思ったほど健常者はメンヘラのことを気にしていない
※健常者やメンヘラという呼び方にひっかかる人もいるでしょうが、他の短くてわかりやすい表現がないので便宜上こう呼ばせてもらいます。
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境界性パーソナリティ障害という精神障害の寛解から早6年。
いわゆる健常者の方々が、メンヘラに対してどう思っているかを直接見る機会が増えました。
私自身メンヘラだった頃、「周りの普通の人たちは、些細なことで私を嫌いになるから気をつけなきゃ!」とあたふたしていたものです。
しかし観察していた結果、メンヘラ側が思っているほど健常者側はメンヘラのことを気にしていないんだな、という事がよくわかりました。
健常者の人々は些細なことで嫌ったりしないし、逆に好きになりもしません。
メンヘラ側の言動や態度や行動ですぐ嫌いになったりすぐ好きになったりするの、同じメンヘラだけです。
健常者の方々は「大変だねー」とか思ってるし心配もしたりするけど、一定の距離を保ってるんですよね。
◆距離詰めがちなメンヘラがいたらスッと後退する、それが健常者
メンヘラのほとんどが長文の鬼LINEとかするじゃないですか(偏見)。
精神疾患の寛解直後は「あんな長文鬼LINEとかしてたら、そりゃ嫌われるわ……」と思っていたんですけど、意外と健常者側の人々は長文鬼LINEとかしてもすぐ嫌ったりしません。
「うわ〜…」って引くことは引くけど。
あと周囲の友達とかに「やばいLINEきた」って教えたりするけど。
考えてみたら健常者がなぜ健常者でいられるかというと、こうやって周囲の人々へ自分に起こったことを気軽に話せるからなんですよね。
メンヘラって自分の悩みや困りごとを周囲の人になかなか話せないじゃないですか。私もでしたけど。
そうやって自分の中に溜め込んでいくから、メンがヘラっていくんですね。
そして健常者の人は、長文鬼LINEに対して短く簡潔に、適度に距離を置いた返信をします。
突き放したりはしないけど、過剰に親身になったりもしません。
私は自分がとびきりのメンヘラだった頃、
「真面目にこちらも長文で返事してあげなきゃ……」
「ヤバそうな人に感じるけど、まだそんなに話したことないし、第一印象だけで決めるのは失礼だよな……本当はいい人かもしれないし、ちゃんと親身になって返信しなきゃ……」
とか思っていたんですよね。
そんなことを真面目に思うのは同じメンヘラだけなんだ、ということが最近になってよくわかりました。
寛解から6年経った最近の私は、「依存されそうだなー」と感じたらめちゃくちゃ簡潔に返信するようになっています。
(場合によっては簡単な返信だけでも依存されることがあるので、いっそしない時もあります)
もちろん仕事上では長文の返信をしたり、気のおけない仲間達とついつい盛り上がって長文LINEを送り合ったりもしますけどね。
それ以外のところでヤバそうな長文LINEとかきたら即座に後ろ飛びで距離を置きます。まあそんなLINE送ってくる人も最近はそうそういないのですが。
◆メンヘラ同士は惹かれ合う
そもそもメンヘラが「すぐ嫌われてしまう!」と怯えるようになった原因って、過去自分がやった些細なことで嫌われたりハブられたりしたことがあったからですよね。
この記事の冒頭にも書きましたが、他人の些細な言動や態度や行動ですぐ嫌いになったりすぐ好きになったりするの、同じメンヘラだけです。
私も小中学校の頃の「すぐ嫌いになってきたヤツ」を思い返してみましたけど、40歳の自分が冷静になって俯瞰して見てみると、向こうもメンヘラなんですよね。
他の記事にもよく書いているんですが、やっぱりメンヘラ同士は惹かれ合うんですよ。スタンド使いはスタンド使いにひかれ合うように(byジョジョ)。
健常者の人々に嫌われないようにしたいのなら、一番いいのは「嫌われるんじゃないかと過剰に気にしすぎるのをやめる」ことです。
