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14年も描いてきて何にもならなかった「ネコトバ。」という作品について

中学2年生の時に、
白黒はちわれ模様の
キャラクターを作った。
当時オタクだったわたしは
当然のように同人活動をしており、
みんな「代理キャラ」と
いうものを持っていた。

自分の代わりに自分として
話してくれる「代理キャラ」。
わたしにとってはそれが
その白黒ぶちねこだった。

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小5からカッターで手の甲などを切って
完全に精神病だったわたしは
いつも鬱屈した気持ちを抱えていた。

きっかけはうろ覚えだけど、
その鬱屈した気持ちを
「私」がそのまま言うよりも
「かわいいネコ」に言わせたら
いいんじゃないか、と思った。

「私」が言うと角が立つ言葉でも、
この猫が言えばマイルドになる。
そして生まれたのが「ネコトバ。」だ。

このサイトを開く前から
「ネコトバ。」は描いていた気がするけど、
(高校生の時点・1999〜2000年頃
すでにサイトは持っていたから)
もはや記録に残っていないので、
ネコトバの歴史は「2006年」から
始まったことにしている。

サイトを立ち上げた数年後、
15歳年上の友人が
「あれは売れ。売った方がいい」
と言ってくれた。
そして「ネコトバ。」は
値段のつく商品になった。

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最初はとある観光施設内の
小さなお店で
直筆のポストカードを
販売していた。

手書きなので一度に数枚しか
納品できないこともあり、
ポストカードは出すと
大体すぐ完売した。

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そのさらに数年後、
「ネコトバ。」をたまたま
ネット検索で見つけた方から
「女性声優のボイスドラマCD
ジャケットを描いて欲しい」
と依頼がきた。

それが「ね語方言」だ。
その後、「ね語男子」という
男性声優シリーズになり、
そのジャケットも担当した。

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(いま人気のスナネコをこの頃から
すでに描いていたので感慨深い)

シリーズは第21弾まで続いたが、
色々あって終了した。

それでもCDジャケットの絵を
担当したのだから、
「ネコトバ。」もいずれ
どうにかなるだろうと思っていた。

しかし完全にやる気がなかった。
「ネコトバ。」を
売った方がいいと言ってくれ、
ね語方言やね語男子のジャケットを
大喜びしてくれた友人が、
2012年に急死した。

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しばらくがんばっていたが、
2013年初めに色がなくなった。

元々よく生死を
テーマにはしていたが、
生と死を行き来するような
絵ばかり描くことになる。

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死ぬほど死にたかったが、
死んではいけないと思った。
わたしはその友人に
文字通り命を救ってもらったから。
彼女がいなければ23歳で死んでいた。

生きなければいけないと思った。

その内だんだん元気になってきて、
色が戻ってきた。

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2015年の作品。

これはもう最近の絵だけど、
今ではこんな絵も描ける。
 ↓

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ただ、だんだん
「何者かにならなくては」
という意識がうすれてきた。

いつからか
「ネコトバは趣味で
描き続ければいいじゃないか」
と思った。

収入を得られる仕事は
別にあるし、
そもそも14年もの間に
「ポエム+動物の絵」
なんていう作風は
死ぬほど出てきた。

今さらわたしが
どうにかなれる訳もない。

しかし少し頑張って、
グッズなどは出してみた。
(自費出版で)

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色々、本当に色々出したけど、
星見かおるさんと一緒に作った
このタロットカードが一番売れた。
ありがたい。

※上の写真をクリックすると
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わたしの言う
「何にもならなかった」
とはなんだろう。

学生時代に「ネコトバ。」を知り、
社会人になっても
今も好きだと言ってくれる
方もいる。

昔サイトを見ていた方が、
何年かぶりに検索したら
まだ描かれていて
安心した! と言われた
こともあった。

ずっとずっと好きで、
何かあるごとに
周囲の人へ布教している、
という方もいる。

わたしの作品は生き続けて、
しかも誰かの心にも残っている。
今もなお刺さり続けている
人もいる。
「何にもならなかった」
とはなんだろう。

出版社から
書籍化しなかったことか。
グッズが全国展開
しなかったことか。
Twitterでバズらなかったことか。

確かにそうなっていれば
うれしかったかもしれないけど、
そうならなくてもわたしは
描くのをやめなかった。

「描くのをやめなかった」のは
それだけで価値が
あるように思える。

そんなことを考えていたさなか、
今まさに
「何かになりそうな」
流れになってきていて(実は)、
しかしまた
「少しだけ盛り上がって
それで終わるかもしれない」
という気持ちもある。

そうなったとしてもやはり、
わたしは描き続けるのだろうけど。

* * *

そんな感じですが、
もしよかったら
14年も何にもならなかった
「ネコトバ。」を、
今知ったあなたに
応援してもらえたらうれしいです。

これからも何にもならないかも
しれないし、
あなたも途中で
飽きてしまうかもしれないけど、
それでも「出会った」ことは
無駄じゃないと思うので。

長文を読んでいただき
ありがとうございました。
ごきげんよう、さようなら。

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