見出し画像

Pourquoi je suis revenue en France? / 戻ってきた理由

もう一度来るのに、何で時間がかかったのか。

私が初めてフランスに滞在したのは約10年前。当時学生ビザで5カ月滞在した際、すっかりフランスの魅力にハマってしまい、今度来るならフランス社会に身を置いて生活してみたい、と夢を抱いてフランスを後にしました。

帰国後、もう一度長期滞在でフランスに行たいという気持ちは周囲に伝えてあったものの、当時は大学3年時の春。私の場合は休学せずに済む方法で留学した為、(残念ながら交換留学ではありません)まずはストレートで卒業することが帰国後の目標でした。

その時点で取得している単位の数は多くも少なくもない状態でしたが、同学年の子が就活に向けて準備し始めている時に、私は1学年下の子と一緒の講義で単位を稼いでいました。

そんなこんなで卒業までに必要な単位を習得見込みに進めていく一方、就職すること自体を迷っていた時期でもありました。というのも、やはりもう一度フランスに行きたい。その思いが強かったものの、休学せずに留学した意味=ストレートで卒業できること、更に新卒という名で就活が出来るのはやはりブランド力が強いのではないかと考えていたからです。

もう一度フランスへ長期滞在するならワーキングホリデーで、と考えていた私は、大学卒業後にアルバイト等でお金を貯めてから行く、という工程がどうもしっくり来ませんでした。

というのも、実際に長期滞在時に周りのワーホリ勢を見ていると、海外では「外国人」である私たちにとって、生活を始める為に予想以上のお金がかかることを知りました。(家賃初期費用や銀行開設など) 海外で、特にヨーロッパで長期滞在をスタートする為には、絶対に資金は貯めて行った方がスムーズに、かつ安全に楽しめます。

このことから資金面を考えた際もプラス要素があると思えなかった為、ひとまず日本で社会人の経験をしてからもう一度フランスへ行こうと決め、日本での就職活動を始めました。

フランス滞在で食文化の影響を強く受けた私は、もともと興味のある観光分野と食の関わりがある仕事に就きたいと考えていました。そして運よく宿泊施設の飲食サービスに従事することが決定しました。(4大卒で飲食サービス?という意見は受け付けません。それぐらい本来は大切な仕事です!)

画像1

社会人その後


結果から言うと。私は新卒からの約8年間、長年飲食サービス業に従事してきました。途中、所変え、脱線した時期もありましたが。この業界は比較的誰でも挑戦しやすい代わりに、肉体的にも精神的にも物凄くハードで、相当な体力が必要です。入社3年以内に辞めていく方の割合はすごく多いと思いますし、実際に私を含め、周りの仲間たちも必ず病んだ時期がありました。

新卒から見ると、ただでさえ新しく覚えることが沢山あるのに、慣れない長時間労働で体力も消耗し、休みの日は寝て終わる、と言う生活が慣れるまでの1年間くらい続いていた気がします。それに、長時間労働=会社の仲間と一緒に過ごす時間がとても長い。私個人はここが結構しんどいポイントで、1人になれる時間がとにかくない。(笑) 今は長年の経験から、自分の考えを見つけたので克服済みです。(笑)

そしてもちろん今となっては業種、職種に限らずどのお仕事も当たり前に大変で、その苦悩を乗り超えたその先に、本来の仕事があるのだと理解しています。

こうして日本社会に段々染まっていくと、いつの間にかフランス行きの希望が遠のいていました。プラスに捉えると、それだけいつも目の前のことに全力で集中してきました。これは仕事面だけでなくプライベートが影響していた時もあります。が、なんだかんだ言って将来のことを考えた際、いつも頭の片隅にはフランス行きのことが常にあったんですよね。もやもやもや。

そんな中、仕事もプライベートも丁度いろいろと重なったタイミングで、ふとフランス行きのことを思い出しました。気付けばワーキングホリデーの年齢制限に近付いていて…しかも、なんと。フランスだけ何故か29歳までに引き下がっているじゃないですか。私これ、知りませんでした。

行くと決めるなら、きっと今このタイミングしかない。そこでもう頭はフランス行きに切り替わった為、資金はどうやって貯めていくのか、その上で今の仕事はどうするのかを考えていきました。

結果、再渡仏を決意してから半年後に仕事を辞め、その後はアルバイトで資金を貯め(正社員よりも自由に時間が取りやすいと考えた為)、約1年半後の今、フランスに来ることが出来ました。長かった!

画像2

実際に来て

フランスで生活し始めて約2カ月ですが、来る直前、更に来た当初は全く実感がありませんでした。信じられない、というのが今でも覚えている感想。(笑) 日本でちゃん準備も進めていましたし、下調べにも結構時間を取っていましたが、何だか全然自分のこととして捉えられなくて、誰か他人の事のように直前までアルバイトのお仕事や、引っ越し作業をしていました。(笑)

そして来てからも、「やっと来れた!フランス!」というキラキラした感想はなく、どちらかと言うと「あら、本当に来ちゃったのね、アンタ」って、どこまでもやはり他人事。(笑) 海外だからと言え初めて来る土地ではないことからどこか安心感もありました、ブランクあるのに、勝手に。

しかしそこはさすがヨーロッパ、お店が変わることはあっても道や大きな建物は変わりませんからね。パリの街中など、主要なところは感覚で歩けました。そんな自分がちょっと嬉しい。私はどちらかというと自分がいた証拠を確かめる時に嬉しさを感じるのかもしれません。

とは言え、基本的にそんな感じで大体は上の空気味だから、自分でも時々「大丈夫かなあ?」と心配になる時があります。(治安など身の安全にはすごく高い割合でビビってるのでそこは大丈夫です。…きっと笑)が、今のところ万事オッケーなんで、結果大丈夫です、きっと。

さてこの先はどうなるでしょうか。ね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?