見出し画像

【私の体験記⑧】睡眠薬・抗不安薬の離脱症状を知っていますか?気がつけば混沌の世界にいた【減薬・断薬】

※はじめに お読みください※

この記事は、あくまで一個人の体験談記です。
医療関係者による監修は入っておりません。

私のマガジン(ストレスで病気になった)に、初めてメンタルクリニックに かかった経緯や症状、経過をまとめています。前提として、ストレスにより出る症状、症状が出る順番や進行の仕方、速度は、人により様々であり、誰一人として同じ経過をたどらないことを、ご理解ください。

上記マガジンの記事④で少し触れた「処方薬を減らしたいと主治医に相談。指示どおりに減らすと体が恐ろしい事態に」が、今回の体験談シリーズの話になります。

センシティブな内容だと思いますので、読むことで不安な気持ちになりそうであれば、ブラウザバックしてくださいませ。
読み手の皆さまには、読まない自由があります。

お読みいただく際は、ぜひ、冷静に読んでいただけますと幸いです。

***

私は「ベンゾジアゼピン系薬」を医師に処方され、その処方量どおりに2年間常用していました。

そして、医師の指示どおりに減薬・断薬をしました。

その後に体験した(現在も体験している)「離脱症状」について、まだ一般的にはあまり知られていないのではないか? と思い、当事者として体験を伝えたいと考えました。

正直なところ、ネット上にあげることについては、ずっと躊躇していました。私の体験している事は、とてもセンシティブだと思うからです。

しかし、この辛い体験は、他の方にはして欲しくないという想い、願いが私にはあります。

なので、私は勇気を出して、現時点までの体験をネット上にアップすることにしました。

私はベンゾジアゼピンを知らない人間でした。自分で離脱症状を体験して、勉強して初めて知ったことが沢山ありました。
それをシェアできればと思います。

冒頭にも書きましたが、あくまでも一個人の体験談です。「私の身にこんなことが起こりました」という情報にすぎず、医学的・薬学的なアドバイスをするものではありません。この点は、あらかじめご理解ください。

【重要なお願い】
1.薬の自己判断での急な減薬・一気断薬は危険です。まずは主治医にご相談ください。
2.私は医療者ではありません。ですので、私は医学的な質問にお答えすることはできません。
3.この記事で得た情報からいかなるトラブルが発生しても、私は一切責任を持ちません。
4.この記事は投薬治療や精神科・心療内科での医療行為を全て否定するものではありません。

***

⑦(https://note.com/pajamas_de_alive/n/n2790922d79ed)のつづきです。

15.心境、考え方の変化

この3年間でいろいろな体験をして、そのたびに感情がグラグラ揺れ動きました。その経過を振り返ってみます。

●急減・断薬前:
・薬を飲み続けて、良くなってきていると思っていた。嬉しかった
・減薬するともっと良くなると信じていた。希望があった。

●急減・断薬後:
・離脱症状を体験。とても怖かった。混乱した。
・前主治医が離脱症状を否定。ショックと怒り。不信感。
・インフォームド・コンセントが十分でなかったことへの憤り、反省。
・なぜ自分で調べずに飲み続けていたのか、愕然とした、後悔した。

●減薬を決意した後:
・ベンゾジアゼピンに対する不安、減薬への焦り、離脱症状のトラウマ。
・離脱症状が苦しい。
・一生治らないかもしれない めまいへの絶望感。
・出口が見えない無力感。
・薬を飲み忘れる大失敗で自分を責めた。
・薬を飲み続けている自分が嫌いだった、罪悪感を感じていた。

●臨床心理士のカウンセリングを受けた後:
・今は仕方がない現状と、薬を飲んでいる自分を受け入れた
・過去の怒り、憤り、後悔などのマイナスの感情を認めて赦した
・失敗からストレスを減らす工夫をした。(減薬を焦らない、薬の量をキープして現状維持することも必要だと考えた。)
・離脱症状は冷静に分析するようにした
・苦しい離脱症状に対するマイナスの感情は、ありのまま受け入れた。自分に正直に
・人に頼り過ぎない、他人まかせにしない、人のせいにしないと決めた。
・人には協力してもらうスタンスに変えた。あくまで自分主体で動く。
・とにかく自分で考えてみる(当たり前を疑問に思う、自分で調べてみる)

●現在:
ベンゾジアゼピンの離脱症状の混沌の中で「自分を嫌いにならないようにするため」に、自己採点を甘くしています。

例)
・朝に起きれたから、私100点!
・今日はご飯をあまり食べられなかったけど、美味しいと思えたから、100点!
・10分間連続で歩き続けることができた! 私すごい!
・今日は症状が少しあったけど、生きてるから超ラッキー!
・寝付きが悪かったけど、ちょっとでも寝られたからOK!
・今日はnoteに記事をアップできたから、私200点!

