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数年振りに自転車に乗った(乗れた)

自転車が暴風、雨、雪に耐えて耐えて限界をお迎えになられ、市の廃品回収車で私の元から去っていってから、私はバスで生活するようになりました。まぁ、チャリがなくてもなんとかなるから、しばらく買わなくてもいいかと思っていた時期に、私は体調がだんだん悪くなっていきました。めまいが毎日、1日中出ている状態。だから、自転車に乗るなんて怖くてできませんでした。そしてその めまいが治まるまで約8年かかることになるとは、想像だにしなかったのです。

3年前に、ほとんどのものが徒歩圏内で手に入る場所に引っ越しました。自転車すっかりご無沙汰な私。しかし最近、バスを頻繁に使わなければいけない状態になりました。すると、ケチ臭い性格が顔を出してきて、なんとか安く目的地へ行きたいと思うように。そんな私の目に入ったのが、レンタルサイクルやシェアサイクル。これ、いいじゃないか。目的地、時間、プラン。しっくりくるものを選べば、今より安くなる! 自転車を買うことも考えましたが、現在の環境を考えて所有ではなく、シェアを選びました。

これから乗る自転車を目の前に「うわあ、自転車や…!」と、味わい深さのカケラもない感想を心の中でつぶやいてしまうほどには久しぶりでした。ちゃんと漕げるかしら。ふらつきやしないだろうか。ドキドキ。私は前方左右に目をキョロキョロさせながら、恐る恐る進みました。後ろから来るチャリ少年が、私の遅さにイライラしているのを背中で受け止めながら、マイペースに。

目的地に到着して自転車を降りると、足がズシッと重たく感じました。チャリって結構な運動量なんだなあ。普段歩くことしかしない足に、片道2.5kmのチャリ負荷。普段動かさない筋肉が喜んでいました。私自身も、約8年ぶりに自転車に乗れたことが嬉しくて、ちょっとだけ泣きました。体が回復したことを実感し、ここまでよくがんばったなと自分で自分を褒めました。

そんでもって、その日はよく眠れました。肉体的にも精神的にも疲れましたね。また、小さな成功体験を積むことができました。新しいことにチャレンジする興味関心、意欲が戻っていることも感慨深く思いました。当たり前にできることの幸せに感謝です。