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近眼と眼鏡とスマホと私

一生のうちに、何個の眼鏡と出会い、
別れるのだろう。

私は小学校3年生のときに初めて眼鏡を作った。それから高校2年生までは、授業中に眼鏡をかけるくらいで、日々の生活では眼鏡は脇役だった。

ちゃんとした眼鏡っ子デビューは高校3年生。受験生のときだった。それから約20年弱。もう、眼鏡なしでは生きていけない。視力はだんだんと落ちていき、現在は左右ともに0.1以下。左右差があるし、片目は乱視だ。

眼科で処方箋を出してもらって眼鏡を作って、バッチリな眼鏡を作っても、そのうち合わなくなってくる。そうしたら気が変わって格安のデザイン重視な眼鏡が欲しくなって、簡易的な検査で作っちゃって視力が合わなくって、また眼科へ。そんなことを繰り返していた。

3年前に作ったのが最新の眼鏡。これが現時点で最も見える、しっくりくる眼鏡。

と、思っていた。先日までは。

👓

その先日のこと。

生まれて初めて、これが眼精疲労か! という状態になった。

症状がはっきり現れる前日の夕方ごろから、片目に違和感、少し痛みを感じ始めた。そして、症状がはっきり出た1日目は、起床時から目の奥(眼底)にズシンと鈍痛、その痛みが電流のように頭へビリビリッと走り、さらにその痛みから吐き気を もよおした。

これ、ヤバいやつやん!

眉間やこめかみをマッサージしてみるが、痛いだけ。

この、眼底の痛みはどうやって取ればいいんじゃろう。

とりあえず、パソコン、スマホは極力見ないようにした。日中は蒸気でホットアイマスクを着けてみたり、あずきのチカラを着けてみたり、顔の表面をつまんでみたりして、なんとか耐えた。

そして就寝時、頭を枕に預けたその時、首から後頭部にかけて(枕に触れた部分)にビシーッ! と激痛。
触れただけで痛いとは何事!? 

まじでヤバイかもと思って、寝た。(寝たんかい)

2日目は1日目同様の状態、プラス首、肩凝りが出始めた。痛みを和らげるために、目のまわり、おでこ、頭、後頭部、首、肩を入念にマッサージ&温めた。まばたきする時はギュッと目をつぶってみたり、目をグルグル動かしてみたり。筋肉をストレッチする感じで、痛みを散らそうと試みた。目だけで上を見ると眼底が痛い。あと、まぶたが重い感じがして、しっかり目が開いていないような気もする。まぶたを手で持ち上げると眼底が痛くなった。なぜ?

こんなんだから、パソコンとスマホの使用時間がかなり減った。その分の時間は部屋の掃除、片付けに当てた。物を持ったり動かしたりして肩まわりを動かせば、変な痛みが軽減されるかもしれないと思って。段ボールだらけの倉庫のような部屋が、ちゃんと部屋になった。翌日、肩まわりは本物の筋肉痛になった。

1週間後、片目の眼底痛はだいぶ治まってはいたけど、目の下がピクピクと痙攣を起こすようになった。目の筋肉のストレッチを謳う市販の目薬を差すと、片目だけ激痛が走った。なぜ? びっくりして、目薬が怖くなった。

その後も、どうも片目には違和感があるのが気になった。
会社員だったころの年1の健康診断で眼圧が高かったり、緑内障の疑いが出たりしていたので、それもあって久しぶりに検査してもらおうと思い、眼科に行った。

初診は毎度の検診から。
視力検査、眼圧検査(あのプシュッと空気が出るやつ、ビクッてするよね)眼底写真など もろもろやって1時間後。先生の診察が始まった。チャキチャキした関西の元気ハツラツなお母さんって感じの女医さんだ。はじめまして。お願いします。

どれどれ? と先生が目頭をキュッと押す。私はあまりの痛さに声が出た。

いてててて!

『あー、これでそんなに痛いのかあ。うん、かなりヤバいね』

まぶたを持ちあげて、目に傷がないかをチェック。

いでででで!

『相当やね』

この前、目薬を差したら激痛だったんですけど...

『うん、それは、眼精疲労よ』

お、そうなのか。やっぱり全部、眼精疲労だったのか。
そして、それを解決するには。

『眼鏡やね』

え、眼鏡?

👓

そう。眼鏡が合っていなかったのだ。

いや、合ってはいる。

「5メートル先の物を見る」のに対しては。

あのC(右)とかU(上)とかの視力測定で、両目の視力が1.0出るように眼鏡は調整してあって、バッチリ見えているのだ。

ところが、その合わせ方が、今の年齢と「生活スタイル」に合わないとのことだった。

そういえば、さっき不思議に思ったことがあった。

あのとかとかの、小学生のころからやってきた、毎度お馴染み慣れたもんよの視力検査の途中、手に「本」を持たされたのだ。目から30cmの距離に本を持ち、そこに書いてある文字が読めるかどうかを測定された。

私は、アレ? これって老眼の検査? と首をかしげた。もうすぐ40代。まぁ、そろそろそれに向けて目はアップし始めたころだとは思うのだが。

それと、もうひとつ引っかかっていたことがあった。病院に来て早々、スタッフさんに『パジャマさんは、1日何時間くらいパソコンとかスマホを見てます?』と聞かれたことだった。私は、トータルで7時間くらいは見てると思いますと答えた。苦笑いされた。会社員だったころは、仕事で8時間以上は見てたよ?

それと何か関係があるんかなあ、くらいには思った。

先生は、こう説明した。

『パジャマさんは毎日パソコンやスマホ見るんやろ? そしたら、遠くが見えるように度を強くした眼鏡で近くをずっと見るやなんて、目にとってはキツイわ。重し着けてマラソンしとるようなもんやで。目にずっと負担かかって、今こないになっとるんやで? せっかく近くのものが見える目なんやから、スマホ見るんには眼鏡の度は低くてもええやろ?』

た、確かに!

考えたこともなかったー!

遠くの物が見えるように調整した眼鏡で近くを見るって、なんか変じゃない? 私の目は、度の強い眼鏡越しに近くを見よう見ようと無理をして、疲労困憊だったわけか。年齢もあってピント調節力は右肩下がりだし。そりゃ、眼精疲労になるわけだわ。うわー、納得。(眼科に行ってよかったよ...)

『今は、若い人も遠近両用眼鏡を作ってるから、パジャマさんも考えてみてね』

なんてこった。

この3年間使っている眼鏡は、黒板を見たり、テレビを見たり、駅構内の電子時刻表を見たり、遠くにいる待ち人を見るには最適。しかし、スマホやパソコンを見るのには適していなかったのか。

そんなわけで、私は現在の生活スタイルに合わせた眼鏡を新たに作ることに決めた。出来上がるまで、スマホは裸眼で見ることにした。そうすると、なんとも目の楽なことよ。ごめんよ我が目たち。今までハードワークをさせていたね。

私は、もっと、自分の目に優しくならなければいけない。


(つづく)


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