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残業はなぜ減らないのか?

この時期になると、半期の決算が見えてきて、人事面では「部下評価」を行っている企業も多いでしょう。そこで、議論のひとつとしてよくあがるのが時間外労働(残業)です。
 
昨今、ワークライフバランスの拡充とあわせて生産性の向上を経営課題にあげている企業は多いです。働き方改革ですね。
とくに、在宅勤務が増えてからは、生産性の向上に加え、業務の見える化あたりも話題になります。
ジョブスクリプションという言い方をする企業もあります。
 
さて、生産性の向上を旗印に、皆さんがお勤めの会社では残業は減っていますか?変わらないという会社がほとんどではないでしょうか?なぜ、残業は減らないのでしょうか?
今回はふたつの側面で見てみたいと思います。 

残業が減らない理由①

 一つ目は単純です。残業代がもらえるからです。非管理職の場合、給与とは別に支給されますので、目に見える増収材料です。「残業が減れば収入が減る」となれば、上司から目を付けられない程度に適度に残業をしたいというのが本音でしょう。
ここを切り込むのは、法的側面、労働者側との合意などの側面から、結構ハードルが高いです。

残業が減らない理由②

実は二つ目が根幹です。残業をしないで早く帰ると、上司から「暇そう」とみられてしまうからです。
暇そうとみられた結果、さらに仕事を振られて忙しくなるのが嫌なのです。だから残業をして忙しいアピール=仕事を振らせないようにするのです。
いくら日中に集中して仕事をこなし、生産性を高めても、上司から暇そうと思われては本末転倒ですよね(日本企業ではやる気がないみたいに思われることも…)。
でも、職場ではこういう目に見えない事象が起きているのです。皆さんも心当たりあるのではないでしょうか?

では、どうすればいいのか?

生産性の観点で指標化します。多くの会社では、例えばセールスパーソンの評価をする場合、1年間の売上がいくらか?という指標を算出します。その場合、分子が売上で分母が1年です。
 (例)1年間の売上2000万円の場合、2000万÷1年=2000万円/年
これが評価の材料になります。

しかし、ここで生産性の観点を入れて、分母を1年間の労働時間にしてみます。多くのフルタイム勤務者はだいたい毎年2000時間くらい働いています。(人事部に確認すればすぐにわかります)
そうすると先ほどの式の分母が2000になります。
 (例)1年間の売上2000万円の場合、2000万÷2000時間=1万円/時
 
もうお気づきですね。残業が多い人は分母が大きくなります。残業が少ない人は分母が小さくなります。つまり、時間当たりの生産性が高い人が見分けられるのです。
 
このようにして、生産性を見える化すれば、生産性が低い人は、残業を減らす工夫をするでしょう。そうしないと評価が上がらないわけですから。
 
このnoteを読んでいる人の中には、評価する側の人も多いでしょう。残業が減らない部下に頭を悩ませているのなら、参考にしていただければ幸いです。

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