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14年描いて何にもならなかったネコトバが15年目に書籍化した話

継続は力なり、とはよく言ったもんだと思います。
14年描いて何にもならなかった拙作「ネコトバ。」が15年目にして書籍化しました。しかも出版社(学研プラス)様からです(自費出版ではなく)。
2021年8月26日(木)に発売します。

あ、タイトルは「ネコトバ。」じゃなくて「疲れたら休めばいい、ということが何故こんなにもヘタクソなのだろう。」です。
書店員さん泣かせの長いタイトルです。

* * *

昨年の9月、「14年も描いてきて何にもならなかった『ネコトバ。』という作品について」という記事を書きました。
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実は書籍化自体は1年前から決まっていたので、この記事を書いた時にはもう既に“何かになることが決まっていた状態”でした。

なので正確には「13年も描いてきて何にもならなかったネコトバ、14年目に書籍化決定して、15年目に書籍化発表」なんですよね。
でもしょうがないじゃない、1年前には「まだ言っちゃダメ」って言われてたんだもの。

あと「無名である」状態を残したくて、あえてこの記事を書いたというのもあります。他にも意図はありますが、それはまた別の話。

* * *

通常、無名の人間がスターダム(書籍化)にのし上がるには、以下いずれかの条件が必要です。

1. バズる
2. 既に有名な人に取り上げてもらう

3.フォロワーが万単位になる

他にも色々とあるとは思いますが、とりあえず私は1〜3のうちどの条件も満たしていませんでした。

※一応ややバズったことはあるんですけど、作品そのもののバズりではないし、万バズりまでいきませんでしたからねー…。
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1〜3の条件を満たすために「毎日自分の作品をコツコツ投稿する」みたいなのもあると思いますが、ネコトバに関してはそれもしていませんでした。
平気で1年くらい描かなかった時期もあります。

ネコトバ書籍化に至る道筋の中で、私が唯一やった重要なことは「描くのをやめなかった=この作品の存在を消さなかったこと」だと思います。
毎日描かなかろうが、1年描かなかろうが、私はこの作品の存在をずっと残し続けていました。

他のものを描いていても、他の活動をしていても、いつでもここ「ネコトバ。」に戻ってこられるように。

インターネットのごく一部の人間しか知らなかろうが、ファンが少ししかいなかろうが、私は不定期に新作を描き続けていました。

他の人と比べたことがないので分かりませんが、おそらく10年、いや5年、いや1〜2年でも日の目を見られなかったら、多くの作家さんは「その作品を諦める(見限る)」んじゃないかなと思うのです。

ここ数ヶ月、ネコトバとは全然関係ない作品で出版社に持ち込みをしたりしていたのですが、そこでも「プロの作家さんは他の作品と少しでも設定がかぶっていたら、その設定自体を見直すか、その作品を諦める」と言われました。

とにかく14年もその作品にしがみついたりしない訳です。

とはいえ、私も特にこの作品や設定にしがみついているつもりはありませんでした。ただ「有名(全国区)になるのはもう諦めよう」という確固たる決意はありました。

昔から知っている人、たまたまこの作品に触れてファンになってくれた人、そういう「インターネットの極一部の人たちが好きなだけの作品」であろう、と決意したのです。

もし私が「有名になりたい! 全国区になりたい!」と思い続け、なおかつ「そうならない作品はダメだ!」と自分にダメ出ししていたら、きっと途中で心が折れていたでしょう。

こういうのをパラドックスというのかは分かりませんが、私が全国区の書籍化へ至るにあたって一番必要だった心は、「私は凡人である(全国区にはなれない)と認めた」ことだったのです。

私は凡人で全国区にはなれない、と認めたから、何にもならなくても14年描き続けられた。
そして、14年描き続けられたおかげで、書籍化(全国区)になれたのです。

いやあ、人生というかこの世の理はひねくれていますね。
だからこそ面白いのですが。

* * *

「自分は凡人だ、何者にもなれない」ことを受け入れがたい人を時々お見かけします。何でもいいから、たったひとつでも何事か為したい、と。

もしこの記事を読んでいるあなたがそうなら、とりあえず「ただひたすら続ける」というのをやってみたらどうかな、と思います。

「継続は力なり」という言葉は本当にバカにできなくて、私は身をもってそれを知りました。凡人の私でも、14年描き続けていたら、15年目に書籍化です。しかも天下の学研さんで。

友人に「池上彰と同じ出版社から本が出るってすごくない!?」と言われました。そこ!!??

でも今思えば、私が「思いついた時だけたまに描く」とかではなくて、「毎日1枚ネコトバを描き続ける」とかやっていたら、14年もかからずに書籍化したんじゃねーか、という気もします。笑

とはいえ飽き性なので、ネコトバ1本だけを描き続けていたら絶対に途中でやめたくなっていたし、そんな目標を掲げていたら絶対に心が折れていただろうし、まあ、これはこれで私に合った夢の叶え方ということで、いいんじゃないでしょうか。

ごきげんよう、さようなら。

★過去のネコトバ作品はこちらで見られますよ↓

★サイト掲載作品もありますが、新規書き下ろしネコトバや漫画もたっくさん描きました。本文なんて全部書き下ろしです。
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