映画館でスクリーンじゃなくてお客さんから目を離せなくなった話
広報の蒔苗(まかなえ)です。
仕事をはじめた当初の話です。
わたしたちの仕事はざっくりいうと、
映画をみんなが一緒に楽しめるようにする仕事です。
この日は、劇場公開作品の鑑賞会。
一番下っ端スタッフの私は、観ていいよ~と言われ、タダで映画が観られるなんてラッキーと思いながら、はじっこの席に座りました。
はじまると、もう映画の世界に没入してしまい、
気がついたら、グスグスと涙。
おっと、仕事中でした。スタッフである私としたことがすいません、と、
横目でちらっとお客さんのほうを見ました。
混雑した休日の、シネコンの最前列。
ゆるい曲線を描いて並んだ座席だから、
私のはじっこ席から同じ列のお客さんたちの顔が見えます。
ほとんどの人が泣いてました。
一番私に近いおじいちゃんも、ハンカチで目を抑えていました。
私はこの光景を今でも覚えています。
何しろビックリしたのです。
今日は視覚障害のある方と一緒に観るバリアフリー上映会。
スクリーンが見えなかったり、見えづらいお客さんは
イヤホンをして「音声ガイド」を聴きながら、映画を観ていました。
スクリーン見えなくても、泣けるの?
え、「音声ガイド」で泣いてるの…??
気になってしまい、映画には失礼ながら、チラチラお客さんを確認しながら観ました。
ちょっと笑える場面では、自分と同じタイミングで笑っていたこと。
クライマックスも私と同じように歯を食いしばるような表情。
終わった後も、私が感じたのと同じような感想を話してたこと。
今となっては、こんなことにビックリした自分に驚きます。
映画は目で観るものだと思い込んでいました。
バリアフリー上映 音声ガイド用ラジオ貸し出しの様子
わたしたちの仕事はざっくりいうと、映画をみんなが一緒に楽しめるようにする仕事です。
目が見えない、見えにくい人は、「音声ガイド」を利用して映画を観ます。
耳が聴こえない、聞こえにくい人や、オリジナルの音声がわからない人は、「字幕」を利用して映画を観ます。
当時は限られたバリアフリー上映会での対応でしたが、今ではアプリ「UDCast」などで、いつでも好きな劇場・好きな回で自分だけ「音声ガイド」や「字幕」が楽しめる作品も増えています。
次に映画館に行ったときは、隣に座るひとが白杖を持っているかも。
でも、目が見えなくても映画は観られるのでビックリしなくて大丈夫。
というお話でした。
はてさて、スクリーンを見なくても映画が楽しめるのはどうして?
「音声ガイド」っていったいどんなもの?
これからもこのnoteで紹介していきます!
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