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人的資本の開示は流行なのか?

人事まわりでは「流行りもの」があります。最近では、「ジョブ型」「リスキリング」あたりでしょうか。そしてもうひとつ、「人的資本の開示」が挙げられます。
 
「これも流行りものでしょ。どうせそのうち忘れられるよ」
なんて言葉が聞こえてきそうですが、必ずしもそうではないかもしれません。

なぜ、人的資本の開示が求められるのか?

先が読めない混沌とした社会情勢の中、投資家が企業価値を向上させるための手段として人的資本に注目しはじめたのがきっかけです。
それを追いかけるように、2020年、米国証券取引委員会が人的資本の開示を義務化しました。ここが大きな転機と言われています。
日本では2023年度にも、有価証券報告書に記載することを義務づける方針のようです。
 
とはいうものの、そもそもどのような情報をどの程度、どのような方法で開示すればよいのでしょうか?
 
ここでひとつ参考になるのが、国際標準であるISOのガイドラインです。
 
実は私は、ISO30414(人的資本の開示に関する国際ガイドライン)のアセッサーの資格を有しています。そういうと、「なんだ、営業か」と言われてしまいそうですが、違いますので安心してください(笑)
 
さきに述べた理由を見ると、なんだか追い詰められて仕方なく開示する・・・という印象をもたれるかもしれません。その一面がないとは言いませんが、もう少しポジティブな理由もあります。
 
先行している米国では、企業価値に占める無形資産(人材、特許、ブランド、技術、データなど)の割合が9割に上ります。日本企業は3割程度です。(2022/9/30 日本経済新聞電子版)
見方によっては、日本企業はまだまだ伸びしろがあるように見えます。人的資本の開示を積極的に進めることで、投資家との対話強化につながります。さらに、「よりよい職場」を求める人材を惹きつけることにもつながります。
 
ここで大切なのは、開示するデータに一喜一憂しないことです。ISOのガイドラインもデータの結果だけでなく、「少しずつ改善している傾向」などを見ていますのでご安心ください。

人的資本の開示を「一時的な流行」として聞き流すのはもったいないですね。投資家やステークホルダーとの中長期的な関係を向上させる戦略としてみた方がよいでしょう。
 
次回以降、もう少し個別テーマを見ていきましょう。

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