神戸→広島 パレスチナ連帯ツアー
パレスチナを知るキーワード送付係の疋田(ひきた)香澄です。
先週末、神戸やその周辺地域の人々で広島に行ってきました。
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神戸はジェノサイドに抗議する大きな団体さんはあまりなく、個人で呼びかけているアクションが多いのが特徴です。また、参加者も7~8割が今回初めて社会的な活動をしている方々です。個人がゆるく対等に、良い距離感で繋がっています。
今回はたまたま電車で、「広島のVIGILや原爆ドームに行きたいね」という話になり勢いでツアーを組みました。神戸日曜デモの私たち、ナクバデーのデモ等を主催しているグループ、大阪で映画上映会などをしている方々がメンバーでした。
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私が旅程表を作成し、半分冗談で持ち物に「プラカード」とだけ書いたのですが、どなたも突っ込んでくれませんでした。当たり前のように、各自大量のプロテストグッズを持参していました。
待ち合わせ場所で、パレスチナのTシャツやスイカグッズを身に着けている人々を見て、すぐに仲間だと分かる安心感がありました。
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広島に着いて牡蠣のランチを食べてから、すぐに原爆ドームへ伺いました。私は広島に来たのが初めてなのですが、実際に原爆ドーム近くを流れる川を見て「ここが苦しむ方々が入った川なのかな」などと思いを巡らせました。
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その後、広島平和記念資料館に伺い数時間かけてじっくり展示を見ました。簡単には感想を書けないのですが、破壊された広島の町の写真と現在のガザの町の写真が重なって見えました。
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その後は、近くのフリースペースで感想を共有するワークショップを行いました。私は「民間人が大量に殺されているという意味で、広島とガザは繋がっている」「福島の公営の資料館に比べたら、広島は起きた事実を展示している」くらいの浅い認識でした。
しかし他の方々の「歴史的文脈が排除されて悲劇の物語という形だけで描かれてしまっている」と言う意見に、ハッとさせられました。
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以前、イスラエルの人たちが旅行で原爆ドームや資料館をよく訪れると聞いたとき、「いま自分たちの政府や軍がジェノサイドを起こしているのにどんな気持ちで見るのだろうか」と不思議に思いました。最近「イスラエルの人たちは原爆の被害者と自分たちを重ねているのだ」と広島の方から教えてもらい、やっぱり被害者視点なんだと少し納得しました。
(以前書いた記事:殺されることについて、殺させない意味について ―イスラエルによる虐殺―)
今回展示を見た上で他の方の意見も聞いて、「日本も、原爆の加害者がアメリカであることや日本の加害といった歴史的文脈を見えなくしてしまっている。だからイスラエルの人たちは、原爆の被害者に自分を容易に投影できるのかもしれない」と理解できました。
私個人は資料館の展示を見ながら、遺族の方々がどんな思いでお子さんの遺品を寄贈したのかなと考えたりしました。原爆によってご家族を13人殺された方が、40年間慰霊碑を掃除していたという説明も印象に残りました。
その後も人間はあやまちを繰り返しているけれど、絶対それを許してはいけないと改めて思いました。あやまちを繰り返さないために行動すること。それが「悲劇の物語」としてHIROSHIMAを消費しないために必要だと感じました。
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夕方からは、ずっと参加したかったSaturday VIGILに参加しました。
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とにかく音楽とコールが格好良かったです。思っていたより優しい雰囲気で居心地が良く過ごせました。数十分座って見ている観光客の方々も多くいました。
原爆ドーム前で「Free Palestine(パレスチナに自由を)」の声を聞くことで、一人一人の心に強くメッセージが刻み込まれるのかではないかと思いました。平日のVIGILは毎日スタンディングしているということで、本当に意義深いし、広島の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいになりました。
Saturday VIGILの後は、広島の方々と神戸組で交流をさせていただきました。お忙しい中ありがとうございました。
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直接会ってお話できると一気に分かり合える部分があるなと思いました。
広島の平和祈念式典へのイスラエル参加への抗議についても、連帯していきたいです。
せっかく広島市まで来たので本当は庄原のスタンディングにも伺いたかったのですが、日程調整ができず残念でした。神戸でもクィアの方々が頑張って下さっているので、すごくありがたいなと思っています。
ガザ侵攻から9ヶ月も経ってしまいました。この一文を書くだけで悔しくて涙が出ます。帰りの新幹線でも「色んな人や地域と連帯して、それだけで満足していてはいけない」という話になりました。
長年この問題に取り組んできて下さった方々は、直接パレスチナの方々と繋がりがあることも多いと思います。全国各地に呼ばれたり期待されたりしながらものすごく疲労されているのではないでしょうか。
10/7以降に関心を持って動き出した方々も疲れていると思います。私自身も2歳さんの子育てと仕事と活動との両立が限界だと感じることがあります。
けれど、ジェノサイドを当たり前にしたくない。見過ごさないで抗議する人たちがいるんだということをちゃんと示していきたい。
ときどき「みんなジェノサイドが起きていても平気なのかな」と不安になることがあります。デモをしたり、今回のように他の地域の方々と交流することで、「ジェノサイドに反対している人は一人じゃないんだ」と人間に希望が持てます。
社会的な活動はケア労働と同じく、ほぼ褒められることがありません。むしろ批判されるばかりです。ジェノサイドを止められず罪悪感と無力感はつのるけど、「私たち頑張ってるよ!何とか関心を持ち続けてえらいよ!微力ながら行動してるし素晴らしい!」と、私は身近な人たちと褒め合うようにしています。
この記事を読んで下さった方も、関心を持ち続けてくださってありがとうございます。あなたはとても頑張っています。必要な時は休んでください。そしていつかまた一緒に、パレスチナ解放のためにともに歩みましょう。