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境界性パーソナリティ障害

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境界性パーソナリティ障害(BPD)関連の話を書いた記事をまとめています。当事者さん向け・周囲の人向け色々あります。
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2020年11月の記事一覧

「死にたい」のではなく、消えたかったあの頃のわたし

かつてのわたしはやたら 「死にたい」と言う女だった。 今思えばわたしは 死にたかったのではなく、 消えたかったのだと思う。 死ぬのは死体が残って迷惑になる。 わたしと出会った記憶のある人が悲しむ。 吸血鬼が日光に当たって灰になるように、 わたしは消えたかった。 まるで映画の物語のように、 消えた後はわたしのことを みんな誰も忘れてしまうと いいと思っていた。 これから先何十年も 「生きづらい自分」を抱えたまま 生きていくのが絶望的だった。 そして、わたしは過去の失敗を頭の

「自分を苦しめるあの人」から離れられないと思い込んでいないか

人間は周囲の人間の影響を受けやすい。 心理カウンセリングなどやっていると、「急に感情が爆発したり死にたくなったりする、この感情の起伏をなくすにはどうしたらいいですか?」という相談をとてもよく受ける。 話を聞いていると、大概「恋人が暴言を吐いてくる」とか「家族が自分を全否定してくる」とかで、「感情を平坦にする方法を探すより、その恋人(家族)と離れる方法を探した方がいいのでは?」と思ってしまう。 まあ、それを言ったところで「でも……でも……」となり、「いかに離れられないか」

境界性パーソナリティ障害になって良かったこと

昨日の記事で触れた、「境界性パーソナリティ障害になって良かったこと」をまとめます。 わたし自身は、小学5年生の時におそらく境界性パーソナリティ障害を発症し(心療内科で疑いをかけられたのは高校生の時)、そこから24年の時をかけて克服・寛解しました。 ※寛解(かんかい)…症状がほとんど出ないくらい穏やかになること。 わたしの記事を沢山読んでくださっている方はもう耳にタコができるくらい上記のことをご存知だと思いますが、初めてこの記事でわたしを知る方も多いと思うので、念のため。

境界性パーソナリティ障害の「寛解」ってどういうこと?どういう状態?

2017年4月。 「境界性パーソナリティ障害が寛解(かんかい)した気がする……」と思い、「境界性パーソナリティ障害になってよかったこと」という記事を書きかけました。 現在この精神障害で苦しんでいる真っ最中の方は、「いいことなんてひとつもない」「一寸先は闇」状態だろうなと思ったので(過去のわたしがそうであったように)、なんか、ちょっとした希望になればいいな、と思ったからです。 しかし、それまでに何度も 「目の前の霧が晴れた!」  ↓ 「やっぱりダメだった!」 を繰り返してい