし私がどれほど自分の経験を語り、言葉を尽くしてわっかりにくい専門書の診断判定をわかりやすく解説しても、「あの人は境界性パーソナリティ障害に違いないです!」と全然そう見えない人を素人判断で誤診する人が後を絶ちません。

やめてください。病院で診断してもらってください。
まあ病院も誤診するんですけどね……(私も2〜3回くらいされました)。

とはいえ病院の誤診より怖いのは、素人が思い込みで精神病だと判断することだと思っているので、とにかくやめてください。
「ぽいな〜」「そうかも…」くらいでとどめておいてください。

ちなみに心理カウンセラーは病名診断をしてはいけないことになっているので、私に対して「こうこうこういう症状があるけど、どうでしょうか!?」と聞くのもやめてください。病院行ってください。

◆お気づきかもしれませんが、この記事は辛辣です

冒頭を読んだだけで勘のいい方は薄々お気づきでしょうが、この記事は今からとても辛辣なことを書く予定です。

ちなみに私は「母親」ってすごい存在だと思っています。
自分の母親に限らず、地球上に存在する全母親が、です。

自分が妊娠・出産・育児をしていないので、それをやってきている人たちは素直に「凄い」と尊敬するのです。自分にできないことをできている人たちは全員、私が持っていない才能を持っていると思います。

なのでもし「誰でもやってることだし」「多くの人がやってることだから凄くないし」「私よりもっと凄いママさんいるから、私なんか全然凄くないし」などと思っている人がいらしたら、今すぐその考えを改めてください。
あなたは凄いのです。

少なくとも、心理学を勉強して自力で精神病を治して今やカウンセラーを漫画業と兼業しながらやっている私より、その点では凄いです。
そう言われるとなんか凄い気がしてきません? しない?

しかしそれほど「母親ってすげえ」と思っている私ですら、この記事の構想を頭の中で練っている時は、自分が精神病ど真ん中だった頃、母親に対して持っていた憎悪がどんどん込み上げてきました。

その憎悪を思い起こしながら記事を書くので、おそらく辛辣になるだろう、と踏んでおります。

◆愛と憎しみは紙一重

ちなみに現在の私は、母親と仲が良いです。好きですし尊敬しています。
先日も2人でコースランチを食べに行きました。おいしかった。

その私ですら、病気当時を思い出すと母親への憎悪が噴き出すのです。

ならば。今この記事を読んでいるあなたを悩ませる、境界性パーソナリティ障害らしき症状の出ている娘さんは、どれほどの憎悪をあなたに持っているでしょうか。

酷い言葉をぶつけられるでしょう? 酷い態度を取られるでしょう?
その源泉が憎悪だと思えば、納得いくほど。

しかしながら「愛と憎しみは紙一重」とよくいったもので、そこまでの憎悪を母親のあなたに対して持つということは、娘さんはおそらく、本当はめちゃくちゃお母さんを愛していらっしゃるのです。

いや、本人は「嫌い」と思ってますし言いますよ。私も小学生の時点で既に「お母さんは遊び人だから嫌い」とか言ってました。
けれど今思えば、私は完全にマザコンでした。

お母さんが大好きだったので、お母さんから愛されたかったのです。
いや、正確に言えば、「私の望む愛し方をして欲しかった」のでした。
かつての母も、確かに私に愛情を持っていました。

しかしその愛情表現が「私の望む愛し方」ではなかったので、私は「母は私を愛していない」「私以上に愛している者がいるので、私なんかどうでも良い」と思ってしまったのです。

私はその認知のゆがみが、自分が精神疾患になってしまった沢山の原因の中のひとつだと考えています。

境界性パーソナリティ障害の発症原因は、未だにはっきりと解き明かされていません。母親との愛情交換がうまくいかなかったからかもしれないとか、遺伝もあるかもしれないとか言われておりますが、どれも定かではないです。

なのでもしあなたがそういった文献を読んで、「自分のせいで娘が精神疾患になってしまったんだ」と思ったのだとしたら、もちろんそういう部分もあると思いますけど、完全にそうではないとも言えます。

しかしながら、自分に何かできることがあるなら、自分が何かして娘の心がラクになれるのなら、何でもしたいと思ってあなたはこの記事に辿り着いたのでしょう。
そういうあなたにまずお伝えしたいことがあります。

◆娘の病気を治すため、母親にできることなど何もない

いきなり辛辣な話になりますが、娘の精神病を治すために母親にできることなど何もありません。

私もこれまでカウンセラーとして、当事者の周囲にいる人たち(パートナー、友人、家族など)のさまざまなご相談を受けてきました。

「巴さんのお母さんは何をしてくれましたか」「どんな対応をしたら巴さんは良くなったのですか」などの質問もたまに聞かれますが、母が気をつければ気をつけるほど、私の病気は悪化しましたよ。

私はこう考えます。
母親に限らず、当事者の身近にいる彼ら彼女らに必要なのは

新たに何かやることを付け加えるより、今やっていることをやめる

だと。
元当事者の人間としてお話を聞いていると、正直「そんなことするから悪化するんや」と思うことが度々あります。

しかしながらみなさん、あくまで良かれと思って、善意でやっていらっしゃるのです。たゆまぬ努力をして。

そんな人に対してカウンセラーの私は、「そんなことするから悪化するんや」とはとても言えません。
(たまにマイルドな言い方でお伝えすることもありますけど)

なので、ここに文章で書くことにしました。

一体あなたの何が、娘さんの異常状態を悪化させているのか。
自分自身が持つ24年の疾患経験と、約4年のカウンセラー経験を融合させて、「そんなことするから悪化するので、それをやめましょう」の一例を書いていこうと思います。

もちろん私は人をコントロールする能力などありませんし、基本的に他人の人生をどうこうしようという気がないので、ここに挙げられたことを「やめない」選択もできます。というか、していいです。

自分なりに考えて必死に努力した結果、やればやるほど娘さんの症状が悪化し、どうして良いかわからずネットの海を検索し、やっとの思いでここに辿り着いたことと思いますが、だからと言って私の言うことを鵜呑みにする必要はありません。私は別に神様じゃないですからね。

参考意見として聞いて、熟考して吟味して、どれをやるか・やめるかを、自分で考えてみてください。

1.誰かの言いなりになるのをやめる

ということで冒頭文とつながる内容ですが、誰かの言いなりになるのをやめましょう。私の話も全部聞く必要ないです。
「人の話を全く聞かない」のも問題ですが、何事も過剰なのが良くないので、人の話を聞きすぎるのも問題なんですよね。

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