みんなそんなにすぐ嫌ったりしません。メンヘラじゃないから。
けど、メンヘラ側が「嫌われるんじゃないか、嫌われるんじゃないか」って過剰に気を使いすぎると、健常者の人たちは困っちゃうんですよね。
べつに嫌ったりしないけど、困っちゃう。
困った結果、距離を置いてしまうだけなんですが、メンヘラはそれを「距離を置かれた!! 嫌われた!!!!!!!!!」と早合点するんですね。
嫌ってないんですよ、別に。
◆自称健常者が多すぎる
自分のメンタルがわかりやすくヘラっていると、周囲の人がみんな「普通の人」に見えません?(何をもって普通と言っているかはさておき)
私はかつてそう思っていました。
メンヘラになり始めてから30年、いろんな人々と出会ってきて改めて思うのは、「自称健常者が多すぎる」ということです。
というか“狂人は自分のことを正常だと思っている”言い伝え通り、「自分はまともだ!」と過剰に主張している人ほどヤバい人が多いな、という所感です。
この記事を読んでいるかたは「自分ってメンヘラだな……」と思っている当事者さんが多いんじゃないかと思いますが、自覚があるだけまだ大丈夫ですよ、あなたは。
過去のクソヤバメンヘラだった自分を「まじで危険だったなー」と長年思っていましたが、40年の人生で「一番危険なのは、メンヘラ自覚のない自称健常者」だと思い直しました。
◆自分がそうだから周囲も同じと思い込んでいた
メンヘラは「みんな違ってみんないい」を頭で理解できても実感ができていません。私もそうでした。
自分が持っている価値観はみんなも持っていると思っています。
というか、そうであって欲しいと強く願い過ぎた結果、思い込んでしまっていると言ってもいいでしょう。
だから自分と違う価値観や考え方に出会うと激怒するんですね。
まあその辺は別の話ですが。
周りにすぐ嫌われると怯えている人は、実は自分自身が「他人をすぐ嫌う人」なのです。
嫌うだと激しすぎるので、「苦手に思う」くらいがいいかもしれませんね。
メンヘラは大抵、他人のちょっとした言動・態度・行動を見て「あの人はきっとこういう人だろう」と決めつけます。
そのうえで「あの人、苦手だな」と思うわけです。
精神的な問題行動の中に「否定的な自動思考をしてしまう」というのがあるのですが、マイナス思考・感情的決めつけ・結論の飛躍は7つある否定的な自動思考の中に数えられているんですね。
そしてメンヘラに限らず、大多数の人は「自分がやっていることは、他人も同じようにやっているはずだ」と自分と他人を同一視しています。
※同一視についてはこちらの記事もご参照のこと↓
自分が些細な材料で他人を決めつけ、苦手だと判断するので、「周囲の他者も同じように自分を品定めしているに違いない」と思い込んでしまうんですね。
そのうえ幼少期や若い頃に、同じように些細な材料で自分を嫌ってきたメンヘラ(あるいはメンヘラ予備軍)と出会っているので、「あの人がこうだったから、きっと全員そうだ!!」と更なる決めつけの上塗りをしてしまうのです。
ていうか、私も長年ずっとそうでした。
だから今、メンヘラじゃない人たちと多く交流するようになって、ビックリしているのです。
「あれ、健常者の人たちって、こんなにメンヘラに興味ないの?」って。
良くも悪くも、健常者の人々はメンヘラのことを気にしていません。
些細なことで嫌いにもならないし、好きにもなりません。
かつてメンヘラだった自分に言ってやりたい。
「そんなに気にされていないから、もっと肩の力を抜いたほうがいいよ」って。
「仮に細かく気にしてくる奴がいたら、そいつもメンヘラだぞ」って。
ごきげんよう、さようなら。
◆私が過去患っていた境界性パーソナリティ障害について
こちらの記事冒頭をご参照ください↓
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