上記のように「今日の私、最高だった!」と、自己満足しています。

理想の自分、昔の健康で活発に動けていた自分を想像してしまうと、現在の体調のすぐれない、動けない自分とのギャップが生じてストレスとなり、減薬の足かせになってしまうと考えています。

ストレスから自暴自棄になってしまったら、また負のスパイラルに入って出られなくなってしまう。そうならないように「今日の自分、良かったんじゃないの~」と思うようにしています。甘々です。

なので、道をふらふら歩いていても、吐き気であまりご飯が食べられない日があっても、なんかもう、生きてるだけでOKです。
急な減薬・断薬をした時点で、もしかしたら... でした。でも私は今生きている。すごく運が良かった。だから今はOKもOK、超OKです。

1日じゃなくて1か月って括りにすると「今月は順調に減薬は進められなかったけど、そういう時もあるから、全然大丈夫! 体調良くなったら進めばいいだけ~」そんな月もあります。
「前向きに諦めている」と言ったら変かもしれませんが、そんな割り切った感じです。

離脱症状が出ている最中は、苦しいことは覚悟の上なので「これも自分の体を使った人体実験よ。よくよく自分を観察して、冷静に対処するべし」と考えて、記録し続けています。
私は幼少期から実験が好きな人間なので、変な話ですが、これも自分にとって貴重なデータになるな... と思い始めています。ドMなんですかね。

離脱症状を体験してからの大きな心境の変化としては【他人のせいにして怒っていた、自分を責めていた→自分で考えてみる、出来ようが出来まいが自分を認める赦す(≒自分を信じる)】になりました。

また、ストレスが減薬の天敵ならば、自分でストレスを作り出すのではなく、減らす工夫をしてみるように変化してきました。

画像1

16.目的は生活の質の維持。断薬はあくまで目標

私が何のためにベンゾジアゼピンを少しずつ減薬して、断薬までたどり着こうとしているのか。

減薬中は、ついつい断薬すること自体が目的になってしまって、そこに固執してしまいそうになっていました。頭の中が「減薬しなきゃ、断薬がゴールだ」になっている状態。

でも、私が最初に減薬しようと思った時に立ち返れば、いやいや、そうじゃなかったよなって気がつきました。

前記事(5.ベンゾジアゼピンを減らしていきたいと思った)にも書きましたが、私が減薬しようと思った理由は、
①ベンゾジアゼピンは対症療法でしかないこと
②長期服用したところで良いことがなさそうなこと
③もし災害や緊急手術等でベンゾジアゼピンを急に止めざるを得ない状況になったとき、またあの恐ろしい離脱症状を経験する可能性があること
④そして何より、離脱症状が私の日常生活に支障をきたしているから
だから、減薬しようと思ったんです。

つまり「生活の質を維持するのが目的」です。ベンゾジアゼピンの断薬自体がゴールではなくて、私の考える日常生活が、ある程度支障がなく安定した状態にもっていきたい。「この生活まぁまぁよね~」って思える状態を維持したい。

ベンゾジアゼピンを長期服薬してたら、生活の質の維持どころか、質が下がるかもしれないので、減薬していきたい。

離脱症状が強くて床を四つ這いで移動して、ハァハァ動悸が止まらなくて、トイレに座ることもままならない状態じゃなくて。
ちょっとふらつきながらも歩いて移動できて、ちょっとドキドキはしているものの、トイレに座ることができる状態を、少なくとも維持したいんです。

... もうちょっと質を上げたいのは山々です。でも、願望が強すぎると現実との差で嫌になっちゃうので「ある程度生活できる状態を維持できてるだけでもOKでしょ」と考えています。

ここがブレなければ、計画通りに減薬が進まなくなって、薬量がしばらくキープ状態になっても「今、すごく辛いわけでもなく日常生活をこなせてるから、しばらく現状維持で様子見しよう」と、心にゆとりを持つことができます。減薬できない、そんな自分が嫌だってストレスを感じる必要がなくなるわけです。

だからこそ、薬とは程よい距離感でいたいです。ベンゾジアゼピンに超長期的にくっつきすぎたら結局は効かなくなってくるし、逆に焦って急に離れすぎても強い離脱症状に襲われるわけだし。

減薬中に、これは我慢できないぞって程の離脱症状が出てしまったら「ちょっと離れすぎたかな? 1回さっきの距離まで戻ろう」って、自分と薬との距離を測ってみる。
「今はベンゾジアゼピンと私はこの距離でいよう」と見極めて、生活の質(QOL)を維持すること(今回の場合は”身心の健康”が主)。

断薬は目標であって、目的ではない。
断薬は手段であって、ゴールではない。
減薬中は特に忘れないようにしたいところです。

仮にこの先、断薬を達成したとしても、その先にはまだまだ人生が続きます。ストレスでまた体調を崩すかもしれません。
その時には、生活の質を維持するためにはどうしたら良いか、自分の体を労わる方法は何かを、自分で柔軟に考えて決めることができる人間になっていたいと思っています。

クオリティ・オブ・ライフ(英: quality of life, QOL)とは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた『生活の質』のことを指し、ある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である。QOLの「幸福」とは、生きがい、身心の健康、良好な人間関係、やりがいのある仕事、快適な住環境、十分な教育、レクリエーション活動、レジャーなど様々な観点から計られる。(ウィキペディアより引用)


あとがきにつづく)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。