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虚虚実実

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奴隷

【質問_あなたはいい奴隷ですか?】  はい →いいえ 【質問_あなたはあなたの役割を、十全に全うしましたか?】  はい →いいえ 【質問_あなたは汝の隣人を、肉親を愛しますか?】 →はい  いいえ 【質問_何を望みますか?】 →………… 【質問_あなたに意見を言う権利はありますか?】  ない →あってほしい 【質問_あなたは奴隷ですか?】 →はい  いいえ 【では、あなたはあなたの役割を、十全に全うしましたか?】  はい →いいえ 【選択肢】  断頭台  鉄塔

    • 鉄塔

      鉄塔に登ろうとした。結論から言うと登れなかった。 子供たちがいる休日、雨の日で、家の中で遊べることと言えばそんなに頭を使って知育になるような遊びをすることもなく、息子といろいろなゲームをして遊んでいた。息子の好きなゲームで時たま開催されるイベントに一緒に参加したり、私が子供時代に遊んだゲームをここはどうしたらイベントが発生するのか調べたりしながら遊んでいた。 すごくすごく、些細なことだった。シンクにあった洗い物を、半分洗ったよと言われた。はんぶん。はんぶんはやったから、後は

      • セブンスターくん

        元彼の一人に一か月か二か月そこら付き合っていた男がいる。 オタク趣味で気が合って顔がよかったという理由だけで付き合った気がする。あとは自分自身が喫煙者であるため一緒にいる人間も喫煙者である方が気楽なため、その男も煙草を吸っていた。以下、男が吸っていた煙草の銘柄からセブンスター君と呼ぶことにする。 セブンスター君は付き合い始めてすぐ友達と沖縄旅行に行っていた。こんな感じだよと海の写真が送られてきたのを覚えている。ここからすでに伏線が張られていた。 セブンスター君は就活が上手

        • ささん

          うちの二人目の子供で長女のことを「ちゃーちゃん」と呼んでいる。私なりに無意識にそう呼ぶようになった思い当たりはあるのだけど、きっかけはどうだったか忘れたということにしたい。 私は実家暮らしで実母とも同居なので、母は孫娘のことも可愛がっているのだけど、あだ名である「ちゃーちゃん」という名前はどうしてそう呼ぶのかと母に尋ねられた。どうしてだったかなあ、なんてはぐらかしていたのだけど、母が言うには、「ちゃーちゃん」という呼び方はあまり嬉しくない。 なぜかと聞いたら、昔話をする時の辛

          行きたい世界

          行きたい世界 ゲームの中の世界に行きたかった。遊びに行ける友達の家もない。自分から話しかけるのは画面の中のNPC。私を認識していて、ゲーム世界の一部として機能しながらキャラクターを開示してくれるから相互のやりとりがある。視覚で認識して、情報を受け取って、こんな生き物、人なんだと自分なりに理解する事象であることに、現実もフィクションもない。有機的な存在と、画面に映るもの、どちらも存在していることに違いはない。 現実で行きたいところがない、正確には画面の中の移ろい以上に自由が

          行きたい世界